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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
598.カズラくんに、マウンテン王国の国王陛下が使っていた女神様から授かった力について、聞きました。
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ミーレ長官の謝罪を受け入れたオレは、ミーレ長官に謹慎を言い渡して、オレ達は本当に解散した。
「クロード。
クロードが、マウンテン王国の前の国王陛下に会ってみたくなったら、言ってほしい。
マウンテン王国の国王陛下に言いたいことや聞きたいことがあったら、さ。
会えるかどうか、会えたところで話してくれるかどうか、分からないけどなー。
クロードの気持ち次第では、働きかけるくらいはしてもいいとオレは思っている。
オレは、クロードが生きやすいようにしたい。
クロードが、興味を失っているなら、オレから働きかけることはしないけどな。」
オレは、クロードと並んで歩いていた。
クロードは、前を向いたまま足を止める。
「気になってはいる。だが。今でなくてもいい。」
とクロード。
「クロードが好きに決めたらいいからな。
じゃあ、今は保留にしておこうな?」
オレも足を止める。
オレは、クロードを抱きしめようと手を伸ばした。
そのとき。
ひょこっと。
カズラくんがやってきた。
足音もなく。
ひょっこりぽん、と現れたカズラくん。
「今、マウンテン王国の前の国王陛下について話をしていたよね?」
とカズラくん。
「していたけれどなー。
オレもクロードも、誰かに聞こえるほど大きな声で喋っていなかったぞ?
カズラくんがどこで聞いていたのか、オレとしては気になるなー。」
「ヒサツグ、壁に耳ありなんだよ?
隠したいことがあるなら、決して口から出したらダメなんだよ。」
とカズラくん。
カズラくんの耳は、たくさんありそうだなー。
気を取り直して。
「マウンテン王国の国王陛下がどうしたのかな?」
「部屋の中で話すよ。
ヒサツグとクロードは、知っておいた方がいい話もしたいからね。」
とカズラくん。
オレ、クロード、カズラくんは、小部屋に入った。
「ヒサツグとクロードは、マウンテン王国の前の国王陛下が、特別な力を使っていることに、変だと思わなかった?」
「言われてみれば。
ミーレ長官のお母さんが女王陛下に即位したときから、マウンテン王国の国王陛下は、女神様の力を授かっていないよな?」
「でも、部下を通して力を使っていたのは、ぼくと一緒に見たよね?」
とカズラくん。
「見たぞ。」
「マウンテン王国の前の国王陛下の力は、国王陛下なら授かるべくして授かるという力じゃないんだよ。」
「臨時に授かったのか?」
とクロード。
「目的に合わせて、女神様が授けた。
ヒサツグみたいにね。」
とカズラくん。
「カズラくんは、オレが女神様から授けられた加護に気づいていたんだな?」
オレの加護は、クロードを助けるためという、目的を限定した加護だった。
「ぼくは、特別な存在だから。」
とカズラくん。
「国王に即位したタイミングで、女神様は、国王陛下に、目的を絞った力を授けたんだよ。」
とカズラくん。
「前の国王陛下の使わせたい力の目的って何だったのかな?」
女神様は、何を意図して、女神様に恋する男に力を授けたのかな。
「使用用途を女神様の意に適うことに限定して、女神様は力を授けていたよ。」
とカズラくん。
「マウンテン王国の前の国王陛下は、女神様を呼び出しっぱなしにしていたよなー。
国王陛下が女神様に授けられた力を使うときはいつも。
女神様の目の前だったかもな。」
「マウンテン王国で、マウンテン王国の前の国王陛下に女神様を呼び出して、全員で話をした日に、女神様は、前の国王陛下に授けた力は取り上げたって言っていたよ。
マウンテン王国の前の国王陛下は、もう、誰にも、女神様の力を使えない。
女神様の力を使わない代わりに、暴言や暴力にはしるという可能性は、今後あるかもね。
会うときがあるなら、安全第一でね。」
とカズラくん。
「女神様が、力を与えて既に取り上げている?」
とクロード。
「そうだよ。ぼくは、女神様に直接確認したからね。」
とカズラくん。
「教えてくれてありがとう、カズラくん。」
「いいよ。続いて、大事な話をするから、よく聞いてよ。
ぼくは、日本に帰ったときに、ヒサツグの家族に会いにいってきた。
ヒサツグ。
話を聞きたい?」
とカズラくん。
オレの家族の話が聞ける?
