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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

336.愛こんにゃく家の結婚式への願いを聞きました。オレは、愛こんにゃく家とこんにゃくの愛をそういうものだと認める人を増やしたいんです。

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愛こんにゃく家は、愛するこんにゃくから、愛されている幸せを受け止め、愛こんにゃく家自身がこんにゃくを愛する気持ちを、臆することなく、こんにゃくに伝えて、こんにゃくとの愛を隠さない。

愛こんにゃく家の、こんにゃくへの愛を脚色したり、誤魔化したりせずに、祝福したい、とオレは思う。

愛こんにゃく家とこんにゃくの愛への、純粋な、掛け値なしの味方は、家族とオレとクロードくらい。

今のところは。

オレは、愛こんにゃく家とこんにゃくの愛が、外野に歪められることがないようにしたい。

愛こんにゃく家とこんにゃくは、そういうものだよね、と受け入れてくれる人を増やしたいんだよなー。

愛こんにゃく家自身は、頼もしい人だと認識されている。

ケレメイン大公家では。

『ヒサツグ様のような大公妃の直属の部下をやれるなんて、大変だよね、愛こんにゃく家さん!頑張って!』
という雰囲気がある。

愛こんにゃく家が、こんにゃくとの愛を告白するだけでは、変わり者同士だから気が合うんだね、で、オレの評価に引きずられかねない。

だから、女神様が、愛こんにゃく家に興味を持ったのはチャンス到来だと思ったな。

王女様をはじめとするサーバル王国の人にも、そういうものか、愛こんにゃく家は、こんにゃくと相思相愛の仲だから、くらいにとらえるようになってくれたらいいなー、と考えている。

愛こんにゃく家は、キリッとした顔をして、女神様とオレと並んでいる。

愛こんにゃく家は、マウンテン王国の平民の家で生まれ育って、平民であるがために、マウンテン王国の貴族社会で爪弾きにされていたミーレ長官の部下になった。

マウンテン王国に限らず、この世界では、王侯貴族と平民は馴れ合わない。

国王陛下以下、王族貴族が支配者層。

平民は、いつまでもどこまでも被支配者。

一発逆転のチャンスがあるとしたら。

神子様に英雄に選ばれたとき。

平民が英雄に選ばれたことは、ほぼない。

下剋上すれば、一発逆転の可能性がゼロじゃないけれど、平民の英雄は、親類縁者も平民。

平民の英雄が下剋上する前に、王様が阻止する方が早い。

平民に生まれたら、平民の生活から逸脱しないことが大切。

平民自身と親類縁者を守るために。

そういう社会だからさ。

愛こんにゃく家が、オレに任された女神様と話をして気に入られたり、サーバル王国の王女様を前にして堂々としていられるのは、愛こんにゃく家の職業意識の高さのあらわれだと思うんだよな。

ザ・プロフェッショナル。

得難い人を部下にできた。

こんにゃくよ、ありがとう。

女神様の加護が発動した結果が、こんにゃくだったときは、こんにゃく、ホワイ?だったけど。

オレは、愛こんにゃく家がオレといるようになる前より、今の方が楽しい。

愛するこんにゃくに、愛があれば大丈夫、何の心配もしなくていい、と言えるように頑張っている健気さ。

愛こんにゃく家の家族も善良で家族思いだったなー。

愛こんにゃく家の愛情の深さは、愛っていいものだよな、と思わせてくれる。

今、オレは、お中元とお歳暮を贈りたいくらい、こんにゃくに感謝している。

愛こんにゃく家とこんにゃくが、家庭円満で過ごせるように。

こんにゃくの嫁である愛こんにゃく家の希望は、聞き漏らさないぞ。

さあ、愛こんにゃく家、結婚式には何を希望する?

「私は、私の家族に、私がこんにゃくと相思相愛の仲になれて幸せであることは伝えました。

結婚式では、ケレメイン大公国に来て、幸せに暮らせる今と未来があると伝えて、家族を安心させたいという思いがあります。

私自身も、何度も思い出しては、幸せを噛みしめて懐かしむ式にしたいと願っています。」
と愛こんにゃく家。
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