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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1114.貴族学校の女性担当者は、リッチェルに御縁がある伯爵家のご令嬢なの。ボクが、聴取の指示をリッチェルに出したら、女性担当者は。

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女性担当者は、リッチェルをの顔を見てから、ボク達を睥睨したの。

「わざわざ、私に爵位を聞いてくるなんて。」
とため息をつく女性担当者。

「今まで、私が爵位を振りかざさなかったことを感謝してください。

私は、リッチェル様と御縁がある伯爵家の娘です。

本来なら!
最初から、平民の出の子爵家と男爵家風情に頭を下げる必要はありません。

仕事だから、と爵位をひけらかしませんでしたが、貴方方の振る舞いは目に余ります。

私は伯爵家の娘。貴方方が敬うべき上位の存在です。

これからは、必ず、私の言うことに従ってください。」
と女性担当者。

サブリーは、もう飽きているの。

建設的な話し合いが始まらないんだもの。

ボクは、聞き捨てならないことを聞いたから、確認するの。

「キミの仕事は、ボクを従わせることかしら?

キミがボクについて回るのは、キミの意のままに、ボクを動かしたいのかしら?」

女性担当者が、ボクの目の前で、ボクの業務を妨害する意欲を見せているの。

ボクは、女性担当者が正々堂々としていることを評価したらいいのかしら。

女性担当者は、爵位にとらわれているせいで、重要なことへの判断が疎かになっているの。

仕事への責任感と貴族としての誇りを逆手に取られて、何者からか、良からぬ話を吹き込まれたのかしら。

「私は伯爵家の娘です。
爵位を聞いても、理解できませんか?

子爵家の貴方が、伯爵家の私に、そんな口のきき方をすることは許されないことです。

平民でありながら、特別扱いされてきたせいで、貴族の常識に疎いのでしょう。 

貴族学校に来てまで、貴方のわがままが通るとは思わないことです。

ここには、本物の貴族しかいません。

名前だけの貴族が来る場所ではありません。

貴方を気に入って甘やかしている尊きお方は、ここにはいません。」
と女性担当者。

ボクにご執心の第4王子フィリップ殿下が貴族学校にいないことかしら。

23歳のボクより4つ上のフィリップ殿下が貴族学校にいないことを、ことさら強調するのはなぜかしら?

「キミの認識のズレは、貴族学校でお仕事をするのに問題なの。」

女性担当者は、ボクの話に聞く耳を持たないの。

仕方ないの。

「リッチェル。女性担当者の聴取を行うの。手配を。」
ボクは、リッチェルに声をかけたの。

「分かった。」
とリッチェル。

リッチェルは、ワイズに指示して、ワイズは部屋を出ていく。

聴取のために、別の部屋を用意するの。

サブリーは、聴取が始まるなら、仕事だ、と切り替えたの。

「私を聴取ですか?リッチェル様、本気ではありませんでしょう?」
と女性担当者は、リッチェルにすり寄ったの。

「フィリスがそう言っているのを聞いたよね?」
とリッチェル。

女性担当者は、ボクを睨みつけた後、リッチェルの手をとろうとして、リッチェルにかわされたの。

「なぜですか?リッチェル様。
こちらには、リッチェル様とアラン様しかいらっしゃらないんです。

このような暴挙に甘んじる必要がありますか?

私には、包み隠さずお気持ちをぶつけてくださって構いません。

そのために、私はこちらにいます。」
と女性担当者。

リッチェルの手をとれなかった女性担当者は、自分の手を握りしめて、一心不乱にリッチェルを見つめているの。

暴挙とは、どれのことかしら?

暴挙に甘んじるのは、誰のことかしら?

それに、女性担当者に浮かぶ何よりの疑問があるの。

「キミは、何のために、ここにいるのかしら?
キミの仕事は、何なのかしら?」
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