二度と会えないと思っていたオレの家族。
オレは、一も二もなく、お願いした。
「クロード。
クロードが、マウンテン王国の前の国王陛下に会ってみたくなったら、言ってほしい。
マウンテン王国の国王陛下に言いたいことや聞きたいことがあったら、さ。
会えるかどうか、会えたところで話してくれるかどうか、分からないけどなー。
クロードの気持ち次第では、働きかけるくらいはしてもいいとオレは思っている。
オレは、クロードが生きやすいようにしたい。
クロードが、興味を失っているなら、オレから働きかけることはしないけどな。」
オレは、クロードと並んで歩いていた。
クロードは、前を向いたまま足を止める。
「気になってはいる。だが。今でなくてもいい。」
とクロード。
「クロードが好きに決めたらいいからな。
じゃあ、今は保留にしておこうな?」
オレも足を止める。
オレは、クロードを抱きしめようと手を伸ばした。
そのとき。
ひょこっと。
カズラくんがやってきた。
足音もなく。
ひょっこりぽん、と現れたカズラくん。
「今、マウンテン王国の前の国王陛下について話をしていたよね?」
とカズラくん。
「していたけれどなー。
オレもクロードも、誰かに聞こえるほど大きな声で喋っていなかったぞ?
カズラくんがどこで聞いていたのか、オレとしては気になるなー。」
「ヒサツグ、壁に耳ありなんだよ?
隠したいことがあるなら、決して口から出したらダメなんだよ。」
とカズラくん。
カズラくんの耳は、たくさんありそうだなー。
気を取り直して。
「マウンテン王国の国王陛下がどうしたのかな?」
「部屋の中で話すよ。
ヒサツグとクロードは、知っておいた方がいい話もしたいからね。」
とカズラくん。
オレ、クロード、カズラくんは、小部屋に入った。
「ヒサツグとクロードは、マウンテン王国の前の国王陛下が、特別な力を使っていることに、変だと思わなかった?」
「言われてみれば。
ミーレ長官のお母さんが女王陛下に即位したときから、マウンテン王国の国王陛下は、女神様の力を授かっていないよな?」
「でも、部下を通して力を使っていたのは、ぼくと一緒に見たよね?」
とカズラくん。
「見たぞ。」
「マウンテン王国の前の国王陛下の力は、国王陛下なら授かるべくして授かるという力じゃないんだよ。」
「臨時に授かったのか?」
とクロード。
「目的に合わせて、女神様が授けた。
ヒサツグみたいにね。」
とカズラくん。
「カズラくんは、オレが女神様から授けられた加護に気づいていたんだな?」
オレの加護は、クロードを助けるためという、目的を限定した加護だった。
「ぼくは、特別な存在だから。」
とカズラくん。
「国王に即位したタイミングで、女神様は、国王陛下に、目的を絞った力を授けたんだよ。」
とカズラくん。
「前の国王陛下の使わせたい力の目的って何だったのかな?」
女神様は、何を意図して、女神様に恋する男に力を授けたのかな。
「使用用途を女神様の意に適うことに限定して、女神様は力を授けていたよ。」
とカズラくん。
「マウンテン王国の前の国王陛下は、女神様を呼び出しっぱなしにしていたよなー。
国王陛下が女神様に授けられた力を使うときはいつも。
女神様の目の前だったかもな。」
「マウンテン王国で、マウンテン王国の前の国王陛下に女神様を呼び出して、全員で話をした日に、女神様は、前の国王陛下に授けた力は取り上げたって言っていたよ。
マウンテン王国の前の国王陛下は、もう、誰にも、女神様の力を使えない。
女神様の力を使わない代わりに、暴言や暴力にはしるという可能性は、今後あるかもね。
会うときがあるなら、安全第一でね。」
とカズラくん。
「女神様が、力を与えて既に取り上げている?」
とクロード。
「そうだよ。ぼくは、女神様に直接確認したからね。」
とカズラくん。
「教えてくれてありがとう、カズラくん。」
「いいよ。続いて、大事な話をするから、よく聞いてよ。
ぼくは、日本に帰ったときに、ヒサツグの家族に会いにいってきた。
ヒサツグ。
話を聞きたい?」
とカズラくん。
オレの家族の話が聞ける?
二度と会えないと思っていたオレの家族。
オレは、一も二もなく、お願いした。
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