フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1292.ダンシェル、ロウウェル、レイモンドは、呪術で加工された剣による攻撃について、考察を始めたの。

ボクは、怨霊と傘妖怪に、異世界転移者が生きる秘訣を伝えたの。

「騎士学校の学生が使っている呪術で加工された剣は、太刀筋が良くなるものではないんだよなあ。」
とユージュアル。

「呪術で加工されていても、使用者の技量以上にはならないなら。

呪術の使用用途は、使用者の上達とは別ということになるけど。」
とサブリー。

「シノ教官。こいつら、平気そうです。」

「暇そうにしていて腹が立ちました。」

「全然効かないのは、なぜですか？」

騎士学校の学生は、全員、ボク達近衛別働隊に攻撃しても、全く手応えがないとシノ教官に訴えたの。

「逃げるなど卑怯だ！
騎士学校の学生が剣を持っているのだから、正々堂々と剣で戦え！」
とシノ教官は、ボク達に向かって言ったの。

「卑怯という言葉の使い方が間違っているの。」

「剣で戦わせたいというなら、剣で戦うと効果を発揮するんだろう。」
とダンシェル。

「剣と剣だと効果を発揮しやすい、というなら、剣と剣が合わさる瞬間を狙っている？」
とレイモンド。

「闇雲に攻撃しても、俺達が無条件に、剣を受けると学生全員が思い込んでいない？」
とロウウェル。

ダンシェル、ロウウェル、レイモンドは、呪術で加工された剣による攻撃についての考察を始めたの。

「学生は、パターン化された動きを繰り返している。」
とダンシェル。

「どの動きも、相手が受けてくれる前提の動き。

騎士学校の学生は、相手が受けてくれるという訓練を繰り返したんだと思う。」
とレイモンド。

「なぜ受けてくれないのか、と憤っているのは、攻撃して、攻撃された側が受ける、までを、一つの型として学習しているから。」
とロウウェル。

「型に外れた動きに対し、どうすればいいか分からない学生は、型を繰り返すしかない。

決まった型通りの動きを俺達がしないから、学生は当惑している。」
とダンシェル。

「学生がしているのは、型の一部だろうけど、俺の知らない型な気がする。」
とレイモンド。

「騎士学校では、型通りに動くことを重視しなかった、と思う。
臨機応変に動けなければ、騎士としてやっていけない。」
とロウウェル。

ダンシェル、ロウウェル、レイモンドの3人の考察は、騎士学校の学生の学習内容が異常である、という結論にたどりついたの。

次は、どうして、騎士学校の学習内容に異変が生じたか、の考察なの。

3人とも、頑張るの。

「シノ教官、私達のしていることは、いつ効果が出ますか？」
と学生が質問したの。

効果が出る？

何にどんな効果が出るのかしら？