フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら　まなか

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第6章　コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

965.異世界転移者タマキ。コワニのお散歩係に。『タマキ。ボクの眷属のコワニ。コワニが王都にいる間。キミをコワニのお散歩係に任命するの。』

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デヒルお兄様は、イリダ殿を王城へ連行。

ボクは、ガランの王都邸に戻り、2匹のコワニを披露して説明してから。

王都にあるボクのお家へ。

急に帰ったけれど、ガランの王都邸から連絡が届いていたから、話したい人は、起きていたの。

「お帰り。フィリスって。ワニ？ワニを体にくっつけている？」
寝ぼけまなこのタマキの目が覚めたの。

ボクは、ボクのお家で暮らしているタマキと話すために、帰ったの。

「タマキ。ただいま。ボク、まだ仕事中だから、タマキに説明したら、またお仕事先に戻っちゃうの。手早く説明するの。」

「あ、はい。説明をお願いします。」
とタマキ。

「ボク、神獣のワニの歯にボクの神気を通して、コワニを作ったの。コワニは、ボクの眷属。２匹とも、攻撃特化。ボクの言うことだけを聞くの。」

「はい、眷属？え？ワニの歯から、コワニ？」
とタマキは、混乱しているの。

「そう。でも、ボクのお勤め先は、ペットの同伴禁止なの。」

「ペット、眷属、ワニ。」
と、タマキの顔は、コワニとボクをいったりきたり。

「ボク、王都邸か、ボクのお家にコワニを置こうと思ったのだけど。」

「ど？」

「コワニは、攻撃特化だから、住宅街でおいておくと、過剰防衛になるの。」

「例えば、どんな？」

「ものが飛んでくる攻撃は、目からビームで、弾き飛ばすの。でも、弾き飛ばす方向は指定不可。味方が巻き添えになる可能性は、否定できないの。」

「それは、困る。」
とタマキ。

「邪魔な壁があると、口をぱかーんと開けて、口から熱風を出して溶かすの。」

「壁を溶かす。建物の中では、飼えないかな？」
とタマキ。

「コワニを攻撃したら、コワニは、攻撃した人の首を噛みちぎるの。」

「噛みちぎる、と、人は？」
とタマキ。

「勿論、死ぬの。コワニを害する者は、当然の報いを受けるの。」

「ああ。神獣の歯が、元になっているから。」
と納得するタマキ。

「ガランの王都邸も、ボクのお家も、襲撃の可能性があるの。」

「え？マジか。」
と呆然とするタマキ。

「襲撃の度に、騒動になるのは、よろしくないの。」

「壁、溶けたら、なあ。」
とタマキ。

「ボク、コワニが、王都で暮らせる場所を手に入れたの。コワニは、そこで放し飼いにするの。」

「そうなんだ。いい飼い主だよな？」
とタマキ。
タマキは、呆然自失から、復活したの。

「コワニのお家なんだけど、先住者がいるから、日中は、コワニのお散歩係がいるといいと思うの。」

「ワニに、エサじゃないから食べたりしたら、ダメだよって、教える係？
先住者って、どんな動物？」
とタマキ。

「人間なの。」

「人間？え、人間？」
とタマキ。

「人間のいる建物を人間ごとボクのものにしてきたの。」

「人間の中に、ワニは入って暮らしてもいいもんなのか？」
とタマキ。

「もう、活躍してきたの。」

「活躍って。」

「壁は、一部分、溶かしたり、襲撃者の首を噛みちぎったり。他にも少し。」

「人間とコワニが、一緒に暮らすのは、難しくない？」
とタマキ。

「コワニと一緒に暮らすんだもの。人間は、コワニに慣れないと暮らせないの。コワニはコワニの好きに暮らすの。人間が合わせるの。」

「簡単に合わせられるかな？」
とタマキ。

「ボク、心配なの。」

「そうだよな。」
とタマキ。

「コワニが快適に暮らせるかどうか。」

「え？コワニ？コワニの方？」
とタマキがうろたえているの。

「そうなの。ボクがいない時間も、コワニが快適に暮らせるように、コワニにお散歩係をつけることにするの。」

「至れり尽くせり。」
とタマキ。

「コワニが幸せだと、ボクも幸せになるの。」
コワニも、尾で、喜びを表しているの。

「タマキ。キミをコワニのお散歩係に任命するの。」

「な、なんで？」
愕然とするタマキ。

「タマキの勉強と修行の時間以外。日中限定、タマキは、コワニのお散歩係なの。」

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