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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

573.オレとクロードは、好き好き百パーセントですけど、何が始まるのでしょうか?

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お父さんお母さん以外の人が、どんな風か、会場内をゆっくり歩き回りながら、声を拾ってみることを勧めて、ケヤキくんを放流した。

ヤグルマさんは、ニコニコと俺を見守ってくれている。

抜群の安心感。

会場内を歩いていたクロードが、オレとヤグルマさんの元へ。

手を広げて待ち構えてやると。

クロードは、まっすぐオレの腕の中に来た。

オレは、腕の中にいるクロードを抱きしめる。

クロードを抱きしめるのは、すっかり、オレの癖になった。

クロードの方がオレをぎゅうぎゅう抱きしめるから、オレの顔はいつも、クロードの胸板に埋もれる。

クロードが満足いくまで待っていようとしても、クロードによるぎゅうぎゅうは、ベッドにいかない限りゆるまないと最近知ったので。

クロードの背中を撫でながら、クロードにオレはどこにも行かない、クロードが大好きだから、と伝えることにしている。

「クロード。オレもクロードと抱きしめ合いたかったから、オレのところに来てくれて嬉しいぞ。

クロードの話したい人に話すことは、できたかな?」

クロードは、ぎゅうぎゅうと抱きしめていた腕の力をゆるめてきた。

よしよし、いい調子。

オレは、顔を上げる。

「クロード。」

クロードの顔がおりてきて。

唇がふさがれた。

オレの唇に重なるクロードの唇。

オレの視界に広がるクロードの顔。

クロード!

ここ、外!

愛こんにゃく家の結婚式の披露宴会場だからな!

どうしていきなり、キスしてきたのかなー?

キスする予兆なんてなかったよな?

はふっ。

「クロード。」

唇が離れたので、急に何をするんだ、と言おうとしたら。

「ふうっ?」

もう一度唇がふさがれた。

クロード?

あのさ。

オレ、クロードとキスするのは、好きだけどな?

顔見知りも顔見知りじゃない人もいない場所なんて、オレとクロードにはないからさ。

人がいても、キスはするようになったけれど。

けーれーど!

ヤグルマさんの前でするのは、恥ずかしいんだからなー。

お世話になった恩師の前でキスが止められない、みたいなのは、さ。

「クロード?」

唇が離れたので、クロードに、何がしたいのか聞こうとしたら。

「ヒサツグからも。」
とクロード。

状況は、全くわからないけれど、クロードは、オレからキスしてほしいんだな?

クロードの希望を叶えるのは、伴侶のオレの特権だからなー。

叶えてやる、いくらでもな。

オレは、クロードの後頭部に手を回し、背伸びをして、クロードの顔にオレの顔を近づけて、目を閉じてから、吸い付くようなキスをする。

クロードの唇をオレの唇で堪能するなんて、贅沢だよなー。

さあ、クロード。

年上の余裕を味わうがいい。

オレが、年上らしくリードしてやるからなー。

ふ?

クロードの手が、オレの背中から外れる。

クロードは、オレの顎に手を添えた。

うん?

「はひ?」

オレは、思わず、唇を離して、目を開けた。

クロードの目が、肉食動物になっている。

食べたくなった?

いやいや、まだ早いぞ?

まだ、ベッドに行く時間じゃないぞ?

オレは、焦って、心の中で、ツッコミを入れる。

クロードの唇が薄く開く。

あ、本気のキスがくる。

オレは、唇を開いた。

まぶたはおろして。

クロードに任せる

クロードの唇と、舌と。

クロードに顎を支えられたまま、受け止める。

閉ざされた視界の中で、触れ合うことで伝わる熱と存在。

静かに、ソフトに、舐め合うように舌を絡めた後。

クロードの唇は離れていった。

クロード。

気持ちいいけどさー。

オレは、クロードと気持ちいいことをするのは、好きだけどな。

恥ずかしくて、ヤグルマさんの顔が見れないんだけど?

どうして、キスの連打を始めたのか、説明がほしいなー。

オレが、目を開けると。

注目の的になっていた。

状況的に、なんで、いきなりがっつき出した?

みたいになっているのかなー?

オレも、なんでか理由が知りたいなー。

「クロード?」

クロードが、オレにどんな役割をお願いしたいのか、まだ、オレは理解していないぞ?

「ヒサツグ。愛している。」
とクロード。

クロードは、オレの腰に両腕を回した。

「オレも、愛しているぞ。」

「ヒサツグは、私と出会い、私と愛し合い、私と結ばれるために、世界を超えて、私の元に現れた。」
とクロード。

クロードの言い方だと、さ。

クロードの目の前に突然現れたオレが。

『クロードの伴侶になりに来たヒサツグです!
仲良くしてください。』

好き好き百パーセントで、同棲始めたみたいに聞こえないかな?

今は好き好き百パーセントだけど、当時は、ゼロというか、マイナスだったぞ。

クロードが、女神様に伴侶をお願いして、日本から連れてこられたオレを探し当てたクロードが、オレを家に連れ帰った話は、どこへ?

クロードは、何を始めるのかな?
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