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115.竹馬の練習にモエカを付き合わせながら、質問をしてみる。デスゲーム運営に命乞いをした男と、モエカと、俺の友達、佐竹ハヤトの共通点は?
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俺が竹馬を選んで、モエカを誘いにいってからも、他の参加者は動かない。
今の状況が、全くよめない。
手始めに、モエカが動かない理由から聞いていくことにした。
消極的にであろうと、俺の近くにいることを選んだモエカ。
気が進まなかろうが、俺の質問に、無言になることはないだろう。
まずは、丁寧に、話のとっかかりを作るか。
「モエカさんは、練習せずに、本番に挑戦するんですか?」
我ながら白々しい質問だが、怯えて逃げられるよりはいい。
「竹馬も一輪車も乗れますから。」
とモエカは、斜め下を向いて答えた。
モエカが、徹底して俺と目を合わせない理由を知りたい。
俺に何かあるのか?
「モエカさんは、練習がいらないんですか。
俺の練習に付き合ってもらえるのは、助かります。
モエカさんだけではなく、俺以外の参加者も、経験者なんですかね?」
「ええ、まあ。」
とモエカ。
会話が続かない。
モエカには、俺と会話を続ける気がない。
会話が続かないなら、通り一遍の話題より、突っ込んだ話で、反応を見るか。
「モエカさん、竹馬を支えてもらえますか?」
「あ、はい。」
俺は、モエカに竹馬を持ってもらった。
竹馬に足を乗せて、バランスを崩して落ちる、を繰り返しながら、モエカに話しかける。
モエカは、デスゲーム参加歴が長い方だと思う。
モエカがデスゲームに熟知している前提で話していく方が、情報を引き出せるだろう。
モエカは、俺の足元を見ながら、両手で竹馬を支えている。
俺は、真向かいでの距離が近づいたことをいいことに、丁寧に話すのを止めた。
要点を絞って聞かないと、時間切れになる。
「答えにくいなら、はい、か、いいえ、だけでいいから答えてくれ。
俺は、デスゲームにコメント入れる仕事をしていた。
モエカは、デスゲームのコメントを書き込むときに、見て分かった。
だが、佐竹ハヤトの顔は、デスゲームで見ていない。
俺は、今、デスゲームに参加している自覚がある。
不本意ながらだが。
その上での質問だ。
佐竹ハヤトは、デスゲームに参加して死んだか?」
間があった。
「はい。」
とモエカ。
予想通りか。
「ありがとう。
俺は、デスゲームに関わった関係で、デスゲーム参加者になった。
佐竹ハヤトも、デスゲームの関係者だったのか?」
また、間があった。
「はい。」
とモエカ。
「さっき、デスゲーム運営に命乞いしていた男も、デスゲームに関わりがあったのか?」
「はい。」
「モエカもか?」
間があった。
「はい。」
とモエカ。
「デスゲーム運営に命乞いをしていた男とモエカは、デスゲーム参加者になる前に面識があるか?」
「はい。」
とモエカ。
「デスゲーム運営に命乞いをしていた男は、佐竹ハヤトとも面識があるか?」
「はい。」
とモエカ。
「佐竹ハヤトと、モエカと、デスゲーム運営に命乞いをした男は、タケハヤプロジェクトの関係者か?」
モエカは、返事をしなかった。
モエカは、俺の足元を見ていたが、今までのやりとりから、モエカの返事は推測できる。
「返事は、はい、と。」
俺は、モエカの代わりに、返事をした。
モエカは、首を横に振りかけて、元に戻す。
「佐竹ハヤトは、タケハヤプロジェクトを失敗した関係で、デスゲームに参加したのか?
モエカと、デスゲーム運営に命乞いした男と一緒のタイミングか、時間差があったのか、はおいておいて。」
モエカは、『タケハヤプロジェクト』と『失敗』という言葉に反応して、顔を上げた。
「タケハヤプロジェクトは、失敗なんてしていない。
成功している。大成功よ。」
とモエカ。
「佐竹ハヤトが、デスゲームでしんでいるのにか?」
「うまく行き過ぎたの。佐竹くんのことは、タケハヤプロジェクトが想定以上にうまく行き過ぎて、佐竹くんにも、佐竹くん以外にも止められなかったのよ。」
とモエカ。
「タケハヤプロジェクトがうまく行き過ぎて、佐竹ハヤトは死んだ、か?
デスゲームでの死に、過労死があるのか?」
「佐竹くんの死因は、過労死ではないの。」
とモエカ。
「同業者からの妬みか?」
「佐竹くんには、同業者なんていなかった。
ただ、佐竹くんというブランドがあった。」
とモエカ。
もどかしい。
モエカは、こちらから、正しい答えを突きつけないと、返事をしない。
モエカなりに、リスクを嫌っているのだろう。
俺も慎重にやる。
「佐竹ハヤト以外のタケハヤプロジェクトの関係者のうち、佐竹ハヤトの優秀さに目をつけたやつが、何かをしたか?」
俺の友達は、俺の前で、優秀さなど匂わせもしなかったが。
「働きかけがあったけれど、最終的な決断をして、実行したのは、佐竹くん。
佐竹くんが、働きかけに応えて実行しなかったら。
佐竹くんも、私も、デスゲームに参加することはなかったの。」
とモエカ。
今の状況が、全くよめない。
手始めに、モエカが動かない理由から聞いていくことにした。
消極的にであろうと、俺の近くにいることを選んだモエカ。
気が進まなかろうが、俺の質問に、無言になることはないだろう。
まずは、丁寧に、話のとっかかりを作るか。
「モエカさんは、練習せずに、本番に挑戦するんですか?」
我ながら白々しい質問だが、怯えて逃げられるよりはいい。
「竹馬も一輪車も乗れますから。」
とモエカは、斜め下を向いて答えた。
モエカが、徹底して俺と目を合わせない理由を知りたい。
俺に何かあるのか?
