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135.人の原動力となりうるもの?モエカと佐竹ハヤトとタケハヤプロジェクトの学生とタケハヤプロジェクト。壊されたくないなら、何を犠牲にする?
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俺は、友達が死ぬことになった転換点を見つけた。
モエカの存在だ。
大学時代を思い出す。
佐竹ハヤトと距離を置いたモエカ。
モエカを追わなかった俺の友達。
付き合う寸前までいった二人は、付き合う前に距離をおいた。
まるで他人のような距離を保ったまま、卒業した佐竹ハヤトとモエカ。
モエカが、馬鹿ではないと自分で言うくらいだから、そういうことなのだろう。
佐竹ハヤトとモエカは、特別な仲になることで、互いにとっての弱みになり、互いを危険にさらすことになる可能性を考えて、付き合う前に、離れたのか。
互いに、互いを想い合っていたからこそ。
大事にしたい相手だからこそ、佐竹ハヤトとモエカは、付き合うのを止めた。
付き合うことが、互いを傷つける未来しか見えなかったから。
佐竹ハヤトとモエカは、他人の関係を貫くことで、大事な人に危害が及ばないようにしたのか。
佐竹ハヤトが、タケハヤプロジェクトで孤立していた理由も分かった。
モエカの事例と同じだ。
モエカとは、恋人になる前に距離をおいた。
タケハヤプロジェクトの学生とは、友達になる前に距離をおいた。
俺の友達は、賢くて、コミュニケーション能力が高かった。
佐竹ハヤトは、進んで孤立を選んでいる。
佐竹ハヤトが進んで孤立を選んだのは、タケハヤプロジェクトを成功させるためと、タケハヤプロジェクトの学生を守るため。
タケハヤプロジェクトの学生のうち、早期にタケハヤプロジェクトから去った学生の中に、佐竹ハヤトと意気投合していた学生がいたのだろう。
亡くなった若い官僚は、佐竹ハヤトの一番の協力者だった可能性が高い。
佐竹ハヤト自身も、佐竹ハヤト以外のタケハヤプロジェクトの学生も、理解していたはず。
佐竹ハヤトと親しい間柄だと認識されると、標的にされる。
タケハヤプロジェクトを乗っ取りたい支援団体に。
佐竹ハヤトを目の敵にしていた、支援団体の言いなり学生が、モエカを標的にすると決めた理由。
モエカは、佐竹ハヤトと親しかったことがある女だから。
佐竹ハヤトを含むタケハヤプロジェクトの学生は、全員で、支援団体を欺くことにしたのか。
モエカ曰く、タケハヤプロジェクトの学生は馬鹿ではないから、論理の破綻した論調にはついていけなかった。
支援団体の論理は、タケハヤプロジェクトの軸足とは違うところに軸足があるため、最初から水と油、相容れない。
タケハヤプロジェクトは、少子化に悩むこの国が、少子化を悩まなくて済むように、少子化に適応して、過疎地を過疎地として終わらせないために、熱意と才能に溢れる学生が考えた企画。
学生は、人がいないなら、いないで、あるもので困らないようにすればいい、と考えた。
支援団体は、減っているなら、外から足して増やす派だ。
支援団体は、外から増やすことが利益になる。
だから、外から足すことによる不協和音は、減っていく方に押し付ける。
その図式が、出来上がっている。
タケハヤプロジェクトの学生は、佐竹ハヤトの亡き後も、支援団体を欺くのを辞めるタイミングがわからなかった。
今日、支援団体の言いなり学生が死んでやっと、タケハヤプロジェクトの学生の視界はひらけた。
支援団体の言いなり学生が死ぬという変化が起きた今日は、昨日までとは違うことがあるはず、と考えたとき。
何が違うのか、と考えると。
俺の存在、という結論に達したのか。
馬鹿ではないから、馬鹿のフリをしようとしても、馬鹿にはなれない。
『正義が勝たないデスゲームを終わらせてくれ。』
というのは、本心だろう。
正義が勝たないデスゲームの中にいる限り、タケハヤプロジェクトの学生は、誰にも害されることなく、生きていける。
最低限、人を殺しさえすれば。
人殺しのノルマをこなしているうちは、死なない。
生きるために、人殺しで居続けることは、タケハヤプロジェクトの学生の精神を摩耗させた。
モエカとタケハヤプロジェクトの学生が一緒に行動しないのは、元々の佐竹ハヤトとの関係性が、モエカとタケハヤプロジェクトの学生との距離感を埋め難くしているからか。
「タケハヤプロジェクトの学生以外に仲が良い人がいること。
今現在、モエカが無事だということが、答えか。」
モエカが、率先して、人を殺してきた理由は、生きるため。
佐竹ハヤトに生かされた実感が、モエカにはある。
佐竹ハヤトもモエカも、付き合うことはなく、告白さえしなかったが、両思いだったのだろう。
佐竹ハヤトがその命をもって生かそうとした命だからこそ、モエカは、ためらわずに人を殺して、生きることを選んだ。
モエカを標的にすると言い放った、支援団体の言いなり学生が、行動に移す前に、佐竹ハヤトは、行動に移した。
