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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
486.マウンテン王家の問題の発端は、なんだったのでしょうか?
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マウンテン王家は、情熱的。
サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、理性的なのかな。
サーバル王国は、お隣がドリアン王国だから、理性的にならざるをえなかったのかもしれない。
「マウンテン王国の女王陛下と先代国王陛下のお父上にあたられる先々代国王陛下は、ご自身が女神様の恋人にならなかったことから、娘が後を継いでも問題ないのではないか、お考えになられたという噂が出回りました。
先々代国王陛下のお姉様がケレメイン公爵家へ降嫁されて以来、先々代国王陛下のお考えは、深まっていったとか。
マウンテン王家の迷走として、サーバル王国にも聞こえてきました。
噂として。
後に女王陛下となられた王女殿下は、お父様である先々代国王陛下の薫陶を受けておりました。
先代国王陛下は、先々代国王陛下とは距離をおいていらして。
女王陛下が即位されたときには、先々代国王陛下の遺言として、女王陛下の誕生を願ったという噂が流れましたわ。」
と王妃陛下。
噂の通りだとすると。
先々代国王陛下は、女神様への愛をこじらせていたのかな?
自分が選ばれなかったから、息子でなく、娘が王でもいい、と考えたんだったら、選ばれると思っていたプライドをへし折られた鬱屈が、女神様に選ばれるかもしれない息子を避けたとか?
オレは、マウンテン王国の先々代国王陛下にげんなりしそうになって、はっとした。
サーバル王国の王妃陛下は、オレに話すときに、わざわざ、噂だと断っている。
ひょっとして、噂が流れただけ、というのは、政治的な手法だったりするのかな?
先々代国王陛下と距離を置いていた先代国王陛下が、女王陛下の即位について、自分は賛成する気がないと示すために、先々代国王陛下の名を噂に使っている可能性もあるよな。
ひょっとして、オレは王妃陛下に試されているのかな?
共同戦線を張れる相手かどうかの見極めをされているかもしれないな。
オレが、人材を見繕うように、王妃陛下は、サーバル王国がシガラキノ女王をたてて、オレと共倒れにならないかを考えながら、作戦を立てているのかもしれない。
手を携えて協力関係を築きながらも、オレ達の根っこにあるのは、それぞれ、自分の国と民を守りたいという気持ち。
他の国よりも自分の国を守るのは当然で、その認識のもとで、オレ達は手を組む。
間違えてはいけない。
忘れてはいけない。
オレ達自身と、ケレメイン大公国を守り抜くのは、他の誰かではなく、オレだ。
この世界に来たとき。
オレ以外に、オレを守れるものはないと思っていた。
最初に感じたことは、間違いじゃなかった。
何かを守るために立ち上がるのは、この世界では当たり前。
守りたいものが、自分自身であっても。
あのときと、違うこともある。
今のオレには、クロードがいて、相談したり、頼ったりできる仲間がいる。
女神様は、日本から呼び寄せたオレの隣で、女神様の望む世界に戻そうとしている。
オレは、日本から呼び寄せられてからずっと、女神様に掌の上で転がされてきたのかもしれない、と思わないでもない。
今の苦労は、クロードと生きるためだから、今は掌に転がされておこうかな。
「女王陛下と先代国王陛下は、父である先々代国王陛下との距離の違いから、王家の在り方について、違うことを考えるようになったのかな?」
「王家の在り方とまではいかなかったかもしれません。
どちらかというと、家族の在り方です。」
と王妃陛下。
気持ちが強い人の家族に対する思い?