「モエカさんは、練習がいらないんですか。
俺の練習に付き合ってもらえるのは、助かります。
モエカさんだけではなく、俺以外の参加者も、経験者なんですかね?」
「ええ、まあ。」
とモエカ。
会話が続かない。
モエカには、俺と会話を続ける気がない。
会話が続かないなら、通り一遍の話題より、突っ込んだ話で、反応を見るか。
「モエカさん、竹馬を支えてもらえますか?」
「あ、はい。」
俺は、モエカに竹馬を持ってもらった。
竹馬に足を乗せて、バランスを崩して落ちる、を繰り返しながら、モエカに話しかける。
モエカは、デスゲーム参加歴が長い方だと思う。
モエカがデスゲームに熟知している前提で話していく方が、情報を引き出せるだろう。
モエカは、俺の足元を見ながら、両手で竹馬を支えている。
俺は、真向かいでの距離が近づいたことをいいことに、丁寧に話すのを止めた。
要点を絞って聞かないと、時間切れになる。
「答えにくいなら、はい、か、いいえ、だけでいいから答えてくれ。
俺は、デスゲームにコメント入れる仕事をしていた。
モエカは、デスゲームのコメントを書き込むときに、見て分かった。
だが、佐竹ハヤトの顔は、デスゲームで見ていない。
俺は、今、デスゲームに参加している自覚がある。
不本意ながらだが。
その上での質問だ。
佐竹ハヤトは、デスゲームに参加して死んだか?」
間があった。
「はい。」
とモエカ。
予想通りか。
「ありがとう。
俺は、デスゲームに関わった関係で、デスゲーム参加者になった。
佐竹ハヤトも、デスゲームの関係者だったのか?」
また、間があった。
「はい。」
とモエカ。
「さっき、デスゲーム運営に命乞いしていた男も、デスゲームに関わりがあったのか?」
「はい。」
「モエカもか?」
間があった。
「はい。」
とモエカ。
「デスゲーム運営に命乞いをしていた男とモエカは、デスゲーム参加者になる前に面識があるか?」
「はい。」
とモエカ。
「デスゲーム運営に命乞いをしていた男は、佐竹ハヤトとも面識があるか?」
「はい。」
とモエカ。
「佐竹ハヤトと、モエカと、デスゲーム運営に命乞いをした男は、タケハヤプロジェクトの関係者か?」
モエカは、返事をしなかった。
モエカは、俺の足元を見ていたが、今までのやりとりから、モエカの返事は推測できる。
「返事は、はい、と。」
俺は、モエカの代わりに、返事をした。
モエカは、首を横に振りかけて、元に戻す。
「佐竹ハヤトは、タケハヤプロジェクトを失敗した関係で、デスゲームに参加したのか?
モエカと、デスゲーム運営に命乞いした男と一緒のタイミングか、時間差があったのか、はおいておいて。」
モエカは、『タケハヤプロジェクト』と『失敗』という言葉に反応して、顔を上げた。
「タケハヤプロジェクトは、失敗なんてしていない。
成功している。大成功よ。」
とモエカ。
「佐竹ハヤトが、デスゲームでしんでいるのにか?」
「うまく行き過ぎたの。佐竹くんのことは、タケハヤプロジェクトが想定以上にうまく行き過ぎて、佐竹くんにも、佐竹くん以外にも止められなかったのよ。」
とモエカ。
「タケハヤプロジェクトがうまく行き過ぎて、佐竹ハヤトは死んだ、か?
デスゲームでの死に、過労死があるのか?」
「佐竹くんの死因は、過労死ではないの。」
とモエカ。
「同業者からの妬みか?」
「佐竹くんには、同業者なんていなかった。
ただ、佐竹くんというブランドがあった。」
とモエカ。
もどかしい。
モエカは、こちらから、正しい答えを突きつけないと、返事をしない。
モエカなりに、リスクを嫌っているのだろう。
俺も慎重にやる。
「佐竹ハヤト以外のタケハヤプロジェクトの関係者のうち、佐竹ハヤトの優秀さに目をつけたやつが、何かをしたか?」
俺の友達は、俺の前で、優秀さなど匂わせもしなかったが。
「働きかけがあったけれど、最終的な決断をして、実行したのは、佐竹くん。
佐竹くんが、働きかけに応えて実行しなかったら。
佐竹くんも、私も、デスゲームに参加することはなかったの。」
とモエカ。
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