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第2章 ケレメイン公爵家での一週間が始まりました。

20.男と結婚したら、日本に帰るチャンスは、オレが自分で作れるんですか?それなら、考えがあります。

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結婚? 
オレが、公爵と?

嫌がらせか?

金を払いたくないからか?

おい、たかだか嫌がらせで、オレの人生を潰しにくるなよ!

今、オレは、人生最大にイライラしている。

「無効だ!撤回しろ!
なんで、今の流れで、オレが公爵と結婚しなくちゃならないんだ!」

「図太い精神は、公爵の伴侶として申し分ない。」
と宰相補佐。

「図太くならないと、あんたらに負けるから、図太くなったの!」

「誤解していたな。伴侶として、公爵を支えるがいい。」
と国王陛下。

「誰がやるか。結婚は無効だ。オレは認めない。」

「公爵のために、身を粉にする覚悟があったとは。」
と司祭。

「ないわ!オレのために仕事を覚えたかっただけで、公爵のため、なんて気持ちは、一ミリも持ち合わせていない。」

「頭と体が弱い伴侶では、公爵が心配する。定期的に診察にくる。」
と医者。

「オレの頭と体が弱かろうが、公爵には関係ないってのが、なんで伝わらない!」

「公爵の伴侶の安全のために、定期的に見回りにきてやる。」
と近衛騎士団副団長。

「伴侶にならないのが、一番安全だろう、それ。
オレの安全のために、この結婚は無効にしろよ。」

「ありがとう。良い友人を持てて、私は幸せだ。」
と公爵。

「待て、コラ。全然幸せじゃないオレの存在を目の前で忘れるの、止めてくれる?」

「ああ、そうだな。」
と国王陛下。

六人もいたら、話がわかるやつも、一人くらいいるのか?

と思ったオレは、甘かった。

「結婚おめでとう。祝いの品は後ほど、届けさせる。」
と国王陛下。

「おめでたくない。祝うな。
オレがほしいのは、公爵との手切れ金だって言っているだろう!」

その後も、公爵の友人は、祝いの品を持ってくると、口々に話しだす。

「祝うな、送り返すぞ。」
とオレが言うやいなや。

「ありがとう。私の選んだ伴侶を友人に認めてもらえるほど、嬉しいことはない。」
と公爵。

こいつら、全員、話を聞きやしない。

公爵邸に来て一週間目。

オレは、抗議の甲斐なく、公爵の伴侶になった。

本当に、意味がわからん。

ん?

全くその気がない男同士で結婚した今なら、日本に帰るチャンスを自分で作れるじゃないか!

オレ、天才。

日本に帰るオレが、異世界で恋に落ちるのは、違うと思っていた。

神様の神託は、『夫』。

男同士なら、どっちでも、いいわけだ。

オレと公爵が結婚した状態で、
公爵が真実の愛を捧げる相手を見つけて、真実の愛を捧げたら、オレは、日本に帰れる!

よし。

そうと決まったら、やる気が出た。
公爵に、候補者を斡旋しまくるぞ!
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