フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1124.取り調べをするにあたり、ボクは、基本に忠実にいくことにしたの。ガランの右と左。サブリーのベイモン家とユージュアルのノア家について。

今回の取り調べは、基本に忠実に。

まずは定番中の定番から。

「男性担当者は、自身の名前と国籍、所属、階級を言いなさい。」

ボクは、男性担当者に命令したの。

男性担当者は、ボクの問いに答えないの。

「ボクの問いに答えなさい。答えなかった理由があるなら、理由も答えなさい。」

ボクが存在していないかのように、涼しい顔で、ボクを無視する男性担当者。

ボク、貴族学校の学生の教育にも着手する予定なの。

男性担当者を学生の試金石にするの。

「ユージュアル・ノア。」
ボクは、ユージュアルに命令することにしたの。

「命令。男性担当者が、ボクの取り調べに応じるようにするの。」

「了解。総司令。」
とユージュアル。

適材適所なの。

ガラン家にいるときのボクは、侵略者に神気を使って殲滅するのがお仕事なの。

ガラン領内にいるときのボクは、神気を使い放題だもの。

ノア男爵家にいるときのユージュアルは、表立って動くお仕事はしないの。

問題のある人物に会って、ノア家とのお話合いに応じさせるのが、ユージュアルのノア家でのお仕事なの。

ノア家でのユージュアルのお仕事には、尋問が含まれるの。

世の中、素直に白状してくれる人ばかりだとは限らないもの。

話を聞く側が、素直になってもらうために努力を怠らないことも必要なの。

ノア家は、ベイモン家と共に、ガランと右と左。

ベイモン家は、商業。
ノア家は、軍事。

公には、分けてあるの。

ベイモン家にも諜報部門は存在して、軍もあるから、きっちり二分しているわけではないの。

ノア家も商いをしているけれど、商いの規模は、長年ベイモン家の後塵を拝している。

ノア家は、ベイモン家より目立たないようにしているの。

ベイモン家は、ノア家より目立って、ノア家の存在の目眩ましとなるようにするの。

ノア家は、公表していないけれど、軍事関連の技術に重きをおいて開発と研究を進めているの。

ノア家の軍事技術は、ノア家の真髄、門外不出。

サブリーといるときのユージュアルも、ユージュアル自身は目立つ行動をしないの。

サブリーとユージュアルがいると、印象に残るのは、サブリー。

そういう風に、印象操作をしているの。

ノア家に焦点が当たらないように。

ボクが、公の場で、ユージュアルを指名するのは、滅多にないの。

今回も、最終的には、ボクが一番目立つように振る舞うの。

この部屋にいる学生に、コーハ王国の貴族としての自覚を持たせる教育をするには、上下関係をはっきりさせる必要があると、ボクは感じたの。

ボク達、近衛別働隊を軽んじることが、どういうことか、学生はよく学ぶといいの。

男性担当者というお手本を参考にして。