843 / 1,394
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
844.神と人と土地のバランス。
しおりを挟む
デヒルは、神性を失ったフェンリルに対抗する条件を聞いて、結論を出した。
「父上に、父上の知り合いの協力を頼んでいただく。」
とデヒル。
「ダルクの知り合いは、強いけど、変なやつしかおらんやん。」
とパパラン。
「ガラン領に棲まう神は、ガラン領にいれば、神性を穢されることはないが、外に出た場合の影響は、人間の私には分からない。
外は、神に対する考え方がガランと異なる地域が多い。
始まりは、共存共栄の精神をうたっていても、末代まで同じ精神を貫けない地域も少なくない。
ガランは、早々に土地と神と人の結びつきが安定した稀な地域。
ガランを基準にはできない。」
とデヒル。
「そうねえ。デヒルの心配はもっともだわ。」
とオリベ。
布妖怪オリベは、生まれてから、世界中を見てきた。
人間の歴史も、人間以外の歴史も。
傍観者として。
オリベの視点は、絶対的な存在である神の視点とは異なり、機微に通じている。
「ガランの人間は、自分の信仰は自分のものだから、神の数だけ信仰が増えるわ。神同士も、信者同士も、あなたはあなた、私は私。他人の信仰を奪ったり、他人に信仰を強制したりしないわ。どれだけ信仰の対象が増えても、信仰の数だけ、豊かになる土地が、ガランだしね。」
とオリベ。
「そういうものじゃないのか?」
というワニ。
「他の土地は、奪い合いの手段に信仰が使われたり、信仰を貶めて、力を殺いだり、殺伐としているわ。」
と現実を語るオリベ。
「つまらんことを。」
とリクガメ。
「神獣同士で仲良く会議が出来るのは、ガランならでは。」
とオリベ。
「いい話。」
と御神木。
「霊石は、神獣の会議に出席するから、道を開けてと言って出かけるけれど、住民が伝言ゲームのように伝えて、道を開けてくれる地域なんて、ガラン以外にないわよ。」
オリベは、霊石を例えに出して説明した。
「転がる岩にぶつかったと岩を恨む人間も、世の中にはいるの。」
というオリベに、霊石はびっくり。
「神が、なんたるか知らない人間がいる?」
とシカ。
「いるどころか、そういう人間は、岩を神と理解しない。人間に都合の良い姿をしていて、人間を甘やかす神を求めるから。人間の欲望を叶えないのは、神の力が弱いせいと言い始める。邪神だと、神を貶めて、他人を雇って神殺しをする人間もいるわ。」
とオリベ。
「ろくなことをしない。」
とカバ。
「ガランは少数派だから。神と人と土地の安寧のために、今回は外部委託がいいわ。」
とオリベ。
「フィリスは、神獣が人間の都合で争うのを必死で避けようとしているの。」
オリベの言葉に神獣ネットワークの面々はすぐに心を決めた。
「フィリスの願いを叶えてやらんわけにはいかん。」
とゾウ。
「ダルクの縁で見つけてきたやつに任せるか。」
「父上に、父上の知り合いの協力を頼んでいただく。」
とデヒル。
「ダルクの知り合いは、強いけど、変なやつしかおらんやん。」
とパパラン。
「ガラン領に棲まう神は、ガラン領にいれば、神性を穢されることはないが、外に出た場合の影響は、人間の私には分からない。
外は、神に対する考え方がガランと異なる地域が多い。
始まりは、共存共栄の精神をうたっていても、末代まで同じ精神を貫けない地域も少なくない。
ガランは、早々に土地と神と人の結びつきが安定した稀な地域。
ガランを基準にはできない。」
とデヒル。
「そうねえ。デヒルの心配はもっともだわ。」
とオリベ。
布妖怪オリベは、生まれてから、世界中を見てきた。
人間の歴史も、人間以外の歴史も。
傍観者として。
オリベの視点は、絶対的な存在である神の視点とは異なり、機微に通じている。
「ガランの人間は、自分の信仰は自分のものだから、神の数だけ信仰が増えるわ。神同士も、信者同士も、あなたはあなた、私は私。他人の信仰を奪ったり、他人に信仰を強制したりしないわ。どれだけ信仰の対象が増えても、信仰の数だけ、豊かになる土地が、ガランだしね。」
とオリベ。
「そういうものじゃないのか?」
というワニ。
「他の土地は、奪い合いの手段に信仰が使われたり、信仰を貶めて、力を殺いだり、殺伐としているわ。」
と現実を語るオリベ。
「つまらんことを。」
とリクガメ。
「神獣同士で仲良く会議が出来るのは、ガランならでは。」
とオリベ。
「いい話。」
と御神木。
「霊石は、神獣の会議に出席するから、道を開けてと言って出かけるけれど、住民が伝言ゲームのように伝えて、道を開けてくれる地域なんて、ガラン以外にないわよ。」
オリベは、霊石を例えに出して説明した。
「転がる岩にぶつかったと岩を恨む人間も、世の中にはいるの。」
というオリベに、霊石はびっくり。
「神が、なんたるか知らない人間がいる?」
とシカ。
「いるどころか、そういう人間は、岩を神と理解しない。人間に都合の良い姿をしていて、人間を甘やかす神を求めるから。人間の欲望を叶えないのは、神の力が弱いせいと言い始める。邪神だと、神を貶めて、他人を雇って神殺しをする人間もいるわ。」
とオリベ。
「ろくなことをしない。」
とカバ。
「ガランは少数派だから。神と人と土地の安寧のために、今回は外部委託がいいわ。」
とオリベ。
「フィリスは、神獣が人間の都合で争うのを必死で避けようとしているの。」
オリベの言葉に神獣ネットワークの面々はすぐに心を決めた。
「フィリスの願いを叶えてやらんわけにはいかん。」
とゾウ。
「ダルクの縁で見つけてきたやつに任せるか。」
0
お気に入りに追加
333
あなたにおすすめの小説
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
あなたを追いかけて【完結】
華周夏
BL
小さい頃カルガモの群れを見て、ずっと、一緒に居ようと誓ったアキと祥介。アキと祥ちゃんはずっと一緒。
いつしか秋彦、祥介と呼ぶようになっても。
けれど、秋彦はいつも教室の羊だった。祥介には言えない。
言いたくない。秋彦のプライド。
そんなある日、同じ図書委員の下級生、谷崎と秋彦が出会う……。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる