上 下
1,015 / 1,394
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1016.『フィリスお兄様は、可愛いを極めてください。わたしのために。』『マーゴット、ボク。』

しおりを挟む
ハーマルお兄様とマーゴットが帰ってきたの。

デヒルお兄様、ハーマルお兄様、マーゴット、ボク。
4人が王都邸に揃うのは、初めてなの。

ボク、基本的に近衛棟で生活しているもの。

嬉しいの。
ここには、ボクの大好きと、大切がたくさんあるの。

マーゴットは、会ってきた王太子殿下派閥の公爵令嬢ライラ嬢について、話してくれたの。

「ライラ様に、縁談が持ち上がっています。」
とマーゴット。

ライラ嬢は、外交や内政の色々なお仕事を、兄2人から割り振られて、単発的なお仕事をこなしている。

所属せずに、割り振られたお仕事をして報酬をもらう働き方をしているライラ嬢。

ライラ嬢は、ハーマルお兄様の婚約者の内政担当のように、フィリップ殿下の婚約者として名前が上がっている期間が長かったの。

王子妃教育を受けていたから、就職の時期がずれたの。

それと。
27歳のフィリップ殿下が未だに、ボクにご執心だから。

ライラ嬢の結婚の予定が立たないの。

「相手は?」
とデヒルお兄様。

「フィリップ殿下です。何回も頓挫しましたが、今回は、かなり強引に進めようという動きがあります。」
とマーゴット。

「どこだ?」
とデヒルお兄様。

「バラバラなんだそうです。」
とマーゴット。

「そのライラ嬢、何かあるのか?」
とデヒルお兄様。

「ライラ様は、王太子殿下が劣勢だった時代ならともかく。
現在、フィリップ殿下と結婚すると、国内に亀裂が入るから避けたいとお考えです。」
とマーゴット。

「盤石になりかけてきた王太子の足元を崩そうとしているな。」
とデヒルお兄様。

「そこで、ライラ様は、ガランを頼って、外に出たい、と。」
とマーゴット。

「マーゴット。ちょうどいい話がある。」
とデヒルお兄様。

「ジーンとジーンの家族は、ジーンの妹、フローレン嬢をマーゴットに託したい、と、マーゴットとフローレン嬢との面談を希望してきた。

ジーンには、ノアとベイモンが側近、フローレン嬢は侍女なら可能と伝えたが、ライラ嬢も侍女にするか?

どちらも、マーゴットの好きにしていい。
侍女にしないなら、しないで手を回す。」
とデヒルお兄様。

「わたしの侍女に。
爵位からすると不足はありません。
仕事については、今後覚えていけば、順応性が高い方ですから。
ライラ様には、そのように話します。
決まりましたら、デヒルお兄様から、お話を持ちかけますか?
わたしから持ちかけますか?」
とマーゴット。

「マーゴットの腕の見せ所を取る気はない。」
とデヒルお兄様。

「ありがとうございます。」
とマーゴット。

「フローレン嬢は、フィリス経由で行くか?」
とデヒルお兄様。

「マーゴット、ボク。」

「わたしの侍女にするかどうか、ですから、わたしが動きます。」
とマーゴット。

「マーゴット。ボクは、何をしようかしら?」

「フィリスお兄様。可愛さを磨かれてはいかがでしょうか?」
とマーゴット。

「マーゴット?」
マーゴットが、今日はとても強いの。

「フィリスお兄様は、注目せずにはいられないくらい、可愛くなってください。」
とマーゴット。

「マーゴット、その、可愛さ、は、ボク、もう十分だから、カッコよく。」

「フィリスお兄様。フィリスお兄様の可愛さに天井を決めるには、早すぎます。」
とマーゴット。

「早いかしら?でも、ボクには、カッコよさが必要だから。」

「フィリスお兄様。わたしのために、可愛いの代名詞をほしいままにしてください。」
とマーゴット。

「マーゴットのお願いは、叶えてあげたいの。
でも、ボク、後輩も部下もいるから、先輩や上司としての貫禄もほしいの。
カッコよさもあるといいと思うの。」

「フィリスお兄様。
フィリスお兄様の可愛さは、貫禄やカッコよさと両立しないはずがありません。
相乗効果です。」
とマーゴット。

「そう、かしら?」
マーゴットが、お勧めするくらいだもの。

「はい。わたしのために、フィリスお兄様は、可愛いを極めてください。」
とマーゴット。

「うん。極めるの。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】

迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。 ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。 自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。 「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」 「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」  ※表現には実際と違う場合があります。  そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。  私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。  ※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。  ※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

あなたを追いかけて【完結】

華周夏
BL
小さい頃カルガモの群れを見て、ずっと、一緒に居ようと誓ったアキと祥介。アキと祥ちゃんはずっと一緒。 いつしか秋彦、祥介と呼ぶようになっても。 けれど、秋彦はいつも教室の羊だった。祥介には言えない。 言いたくない。秋彦のプライド。 そんなある日、同じ図書委員の下級生、谷崎と秋彦が出会う……。

婚約「解消」ではなく「破棄」ですか? いいでしょう、お受けしますよ?

ピコっぴ
恋愛
7歳の時から婚姻契約にある我が婚約者は、どんな努力をしても私に全く関心を見せなかった。 13歳の時、寄り添った夫婦になる事を諦めた。夜会のエスコートすらしてくれなくなったから。 16歳の現在、シャンパンゴールドの人形のような可愛らしい令嬢を伴って夜会に現れ、婚約破棄すると宣う婚約者。 そちらが歩み寄ろうともせず、無視を決め込んだ挙句に、王命での婚姻契約を一方的に「破棄」ですか? ただ素直に「解消」すればいいものを⋯⋯ 婚約者との関係を諦めていた私はともかく、まわりが怒り心頭、許してはくれないようです。 恋愛らしい恋愛小説が上手く書けず、試行錯誤中なのですが、一話あたり短めにしてあるので、サクッと読めるはず? デス🙇

妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます

冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。 そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。 しかも相手は妹のレナ。 最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。 夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。 最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。 それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。 「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」 確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。 言われるがままに、隣国へ向かった私。 その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。 ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。 ※ざまぁパートは第16話〜です

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

処理中です...