フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1022.一番始めにボクの神気を流すのは、ジーン。『ボクのジーンを誰にも持っていかせないの。』『フィリスの可愛い気持ちを受け取った。』

「ボクは、今から、全員に、ボクのものという印をつけるの。」

「名前を書きたくなったか？」
とラウル。

「書いてもいいのかしら？お尻？お腹？背中？」

「良くない。止めなさい。」
とジーン。

「ボクは、今から全員にボクの気持ちを送るの。
最初は、ジーンなの。
ジーン、ボクのお口の位置に、ジーンのお鼻がくっつくように、頭を下げてほしいの。」

ジーンには、他の幹部に横顔が見えるように、ボクと向かい合ってもらったの。

ボクは、幹部から見えない側のジーンのお顔に片手を添える。

幹部から見える側の手は、ジーンと繋いだの。

掌を合わせて、指と指を交互に折り曲げる。

「ボクの大切なジーンに、ボクの気持ちを届けるの。ジーン、ボクの気持ちを受け取ってほしいの。」

「フィリスの気持ちをもらうよ。」
とジーン。

ボクは、ジーンのお鼻に、ボクのお口をくっつける。

ふううう、と息を吐きながら、同時に神気をジーンへ流し込んだの。

ジーンの全身に、ボクの神気が行き渡る。

ボク、大満足なの。

ボクは、ジーンのお鼻から、ボクのお口を離す。

「出来たの。
ジーンは、ボクのもの。
誰にもボクのジーンを持っていかせないの。
ボクが、ジーンを大切にしている気持ちを印にして、ジーンにつけたの。」

ボクが話すのを、ジーンは優しい面持ちで聞いてくれているの。

「フィリスの気持ちは、確かに受け取った。可愛い気持ちだ。」
とジーン。

ジーン、あと二つ、言葉が足りないの。

「ボク、可愛くて、カッコよくて、貫禄ある男なの。」

「貫禄、新しい単語が増えたな、フィリス。」
とジーン。

「ボク、先輩で、上司だから、可愛いさと、カッコよさと、貫禄があるといいと思うの。」

「フィリスは、可愛さだけでは、足りないと思った？」
とジーン。

「ボクは、可愛さは十分だから、カッコよさを磨いて、貫禄を身につける予定だったの。」

「フィリスは、可愛い。」
とジーンは、空いている手で、ボクの頭を撫でてくれる。

「ボク、可愛いの。
だけど、昨日マーゴットが教えてくれたの。
ボクの可愛さの天井を決めるには、昨日では早すぎたの。
ボクは、今日から、可愛さを極めて、カッコよさと貫禄を身につけるの。」

「マーゴット様が、フィリスに教えてくれた？」
とジーン。

「そうなの。ボク、目から鱗なの。」

「私も、目から鱗だよ、フィリス。フィリスは、可愛さを極めることにした？」
とジーン。

「そうなの。ボクは、可愛いといえば、フィリス・ガランと言われるように、可愛さを極めるの。」

「私も、協力するよ、フィリス。」
とジーン。

「嬉しいの。ジーン、ありがとうなの。」