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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

794.異世界転生して、さらに転生した王女。その2。モルリダーラ王女の夫と白い結婚。

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私は、15歳の成人と同時に結婚した。

私の夫となった男性は、2度、奥様と死別して、私とは3度目の結婚だった。

奥様の死別の理由は、事故や病気だったから、私を始末するために結婚したのかと思ったが、そうではなかった。

彼にとっては、王女である私との結婚は恩賞だったらしい。

私達は、私の父である国王陛下の承認で白い結婚になった。
寝首をかかれる心配はいらなかったが、私は結婚生活に失望していた。

愛し愛される人生が、こんなに遠いものなんて。

夫は、白い結婚に満足して、私に手を伸ばしてこない。

私は、夫の既婚歴を聞いて、寝ている間に殺されるかもしれないのは嫌だから、と白い結婚を受け入れたが、本当は、白い結婚なんてしたくなかった。

体の触れ合い無くして、何が夫婦なのか。

仲の良い夫婦や婚約者同士のやり取りなんか見たくもない。

夫は、夫という肩書きで、私の保護者の立ち位置におさまっている。

腹が立つ。

私は、社交を拒否し、与えられた領地に引きこもって、調査と研究を重ねた。

異世界転生が可能なら、同じ世界での転生も出来るはず。

私はついに完成させた。

一世一代の大勝負。

私は、再び、生まれ直す。

次こそは、恵まれた人生を自由に生きてみせる。

ただ、今より苦しい生活をしたくはない。

今の生活レベルは維持して、自由に恋愛したり、青春したい。

私が子どもを生んで、私の何代か後の子孫に生まれ直せば、生活レベルは変わらないし、王女みたいにギチギチに管理されないのでは?

私は、夫を誘ってみたが、夫は反応しなかった。

白い結婚のために誓約を課しているって。

コーハ王国は、両親のどちらかが貴族階級に属していない子どもは、貴族として認められないから、ゆきずりの関係はダメ。

周りのガードが固すぎて、私に近寄ってくる若い男はいない。

来世で、自由を謳歌したいのに。

私は、閃いた。

人工授精の要領で、夫の精子だけを頂こう。

処女懐胎になるけれど。

私は、人工授精の技術に魔法を応用して、独自の魔法を作り上げた。

何度も失敗したけれど、人工授精は成功し、私は、無事に懐妊。

夫は、私が懐妊したことで精神的なショックを受けた。

更に、人工授精のために魔法で精子を絞りとり続けたことは、夫の体にかなりの負荷を与えたもよう。

私が、夫の寿命を縮める手助けをしたせいでもあるけれど。
夫は、私の出産後、亡くなった。
子どもが生まれてきて、喜びじゃなく、嘆き悲しむあまり、心臓が止まるなんて。

私も子どもも、どれだけ疎ましく思われていたの?

白い結婚の誓約を破ることが恐ろしかった?

くだらない。

私が産んだ子どもは、生後すぐに、私から引き離された。

王家から手配された世話役や教師が、子どもを教育して養育も引き受けた。

子どもと引き離されても、わたしは、平気だった。

私は、夫を愛しているから子どもが欲しかったわけじゃない。

子どもという存在は、好きになれない。

必要だから、作って、産んだ。

育てるのは、やりたい人がやればいい。

私がいない方が、さぞ、いい育ち方をするんでしょうよ。


後継ぎたる子どもが出来たため、未亡人になった私は、臣籍降下して、公爵家を起こすことになった。

ローバウル公爵家。

王女である私は、ローバウル公爵家の初代当主になった。

社交は、王家主催のものを中心に組まれたが、私を主役にするものはなかった。
私自身を目的として、声がかかることはない。
後継ぎたる子どもための社交ばかり。

時間が経って。
子どもは結婚した。
孫も生まれた。

私の人生の渇きはおさまらない。

私から遠ざけられた憧れの人生を子どもと孫は、なんの苦労もなく享受しているのだ。

私が産まなければ、この世にいないのに、私に感謝しない恩知らずめ。


来世に期待する気持ちが私の中で、育っていった。

私は、公爵家当主として、唯一、遺言を残した。

『初代公爵家当主の死後から、当主は代々女児がなるものとする。』

私は来世に期待して、2度目の眠りについた。
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