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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

911.舐めてかかると、痛い目に遭わされるものって、何だろう?

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「ビーイット公爵家の力をキューブ傭兵団は、警戒不要と判断したか?」
とデヒルお兄様。

デヒルお兄様は、キューブ傭兵団を含むお客様を見渡した。
「ビーイット公爵家の見極めと決定の担当者は、左遷して、勉強をやり直せ。」

デヒルお兄様の発言に苛ついたのは、貴族。
「田舎貴族は、これだから。」
なんと、彼は、デヒルお兄様のことを鼻で笑った。

「ビーイット公爵家は、既に傾いている。
沈みゆく太陽に、力があるわけないだろうが?
落ち目の公爵家に、公爵家の権勢などありはしないのさ。」
彼は、太陽が沈む様子を手振りで表現した。
彼の周囲は、どっと沸いた。
落ち目の公爵家は敵にもならない、と彼らは笑う。
公爵家が落ち目だと見抜けない田舎貴族の相手は疲れるとか、片腹痛いと言って、お腹をおさえて、痛いフリをしながら、仲間内で笑いをとっている。

彼の言うことに、賛同の意を示す貴族がいた。
キューブ傭兵団は、彼のイエスマン。
今にも、揉み手をせんばかりに、称賛している。


腹が立つの。
ボクに任せてくださいませ、デヒルお兄様。
猪口才な!とやっつけてみせるの。

「沈みきらずに残っているのは、沈まないようにする力が勝っているからだと気づかないか?」
とデヒルお兄様。

ボクが、キューブ傭兵団の話し相手になった時のような会話の隙がないの、デヒルお兄様。
ボク、デヒルお兄様が会話しているところに、カットイン出来る気がしないの。

「ビーイット公爵家の足元を見たつもりか?残念な頭が思いつくだけある。」
とデヒルお兄様。

デヒルお兄様の発言が、的確過ぎるの。
しびれるの。

「何もかも手遅れだが、覚えろ。ビーイット公爵家というのは、ビーイット公爵家の存続のために、何でもやる。ためらわずにやる。そういう家だ。」

デヒルお兄様に、ビーイット公爵家の本質を分かりやすくご教授してもらえて、お客様は幸せなの。

お客様が、残念な頭過ぎて、お客様の認識を強制的に修正しなければ、会話が無駄に続く。
危惧したデヒルお兄様が、率先して、動いてしまわれた。

デヒルお兄様より先に、応援団長として、お客様をやりこめていなかったボクの力不足。

ボクは、デヒルお兄様の片腕どころか、爪にもなれていなかったの。

悔しいの。
デヒルお兄様の支えとなるために、鍛えなくちゃ。

「馬鹿じゃねえの。」
とキューブ傭兵団は、自信満々に、デヒルお兄様を見下す。

「ビーイット公爵家を嵌めようとした動機を話せ。」
デヒルお兄様は、悪口をものともせず、眼光を鋭くする。

「愚策の極みが成功していれば、キューブ傭兵団は、ビーイット公爵家に吸収されていた。」
デヒルお兄様は、端的に説明してくださるのに、理解していないお客様が多数。

「意味不明な御託はいらねえ。引っ込んでろ。」
とキューブ傭兵団。

「足りない頭脳を寄せ集めた結果は、足りなさを補うわけではない。愚かさが増幅する。肝に銘じろ。」
とデヒルお兄様。
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