モエカと、
タケハヤプロジェクトと、タケハヤプロジェクトを守るために共に戦ってきたタケハヤプロジェクトの学生。
その全部を手折られないように。
モエカの存在だ。
大学時代を思い出す。
佐竹ハヤトと距離を置いたモエカ。
モエカを追わなかった俺の友達。
付き合う寸前までいった二人は、付き合う前に距離をおいた。
まるで他人のような距離を保ったまま、卒業した佐竹ハヤトとモエカ。
モエカが、馬鹿ではないと自分で言うくらいだから、そういうことなのだろう。
佐竹ハヤトとモエカは、特別な仲になることで、互いにとっての弱みになり、互いを危険にさらすことになる可能性を考えて、付き合う前に、離れたのか。
互いに、互いを想い合っていたからこそ。
大事にしたい相手だからこそ、佐竹ハヤトとモエカは、付き合うのを止めた。
付き合うことが、互いを傷つける未来しか見えなかったから。
佐竹ハヤトとモエカは、他人の関係を貫くことで、大事な人に危害が及ばないようにしたのか。
佐竹ハヤトが、タケハヤプロジェクトで孤立していた理由も分かった。
モエカの事例と同じだ。
モエカとは、恋人になる前に距離をおいた。
タケハヤプロジェクトの学生とは、友達になる前に距離をおいた。
俺の友達は、賢くて、コミュニケーション能力が高かった。
佐竹ハヤトは、進んで孤立を選んでいる。
佐竹ハヤトが進んで孤立を選んだのは、タケハヤプロジェクトを成功させるためと、タケハヤプロジェクトの学生を守るため。
タケハヤプロジェクトの学生のうち、早期にタケハヤプロジェクトから去った学生の中に、佐竹ハヤトと意気投合していた学生がいたのだろう。
亡くなった若い官僚は、佐竹ハヤトの一番の協力者だった可能性が高い。
佐竹ハヤト自身も、佐竹ハヤト以外のタケハヤプロジェクトの学生も、理解していたはず。
佐竹ハヤトと親しい間柄だと認識されると、標的にされる。
タケハヤプロジェクトを乗っ取りたい支援団体に。
佐竹ハヤトを目の敵にしていた、支援団体の言いなり学生が、モエカを標的にすると決めた理由。
モエカは、佐竹ハヤトと親しかったことがある女だから。
佐竹ハヤトを含むタケハヤプロジェクトの学生は、全員で、支援団体を欺くことにしたのか。
モエカ曰く、タケハヤプロジェクトの学生は馬鹿ではないから、論理の破綻した論調にはついていけなかった。
支援団体の論理は、タケハヤプロジェクトの軸足とは違うところに軸足があるため、最初から水と油、相容れない。
タケハヤプロジェクトは、少子化に悩むこの国が、少子化を悩まなくて済むように、少子化に適応して、過疎地を過疎地として終わらせないために、熱意と才能に溢れる学生が考えた企画。
学生は、人がいないなら、いないで、あるもので困らないようにすればいい、と考えた。
支援団体は、減っているなら、外から足して増やす派だ。
支援団体は、外から増やすことが利益になる。
だから、外から足すことによる不協和音は、減っていく方に押し付ける。
その図式が、出来上がっている。
タケハヤプロジェクトの学生は、佐竹ハヤトの亡き後も、支援団体を欺くのを辞めるタイミングがわからなかった。
今日、支援団体の言いなり学生が死んでやっと、タケハヤプロジェクトの学生の視界はひらけた。
支援団体の言いなり学生が死ぬという変化が起きた今日は、昨日までとは違うことがあるはず、と考えたとき。
何が違うのか、と考えると。
俺の存在、という結論に達したのか。
馬鹿ではないから、馬鹿のフリをしようとしても、馬鹿にはなれない。
『正義が勝たないデスゲームを終わらせてくれ。』
というのは、本心だろう。
正義が勝たないデスゲームの中にいる限り、タケハヤプロジェクトの学生は、誰にも害されることなく、生きていける。
最低限、人を殺しさえすれば。
人殺しのノルマをこなしているうちは、死なない。
生きるために、人殺しで居続けることは、タケハヤプロジェクトの学生の精神を摩耗させた。
モエカとタケハヤプロジェクトの学生が一緒に行動しないのは、元々の佐竹ハヤトとの関係性が、モエカとタケハヤプロジェクトの学生との距離感を埋め難くしているからか。
「タケハヤプロジェクトの学生以外に仲が良い人がいること。
今現在、モエカが無事だということが、答えか。」
モエカが、率先して、人を殺してきた理由は、生きるため。
佐竹ハヤトに生かされた実感が、モエカにはある。
佐竹ハヤトもモエカも、付き合うことはなく、告白さえしなかったが、両思いだったのだろう。
佐竹ハヤトがその命をもって生かそうとした命だからこそ、モエカは、ためらわずに人を殺して、生きることを選んだ。
モエカを標的にすると言い放った、支援団体の言いなり学生が、行動に移す前に、佐竹ハヤトは、行動に移した。
モエカと、
タケハヤプロジェクトと、タケハヤプロジェクトを守るために共に戦ってきたタケハヤプロジェクトの学生。
その全部を手折られないように。
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