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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

763.騙しの大家、新人にもベテランにも危険な国には、利害関係と損得勘定を前面に押し出そう。無価値な国には、関わらない方向で。

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「ハンティア王国は、国の内側の人間を騙して、裏切らせたり、ハニートラップをしかけて、言いなりにさせたりする大家だからね。」
とお父様。

「大家?有名なんですか?」
とハーマルお兄様。

「新人もベテランも引っかかるんだよ。ハンティア王国は、騙し技が豊富で、騙し職人の層が厚い。」
とお父様。
「ベリウンヘルツとやり取りをしていたという、ハーマルの同僚の話をしよう。実際に同僚とやり取りをしていたのは、ハンティア王国の人間で、ベリウンヘルツは名前だけ貸していたんじゃないかな。」

「アリなんですか?」
とハーマルお兄様。

「ハンティア王国の倫理観や犯罪意識に、異議を唱える国は多いが、ハンティア王国はそのやり方で国を大きくしてきた。成功しているだけに、真正面から批判する国はない。正義感で批判したら、足元をすくわれるだけだ。」
とデヒルお兄様。
「ハンティア王国に立ち向かうときは、正義感ではなく、利害関係と損得勘定を全開にするといい。」

「わかりました。ありがとうございます。」
とハーマルお兄様。

ハーマルお兄様は、外交部として、これからハンティア王国との交渉が控えているもの。

「ハンティア王国との外交は、ハーマルをはじめとする外交部が担当することになるが、ハンティア王国がフィリスに注目するきっかけになった魅了問題が片付かない限り、追いかけてくるだろう。」
とデヒルお兄様。
「外交部は、担当が丸め込まれないように、チーム制にして複数での対応を徹底していけ。」

デヒルお兄様からハーマルお兄様への助言。

「わかりました。対策します。」
とハーマルお兄様。

「ハンティア王国でサブリーの魔導具により発生したホラーハウスのゲストは、死霊や生霊だと思うよ。見ていないから、断定はしないけど。」
とお父様。

「カラカラナイトの最終決戦の地となった古戦場でのフィリスの体験からすると、カラカラナイトの王族が、霊を扱うことに長けていることが分かる。」

「元々の魔導具の用途が、霊をどうこうするものではなかったとしても、カラカラナイトの霊の神格化の儀式の場に用いられたものが、400年ほど経った今も、壊れずに使えているのは、カラカラナイトの7柱の霊域にあって、何らかの影響を受けているせいだろうし。」

「古戦場の悪霊祓いにきていたのは、カラカラナイト滅亡の原因である今のギンゴー王国、昔の国名はリネイ王国だね、そこの王族かな?」

「カラカラナイトの7柱が敵と認識するくらいだから、末端ではないよ。王の兄弟姉妹か、王の実子あたり。」

「フィリスの体験した出来事がよくある日常なら、古戦場跡は使えないだろうね。1年に1回くらいなら、ともかく。」

「1年に1回なら、問題なく使えますか?」
とマーゴット。

「墓地としてね。土地を余らせておくのも勿体ない。」
とお父様。

「ギンゴー王国の侯爵子息がガランの名前を引受人に指定して、亡命申請してきていたな。」
とデヒルお兄様。

「自国ギンゴー王国の王子の婚約者になって、ボロボロにされたから、ハンティア王国の誘いを利用して王子をハンティア王国に引き渡して、逃げ出したんだったね?」
とお父様。

「カラカラナイトの7柱の存在が、フィリスにくっついてきた人外に悪影響を与えない限り、ガランは、ギンゴー王国を放置しよう。」

「今のギンゴー王国が独力で古戦場や砦の中の霊域を解決するのは難しい。ギンゴー王国には古戦場の土地を使わなくても、土地はある。現状、ガランから見れば、ギンゴー王国は無価値だから。」

「コーハ王国としては、国際会議にフィリップ殿下の出席を要請したギンゴー王国が、ハンティア王国の要請を受けて、コーハ王国を売ったかどうか、裏付けをとれたら、とって、交渉開始だね。裏がとれなければ、今後のお付き合いは控える方向でいくといいよ。」

ハーマルお兄様は、何度も頷いていた。

「フィリスが魅了を使って逆ハーレムを作ったという発想が出るのは、ハニートラップ大国ならでは、か。」
とデヒルお兄様。
「サブリーの魔導具が、ホラーの原因と分からないままにしておけ。ハンティア王国は自力でどうにかする。歴史は伊達じゃない。」

「フィリスにくっついている人外をどうにかするのに、障害になるようなら、カラカラナイトの7柱とギンゴー王国の対応を考えるか。」
とデヒルお兄様。

「オリベは旅に出して、後で土産話でもしてもらえ。」
とデヒルお兄様は、ボクに言った。
「神や神に近い人外が喧嘩しているところに、妖怪がいたら危ない。」

「ボク、オリベが大事。会いたい気持ちは、我慢するの。」
大人になってから、オリベとはずっと一緒にいたから、寂しいの、ボク。

「いい子だ。オリベ不在の分、パパラン達が構いにくる。久しぶりに構われておけ。」
とデヒルお兄様。

「話もまとまって、これからすることも決まった。デヒル、ハーマル、フィリス、マーゴット。パパランを呼んで、皆で移動しよう。」
とお父様。
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