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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1291.ボクは、怨霊に、この世界での生き方を伝えたの。『使われるときも、使うときも、対価を用意して交渉するの。』

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怨霊は、どよん、としたの。

「異世界で生活するのは、楽じゃない。」
と怨霊。

「そうなの。
怨霊は、傘妖怪と一緒に、よく頑張ってきた、とボクは思うの。

怨霊ほど、地に足をつけている異世界転移者は稀なの。」

「異世界転移者は、保護されたりしない?大事にされない?」
と怨霊は心配そうなの。

傘妖怪も、不安そうなの。

ボクは、怨霊と傘妖怪に騎士学校の外の世界を教えたの。

「この世界には、異世界転移者が珍しくないのだけど、過去に事件を起こした異世界転移者も少なくないの。」

「事件って?」

「よくあるのが、強盗や殺人、詐欺かしら。

異世界転移者に親切するのは危険だというのが、社会常識なの。」

「よくあるんだ?倫理観の低い人が多かった?」
と怨霊。

「事件を起こした異世界転移者は、異世界に来たんだから何をしても大丈夫だと考えたという供述が多いの。
次点で、生きていくために必要だったから、なの。

異世界転移者は、盗んだものが、この世界で必要だから用意していた誰かがいる、ということを考えなかったの。

騙した相手が、この世界で異世界転移者に騙されるために生きているわけじゃない、ということを考えない異世界転移者が、尽きなかったの。」

「それは。多分。何も持たずに異世界に来たから?」
と怨霊は、元気を無くしたの。

「何も持たないから、出くわした他人から強奪してよいとはならないの。」

「異世界転移がよくあることなら、強奪された人に見舞金を配るとか。

この世界は、救済策を必要としている。」
と怨霊はボクに提案したの。

「怨霊。

呼んでいないのに押しかけてきた不心得者が、自分は悪くないと主張して、元からいる住人に悪事を働くときに必要な対策は、住人への見舞金を配ることではないの。

住人に被害が出ないようにするのが、統治者のすることなの。

住人を被害者にすることを良しとする者は、統治者として不適格なの。

統治者の守るべきものの中に、住人を虐げる余所者は入らないの。」

怨霊は絶句したの。

傘妖怪も静かなの。

「怨霊。

キミと傘妖怪が来た、この世界は、異世界転移者と異世界転生者に優しくはないの。」

「うん。」
と怨霊。

「怨霊。
怨霊が、誰かに何かをしてほしいと願うときは、自分ができること、できないことを整理してから、相手と交渉するのがいいの。

異世界転移者や異世界転生者のうち、一人一人に合わせて対応してほしいと求める者は、相手にされないの。

異世界転移者も異世界転生者も、この世界に来た瞬間は悪いことをしていないけれど、いいこともしていないの。

何も役に立つことをしていない段階で、誰かに自分の要求を突きつけても、要求は通らないの。」

「分かった。この世界は、ギブ・アンド・テイク。」
と怨霊。

「誰かを使うことや、誰かに使われることには、対価を考えて、交渉が、基本なの。
怨霊のこの世界での暮らしを悪くしないために。」
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