フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1002.戦闘訓練、やってみる？

幹部のお休みが出揃ったの。

「ボク、サブリーとユージュアルとハーマルお兄様と４人で、怖いハンティア王国に行くことになったの。
それまでに、少しでも強くなりたいの。
もう拉致されないの、ボク。
ボクは、戦える男になるの。」
ボクは、決意表明をする。

決意表明は、大事なの。

「ハンティア王国。諦めないのか。」
とアラン。

「魅了持ちの王女様が、コーハの外交担当に魅了をかけて、気づいたハーマルお兄様が、交渉を切り上げたのだけど、誰かは行かなくちゃいけないの。

ハーマルお兄様は、誰が行くかを指定させなかったの。

ボク達は、王女様の趣味じゃないから、魅了してこないと推測しているの。」

「王女様の趣味じゃないと堂々と自分で言い切って、自らの容姿で作戦を立てる兄弟は、なかなかいない。」
とセドリック。

「容姿がキラキラした男性がお好みだそうなの。
魅了をかけられた外交担当は、容姿のよい方らしいの。
フィリップ殿下も王女様のお好みのタイプだったと思うの。」

「仕事ができて、地位が高いイケメン狙いなら、趣味と実益だな。」
とアラン。

「マーゴットは、隊員と仲良くお話していたから、安心なの。」

「妹さんとの相性はいいと思うよ。」
とリッチェル。

「そうなの？」

「妹さんは、完全に大将というか、上官タイプだからな。隊員は動きやすい。」
とリッチェル。

「いい経験を積める。」
とジーン。

そう言ってもらえたら、嬉しいの。
「良かったの。」

「今から、やる。」
とラウル。

ボク達は、戦闘訓練のフロアへ。

ボクは、今とてもお困り。

「フィリス。攻撃。」
とラウル。

攻撃の練習だから、練習相手を攻撃しないといけないの。

分かっているの。

分かっているの。

でも。

「大切なラウルを攻撃なんて、ボクには出来ないの。」

「フィリス、何か、1つ、やりなさい。」
とジーン。

ボクは。

ボクは。

幹部が大切過ぎて、誰にも攻撃出来ないの。

だって、だって。

「出来ないの、ジーン。
ごめんなさいなの、皆。

ボクが、大切なものに自分から攻撃するなんて、考えるだけで、体が動かないんだもの。」