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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

413.サーバル王国の王女様と女神様は、似ているところがあると思います。サーバル王国の若手の皆さんに、オレが発破をかけましょう。

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オレの隣にいる女神様は、楽しくて仕方がないのか、ふふふ笑いが止まらない。

「ふふふ、ふふふ、ふふふ、ふふふ。」

女神様が上機嫌なのは、ザマァが楽しいだけじゃないんだろうなー。

頑張ってきたことを当たり前に受け止められて流され、誰からも評価されたり、感謝されたり、褒められたりしてこなかった王女様に共感している部分が、女神様にはあるような気がする。

オレの隣りにいる女神様は、もっと早くに、人の中にいたかったんだろうな。

ありがたがられたり、信仰されたり、恐れられたり。

女神様は、住人に女神様の存在を日々感じながら、暮らしてほしかったんじゃないのかな?

女神様が、しもべの国王陛下の中から恋人を作っていくのは、人恋しい気持ちからなんじゃないかなー。

オレは、はしゃぐ女神様を見ていて、諸悪の根源に思い至った。

代々の王妃様の心労の原因は、女神様に恋人関係になることを提案した、どの時代かのどこぞの国の国王陛下にあるんじゃないかな。

女神様の力を授かることで、女神様って偉大だから、皆で女神様を信仰しよう、と考える国王陛下が、女神様の力を授かったなら、女神様は隠された存在にされなかったと思う。

女神様の力を授かれることを特権にして、女神様を独り占めしようという国王陛下が多くいて、女神様の存在を国民から薄める方向に舵をきった結果が、今なんだろうな。

ザマァ、してやったり!と、王女様のためのザマァを我が事のように楽しんでいる女神様。

女神様がザマァをする相手はなー。

もうお亡くなりになっている、どこかの身勝手な国王陛下に、ザマァはできない。

恋人関係ではない人との付き合い方を覚えたら、女神様の人恋しさは、軽減しないかな。

ウキウキとオレの隣にいる女神様は、世界から秘密にされるために、国王陛下に力を授けたわけじゃなかったと思う。

王女様は、オレと女神様が無敵状態なのを見て、びっくりした状態から、じわじわと頬を赤らめていった。

オレに庇われて、オレに評価されるとは思ってもみなかったんだろうな。

王女様は、王女様としてこなしてきたことを褒められたことが、今までなかったんじゃないかな?

褒められ慣れなくて、今は顔を真っ赤にして照れている。

やり甲斐をうたうなら、やり遂げたときの賞賛は、最低限必要だとオレは考えている。

愛情もやる気も、何の対価も与えられないなら、いつかは枯渇するとオレは思う。

王女様に対して、やり甲斐云々どころか、王女様にやらせておけば、王女様が勝手にやるだろうという無責任な考え方が、王女様の周りには、蔓延していた。

王女様自身が、王女様のしていることは、評価されることだと認識を改めた今。

王女様は、搾取されないように、変わっていける。


サーバル王国の若手の皆さんに反省を促した後は。

王女様にも、サーバル王国の若手の皆さんの話をする予定。

「これからの王女様は、今までの王女様とは違う在り方で生きていくことになる。

王女様が、サーバル王国のお飾りのように扱われたままでいるために、オレは、王女様を親善大使に任命したわけじゃないからな。

サーバル王国とケレメイン大公国が友好関係を築いていくという信念を持って、王女様は仕事をしてほしい。

サーバル王国の若手の皆さんは、王女様が一人で外交官顔負けの働きをみせていたことを忘れずに。

サーバル王国の皆さんと王女様は、協力しあえる、助け合える、教え合える同僚として、馴れ合うんじゃなく、さらに上を目指して研鑽を励むように。

属国予定地の統治の実務を任せられるくらいに優秀だから、ケレメイン大公国に来たんだよな?

新しい環境でやっていくには、どうしたらいいかを、調べたり、計画したり、準備したり、調整したりすることは、ケレメイン大公国に来る前にもしたよな?

これからの仕事は、今までにない新しい仕事になる。

ケレメイン大公国が、新しいからな。

新しい仕事を一から作って成功へ持っていくのが、あんたらの仕事だ。

無駄な経験なんて一つもない。

未知の仕事に取り掛かるんだぞ。

足りない部分は、全員で能力を上げていかないと、成功が遠のくからな。

サーバル王国の若手の皆さんと王女様とで、力を合わせて、ケレメイン大公国をもり立てていってくれ。

ケレメイン大公国とうまくやっていくことが、サーバル王国にとっても、悪くない結果になる。」
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