「先々代国王陛下の姉で、ケレメイン公爵家に降嫁した王女殿下と、先々代国王陛下との関係はどうだったのかな?」
「向き不向きで言えば、王女殿下の方が、王に向いていたけれども、女性は女神様の恋人になる余地がないので、早々に降嫁が決まったという話は漏れ聞こえてきました。」
と王妃陛下。
国王になるとき、女神様の力を授かることの他に、女神様の恋人になれるかも、という特典を、本人だけでなく周りも期待してしまうと、恋人になれなかったときに、辛いものがあるよな。
乗り越えていかないわけにはいけないけど。
サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、理性的なのかな。
サーバル王国は、お隣がドリアン王国だから、理性的にならざるをえなかったのかもしれない。
「マウンテン王国の女王陛下と先代国王陛下のお父上にあたられる先々代国王陛下は、ご自身が女神様の恋人にならなかったことから、娘が後を継いでも問題ないのではないか、お考えになられたという噂が出回りました。
先々代国王陛下のお姉様がケレメイン公爵家へ降嫁されて以来、先々代国王陛下のお考えは、深まっていったとか。
マウンテン王家の迷走として、サーバル王国にも聞こえてきました。
噂として。
後に女王陛下となられた王女殿下は、お父様である先々代国王陛下の薫陶を受けておりました。
先代国王陛下は、先々代国王陛下とは距離をおいていらして。
女王陛下が即位されたときには、先々代国王陛下の遺言として、女王陛下の誕生を願ったという噂が流れましたわ。」
と王妃陛下。
噂の通りだとすると。
先々代国王陛下は、女神様への愛をこじらせていたのかな?
自分が選ばれなかったから、息子でなく、娘が王でもいい、と考えたんだったら、選ばれると思っていたプライドをへし折られた鬱屈が、女神様に選ばれるかもしれない息子を避けたとか?
オレは、マウンテン王国の先々代国王陛下にげんなりしそうになって、はっとした。
サーバル王国の王妃陛下は、オレに話すときに、わざわざ、噂だと断っている。
ひょっとして、噂が流れただけ、というのは、政治的な手法だったりするのかな?
先々代国王陛下と距離を置いていた先代国王陛下が、女王陛下の即位について、自分は賛成する気がないと示すために、先々代国王陛下の名を噂に使っている可能性もあるよな。
ひょっとして、オレは王妃陛下に試されているのかな?
共同戦線を張れる相手かどうかの見極めをされているかもしれないな。
オレが、人材を見繕うように、王妃陛下は、サーバル王国がシガラキノ女王をたてて、オレと共倒れにならないかを考えながら、作戦を立てているのかもしれない。
手を携えて協力関係を築きながらも、オレ達の根っこにあるのは、それぞれ、自分の国と民を守りたいという気持ち。
他の国よりも自分の国を守るのは当然で、その認識のもとで、オレ達は手を組む。
間違えてはいけない。
忘れてはいけない。
オレ達自身と、ケレメイン大公国を守り抜くのは、他の誰かではなく、オレだ。
この世界に来たとき。
オレ以外に、オレを守れるものはないと思っていた。
最初に感じたことは、間違いじゃなかった。
何かを守るために立ち上がるのは、この世界では当たり前。
守りたいものが、自分自身であっても。
あのときと、違うこともある。
今のオレには、クロードがいて、相談したり、頼ったりできる仲間がいる。
女神様は、日本から呼び寄せたオレの隣で、女神様の望む世界に戻そうとしている。
オレは、日本から呼び寄せられてからずっと、女神様に掌の上で転がされてきたのかもしれない、と思わないでもない。
今の苦労は、クロードと生きるためだから、今は掌に転がされておこうかな。
「女王陛下と先代国王陛下は、父である先々代国王陛下との距離の違いから、王家の在り方について、違うことを考えるようになったのかな?」
「王家の在り方とまではいかなかったかもしれません。
どちらかというと、家族の在り方です。」
と王妃陛下。
気持ちが強い人の家族に対する思い?
「先々代国王陛下の姉で、ケレメイン公爵家に降嫁した王女殿下と、先々代国王陛下との関係はどうだったのかな?」
「向き不向きで言えば、王女殿下の方が、王に向いていたけれども、女性は女神様の恋人になる余地がないので、早々に降嫁が決まったという話は漏れ聞こえてきました。」
と王妃陛下。
国王になるとき、女神様の力を授かることの他に、女神様の恋人になれるかも、という特典を、本人だけでなく周りも期待してしまうと、恋人になれなかったときに、辛いものがあるよな。
乗り越えていかないわけにはいけないけど。
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