フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

822.見解の一致に安心したら、なんと。

黙りこくったマルビル殿の返事は待たない。

さて、2つ目の本題に入るの。

「イリダ殿。貴殿の使った組織について、国からの聴取を拒否したのは知っている。
ボクが、聞きたいのは、組織についてではないから、答えてもらうの。
イリダ殿は、その組織についての知識をいつどこで、誰から仕入れたか。
組織を利用する場合、した後で、イリダ殿は何をして、何をしなかったか。
作為、不作為の理由。」

「この場限りの誤魔化しは、聞かない。」

ボクは、黙って答えを促す。

「何を知っている。」
とイリダ殿。

話す気がないのかしら？

「ビーイット公爵家は岐路に立っていることかしら。」

こちらから、手招きしてあげるの。

「イリダ殿が、ビーイット公爵家を終わらせるのが先か。イリダ殿が廃嫡になって、マルビル殿か、妹君が嫡子になる未来が来るのが先か。」

マルビル殿は、不安で胸が潰れそうになっている。

イリダ殿は、冷静なの。

「よく見ている。栄華を誇ったビーイット公爵家は、今やハリボテの船。沈むのも時間の問題だ。」

「ビーイット公爵家を継ぐ前に畳みたいのかしら？」

「立て直しを図っている最中だ。」

「ビーイット公爵家の立て直しが難航している理由は何かしら？」

ボクは、組織の利用と後処理について聞いたと思ったの。

イリダ殿は、別の回答を持ってきたの。

「ビーイット公爵家の領地、ビーイット公爵領の話だ。」