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第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。
38.オレに秘書がつきました。公爵の伴侶の公務は、秘書の働きが9割です。
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視察が終わってから、オレはとても忙しい。
お忍びに出る暇がない。
なぜだ?
初めての視察が大成功したことで、公爵の伴侶は公務に熱心だと思われてしまったからだ。
視察の疲れが取れた3日後には。
公爵の伴侶としての公務が日常生活に組み込まれてきた。
公爵の伴侶の秘書が優秀過ぎ。
信じられる?
オレに、秘書がついたんだよ。
秘書って、社長じゃあるまいし、と思ったら。
いるわ、秘書。
スケジュールの調整とか、客人の素性とか、
用件の裏の意味とか。
秘書がいないと、公務なんて出来る気がしない。
公爵帰ってこないし、公爵の公務は、どうしていたのか、聞いたなら。
複数の秘書が手分けしていたそうで。
「秘書が代理をするのも限度がありまして。公爵の伴侶の存在は、心強いです。」
「お仕事に真摯に取り組まれ、人品骨柄も公爵の伴侶として、どこにお連れしても自慢できます。」
「ご無理のない範囲から始めて、慣れていきましょう。」
使用人達の、公爵家に、救世主が現れた的な空気が、いたたまれないよ、オレ。
本日の来客は、陳情。
工房の見学は、陳情に変わった。
魔王の消失で消えた人は、中年以降、ベテランが多かった。
技術を伝授する前に、親方が消えた工房などがいくつもあり、工房に残っている若い職人へ技術が引き継げていないため、既存客の要望を叶えられず、キャンセルが相次ぎ、経営が苦しくなっている工房が増えている。
工房だけでは、如何ともし難いので、公爵家に、諸々お願いします、と。
職人組合の代表と話をして、実際に工房を見学することにした。
ベテランの技術では何が出来て、それが、若者では、どうなるのか。
オレは、専門じゃないから、さっぱり、分からない。
分からないことには、対策が立てられない。
できる限り、現地を見たいから、手配するように指示した。
オレは、現地にいく前に、工房について、基礎的な知識を頭に入れつつ、他国のやり方を調べさせたりしている。
そんなこんなの来客の対応をしているうちに、一ヶ月が経過していた。
「公爵の伴侶として、公爵家の采配を覚えるのはいつからにしましょうか。」
とヤグルマさんが言い出した。
止めて。
取り込まないで。
オレ、公爵家に永久就職しないから。
期間限定だから。
どうしよう?
オレ、公爵家の人達の期待と温もりが心地よすぎる。
公爵家の使用人に、別れを告げる日がまだ来ないことを願いたくなるくらいに。
お忍びに出る暇がない。
なぜだ?
初めての視察が大成功したことで、公爵の伴侶は公務に熱心だと思われてしまったからだ。
視察の疲れが取れた3日後には。
公爵の伴侶としての公務が日常生活に組み込まれてきた。
公爵の伴侶の秘書が優秀過ぎ。
信じられる?
オレに、秘書がついたんだよ。
秘書って、社長じゃあるまいし、と思ったら。
いるわ、秘書。
スケジュールの調整とか、客人の素性とか、
用件の裏の意味とか。
秘書がいないと、公務なんて出来る気がしない。
公爵帰ってこないし、公爵の公務は、どうしていたのか、聞いたなら。
複数の秘書が手分けしていたそうで。
「秘書が代理をするのも限度がありまして。公爵の伴侶の存在は、心強いです。」
「お仕事に真摯に取り組まれ、人品骨柄も公爵の伴侶として、どこにお連れしても自慢できます。」
「ご無理のない範囲から始めて、慣れていきましょう。」
使用人達の、公爵家に、救世主が現れた的な空気が、いたたまれないよ、オレ。
本日の来客は、陳情。
工房の見学は、陳情に変わった。
魔王の消失で消えた人は、中年以降、ベテランが多かった。
技術を伝授する前に、親方が消えた工房などがいくつもあり、工房に残っている若い職人へ技術が引き継げていないため、既存客の要望を叶えられず、キャンセルが相次ぎ、経営が苦しくなっている工房が増えている。
工房だけでは、如何ともし難いので、公爵家に、諸々お願いします、と。
職人組合の代表と話をして、実際に工房を見学することにした。
ベテランの技術では何が出来て、それが、若者では、どうなるのか。
オレは、専門じゃないから、さっぱり、分からない。
分からないことには、対策が立てられない。
できる限り、現地を見たいから、手配するように指示した。
オレは、現地にいく前に、工房について、基礎的な知識を頭に入れつつ、他国のやり方を調べさせたりしている。
そんなこんなの来客の対応をしているうちに、一ヶ月が経過していた。
「公爵の伴侶として、公爵家の采配を覚えるのはいつからにしましょうか。」
とヤグルマさんが言い出した。
止めて。
取り込まないで。
オレ、公爵家に永久就職しないから。
期間限定だから。
どうしよう?
オレ、公爵家の人達の期待と温もりが心地よすぎる。
公爵家の使用人に、別れを告げる日がまだ来ないことを願いたくなるくらいに。
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