Heroic〜龍の力を宿す者〜

Ruto

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1章

12:ガンガン進むぞ!

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俺たちはノーブルオーガを倒してからも順当に進み、現在は9階を進んでいる。敵のレベルも上がってきて、身体強化なしなら修行になるのでし はなしで進んでいる。

今俺の前にはウルフの上位種のガリム。体長は1m半ほどで、それが3体だ。
ソウマは今、オーガ2体と戦っている

ガリムは一体が俺を左から迂回して、2体が正面から仕掛けてくる。俺はまず迂回しようと離れたやつに向かう。距離を詰めた所で右手で剣を振り下ろすと見せかけて左足の刃でガリムの前足を斬りつける

ギャン!

斬り飛ばすには至らなかったが、これで1体は機動力を失った。横から残りの2体が来たので1体だけを相手にするように、2体が重なる所に移動して、首を斬り飛ばす。首を落としたやつの後ろからくる攻撃は横に転がって避ける。続いて噛み付いて来ようとしたので右足で下顎を蹴り上げ、足を下ろすときに勢いをつけて踏み込みにして、炎を纏った突きを晒された腹に放つ。

ドゴォン!

残ったガリムは機動力が落ちていたので特に苦労することなく首を落として、終了。

ソウマの方を見ると残ったオーガの拳を左の手の甲を当てて逸らし、風を纏った右爪を下からアッパー気味に放ちオーガを6枚に刻んだ。

ガリムとオーガをアイテムボックスに収納して進む。解体が面倒くさくなったので解体を後回しで進む。

少し進むと次の階段を見つけた

「クウガ、次のボスって何だっけ?」

「ジャイアントマンティスだよ」

「おお!強そうな名前だな!楽しみだぜ!」

「このまま身体強化なしで挑もう。危なくなったら使うけど」

「りょーかい!」

階段を昇り、10階へ向かう

階段を昇った先には荘厳な扉。扉を開けると円形の広場になっている

中央には俺たちの3倍くらいの高さ、光沢のある緑色の体色、両手には恐ろしいほどの切れ味を持つであろう鎌、目がキョロキョロと動いている

「あれか~」

「結構大きいね」

「まあ、大きさなんて関係ねぇよ。行くぞ!」

「はいはい」

ソウマの後をラキアの剣を抜きながら追いかけるノーブルオーガの時のように剣を振って雷槍を放つ。
だが、ノーブルオーガの時のようには当たらず、避けられソウマが攻撃範囲に入る前に鎌で攻撃してくる。

「ぬおっ!危な!」

「ソウマ!俺が前でやり合う!」

「わかった」

鎌相手に素手だと不利だと思ったのでソウマに鎌を弾いてもらった所で変わる。

上に弾かれた鎌が振り下ろされる。俺は知覚を加速させていき、鎌を下からの振り上げで迎え撃つ。

知覚の加速は巨人とやり合った時に、感覚を理解し、それを忘れない内に繰り返して物にした。

剣と鎌が互いに弾かれる。向こうにダメージは無いようだが此方は手が痺れている。速さは互角のようだが。

真っ向からぶつかるのは駄目だな、流すとかで対処だな

左から鎌が迫る。剣を鎌の下からあてがい上へ流す
右下から迫る鎌は右足を後ろに引いて躱し、ファイアボールを顔に向けて2つ時間差をつけて放つ。当たるが敵はそのまま攻撃を繰り出してくる。

そこにソウマの攻撃が命中する。炎を纏った爪での攻撃だ。片方の鎌がちぎれ飛ぶ。

ソウマに鎌が繰り出されるが既に離れているので空振りに終わる

俺は剣を両手で持ち大上段で構え、剣に魔力を纏わせていく。剣に銀の魔力が流れていき、剣を覆い魔力が剣身を作り伸びる

「はっ!」

気合いと共に剣を振り下ろす!

ザンッ!

ジャイアントマンティスの体は縦に2つに別れ地面に崩れ落ちていく

最後の攻撃は魔力操作の応用で、魔力で剣を覆い、さらに魔力で剣身を伸長したのだ。

「終わったけど、そろそろ苦戦してきたな」

「そうだね。でもそれが目的で来たんだからいいことだよ。収納したらまだ進もう。時間はまだあるから」

「おうよ、とっとと行こうぜ」

ジャイアントマンティスを収納し、まだ見ぬ強敵を求めて上を目指し進んで行く

~~~~~~

クウガ達が子供とは思えない力量で迷宮を攻略しているのが、目撃され、冒険者の間で噂になっていた。

「おい、聞いたか?」

「あ?何をだよ」

「塔型迷宮で物凄い強い2人組のガキが現れたんだとよ」

「物凄い強いて言ったって所詮ガキにしてはだろ?何をそんなにこうふんしてんだよ」

「それがちげぇんだよ。そのガキ共なんだけどよ、片方は竜人でもう片方は金狼人なんだが、竜人の方は9階のガリム3体を1人で無傷で倒し、金狼人の方はオーガ2体をこっちも1人で無傷で倒してんだよ。凄くねぇか?」

「確かにそれが本当だったら恐ろしい奴らだな。しかも1日と経たずに9階ってのも相当凄いぞ」

「それでまた面白いのがな、がそのガキ共に目付けたらしいんだよ」

か、それは確かにどうなるのかは気になるな」

「だろ~、あ、あとな」

その後も2人の冒険者は噂話しを話題にし、酒の肴にして飲み明かすのだった。
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