フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1252.貴族の噂は、政争の具。真に受けて騙される人は、噂の真相に辿り着けない能力の低さを問題視されるの。貴族の噂は、貴族のものなの。

「王子に働いてくれと頼まれるなんて、総司令は優秀な学生だったんだ。
しかも、ポジションを用意されているということは、期待の星？」
と怨霊。

「ボクは、近衛になる予定がなく、ボクの家もボクを近衛にする予定がなかったの。

第4王子フィリップ殿下がボクを諦めなかったから、各方面を調整して、近衛別働隊を創設し、ボクは総司令に就任したの。」

「ちっ。」
と舌打ちが聞こえたの。

騎士学校の教職員から。

「今の舌打ちは、何を意味するのかしら。」

「総司令に学生の経験がないことも、第4王子フィリップ殿下や高位貴族の御子息と懇意にしていたことも、よく知られています。」
と騎士学校の校長。

「だからって、舌打ちはない。人として、ない。」
と怨霊は、舌打ちをした教職員を咎めたの。

怨霊は、騎士学校の人よりも、優しいの。

異世界から来た怨霊は、ボクに優しいの。

怨霊がいなかったら、騎士学校は、完全に、ボクの敵地になっていたの。

「言葉をどう取り繕うとも、第4王子フィリップ殿下を体で籠絡して、近衛別働隊総司令というお山の大将でいらっしゃるのは、変わりますまい。」
と舌打ちした職員。

「キミには、騎士としての賢さが足りないのかしら。
ボクの言葉が理解できないようでは、とうてい、騎士としてやっていくことはできないの。」

ボクは、ボクに舌打ちをした騎士に、騎士として不適格という認定をしたの。

騎士学校の校長は、慌てたの。

ボクに、騎士として不適格と認定された教職員は、騎士の身分を保留にされるの。

ボクには、その権力があるの。

そのことは、騎士学校に来る前に、騎士学校側へ通達を出しているの。

最低限、騎士学校の校長は、ボクが、騎士の身分を保留にできると知っているの。

保留処分を解除するためには、解除しても問題ないことを示す必要があるの。

保留処分中は、騎士として振る舞えないの。

退職は、不可なの。

「我が校の教職員が失礼しました。
総司令。
舌打ちは、褒められたことではありませんが、当該教職員が、事実を述べたことに対しての保留処分は、厳しすぎます。」
と騎士学校の校長。

「キミ達は、ボクに関する憶測と悪意ある噂を真に受けて、ボクを貶める以外にすることがあったの。」

「舌打ちして、騎士資格を保留になったやつは、貴族の間でばらまかれた、総司令のネガティブキャンペーンをどこから仕入れてきた？」
とロウウェル。

「ネガティブキャンペーン？相手の足を引っ張る、というアレ？」
と怨霊。

「貴族の噂は、政治的な手段であり、駆け引きの道具。
真実が流布されているとは限らない。

コーハ王国で。貴族と平民の生きていく場所は、重ならない。

騎士学校の教職員の騎士は、どこで噂を耳にした？

誰から噂を仕入れた？」
とダンシェル。