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第3章 結婚しました。公爵閣下と。オレ、歓迎、されてます?
27.三番手は、司祭の従兄弟。四番手は、医者の妹。五番手は、近衛騎士団長の甥。公爵は、なぜ、この五人から選ばずにオレを伴侶にしたんでしょう?
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ゲストその三。
司祭の従兄弟。
五人の中で一番若い。
16歳。
「ぼくは、公爵に寄り添い、公爵の疲れを癒やしてさしあげることができる。あなたには、何ができるわけ?」
顔を斜めにして、ふんっと鼻を鳴らしながら睨まれた。
オレ?
オレは、何もする予定はないなあ。
あ、あった。
1つだけ。
「公爵に、公爵が真実の愛を捧げたい人を用意します。」
オレが、答えると、目をむかれた。
「はん。」
と、そっぽを向かれて、司祭の従兄弟との会話は終了。
弾まない会話って、辛い。
会話しないで済むように、黙食のお茶会にしたい。
ゲストその四。
医者の妹。
20歳。
医者の妹は、医者ではない。
妹の職業は、家事手伝いだそうだ。
「私がお嫁さんになっていたら、公爵閣下のために、私が家を切り盛りして、公爵家は、ますます栄えることになったのに。」
返事に困ることを言わないでもらいたい。
「そうですか。公爵家の繁栄のために、頑張ってくださるお気持ちがあったと、公爵に伝えて。」
『みては、どうでしょうか?』
と続けたかったが、オレは、続けられなかった。
「馬鹿にして!」
とめちゃくちゃ怒られた。
「してません。公爵家を盛り立てるお気持ちは、尊いです。」
オレには、ないんで。
あー。日本に帰りたい。
「やっぱり馬鹿にしているじゃない!サイテー。」
と言ったきり、医者の妹は、口を開かなくなった。
ゲストその五。
近衛騎士団長の甥。
甥も、近衛騎士団の騎士。
役職にはついていない。
22歳。
「公爵が背中を預けられるのは、俺しかいない。
俺は公爵と一緒に戦える。公爵の隣に立つのに相応しいのは、俺だ。
お前は、戦えないくせに、なんで、公爵に並んでいるんだ?」
騎士団長の甥は、ムキムキマッチョ。
オレは、29歳の日本人。
外見も能力も才能も、日本で暮らしていた頃と何一つ変わっていないオレ。
戦場に着く前に疲労で倒れる自信ある。
オレ、なんで、異世界にいるんだろう?
オレを呼んだ人がいるなら、人選を間違い過ぎだと言ってやりたい。
誰も呼んでいないっぽいから、苦情の入れ先がないのが、尚、辛い。
神様の神託だけが、今のオレの心の支え。
絶対に日本に帰るんだ。
司祭の従兄弟。
五人の中で一番若い。
16歳。
「ぼくは、公爵に寄り添い、公爵の疲れを癒やしてさしあげることができる。あなたには、何ができるわけ?」
顔を斜めにして、ふんっと鼻を鳴らしながら睨まれた。
オレ?
オレは、何もする予定はないなあ。
あ、あった。
1つだけ。
「公爵に、公爵が真実の愛を捧げたい人を用意します。」
オレが、答えると、目をむかれた。
「はん。」
と、そっぽを向かれて、司祭の従兄弟との会話は終了。
弾まない会話って、辛い。
会話しないで済むように、黙食のお茶会にしたい。
ゲストその四。
医者の妹。
20歳。
医者の妹は、医者ではない。
妹の職業は、家事手伝いだそうだ。
「私がお嫁さんになっていたら、公爵閣下のために、私が家を切り盛りして、公爵家は、ますます栄えることになったのに。」
返事に困ることを言わないでもらいたい。
「そうですか。公爵家の繁栄のために、頑張ってくださるお気持ちがあったと、公爵に伝えて。」
『みては、どうでしょうか?』
と続けたかったが、オレは、続けられなかった。
「馬鹿にして!」
とめちゃくちゃ怒られた。
「してません。公爵家を盛り立てるお気持ちは、尊いです。」
オレには、ないんで。
あー。日本に帰りたい。
「やっぱり馬鹿にしているじゃない!サイテー。」
と言ったきり、医者の妹は、口を開かなくなった。
ゲストその五。
近衛騎士団長の甥。
甥も、近衛騎士団の騎士。
役職にはついていない。
22歳。
「公爵が背中を預けられるのは、俺しかいない。
俺は公爵と一緒に戦える。公爵の隣に立つのに相応しいのは、俺だ。
お前は、戦えないくせに、なんで、公爵に並んでいるんだ?」
騎士団長の甥は、ムキムキマッチョ。
オレは、29歳の日本人。
外見も能力も才能も、日本で暮らしていた頃と何一つ変わっていないオレ。
戦場に着く前に疲労で倒れる自信ある。
オレ、なんで、異世界にいるんだろう?
オレを呼んだ人がいるなら、人選を間違い過ぎだと言ってやりたい。
誰も呼んでいないっぽいから、苦情の入れ先がないのが、尚、辛い。
神様の神託だけが、今のオレの心の支え。
絶対に日本に帰るんだ。
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