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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

762.フィリスの父、ガラン子爵家当主ダルクのベリウンヘルツ分析と今後の方針。

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「ベリウンヘルツは、シャリン王子が死んでいる確証はないが、死んでいない確証もないから、代役を立てたのかな。」
とお父様。
「シャリン王子の行方不明の情報を公表しなくても、不在を嗅ぎつけたハンティア王国から代役を押し込まれたか、ハンティア王国が最初から噛んでいるか、だね。」

「ベリウンヘルツとハンティア王国は、歴史上、仲良しではないから。」

「そうなんですか?」
とハーマルお兄様。

「ベリウンヘルツ王家の時代に、ハンティア王国はだいぶ煮え湯を飲まされてきた。ベリウンヘルツは、ベリウンヘルツ王家がなくなったけれど、ハンティア王国の王家は存続しているから、煮え湯を飲まされた記憶は記録されているんじゃないかな?」

「ベリウンヘルツ王家に対する因縁が、ベリウンヘルツという国に対して向けられてもおかしくないくらいには、負け続きだよ。」

「ベリウンヘルツはベリウンヘルツ王家があって、まとまっていた国だから。ベリウンヘルツ王家がなくなったからといって、代わりになる誰かを担ぐのは抵抗がある。王として認められたくば、臣下に認めさせてみせろ、という形式が1番マッチしたんだけど、シャリン王子に関しては、裏目に出たね。」

「まあ、ベリウンヘルツは滅亡しないよ。」

「どうしてですか?」
とハーマルお兄様。

「ベリウンヘルツは、群雄割拠で、いつも内政がごちゃごちゃししているし、王家も続かないけれど、国の存亡に関わるような危機の経験はない。」
とお父様。

「ベリウンヘルツ王家が、国の存続を願ったから、ですか?」
とデヒルお兄様。

「お亡くなりになった方々に確認するわけにはいかないけれど、今も神気に溢れているとフィリスが感じるくらいだから、ね。」

「さすが、神様。」
とハーマルお兄様。

「理由は、寝床を荒らされたくない、かもしれない。」
とお父様。
「ベリウンヘルツが、なくなる心配はないけれど、今の王家の力が弱いのは、シャリン王子が行方不明になって、次代の王を認めさせる試練が途中になったせいだよ。」

「シャリン王子が犯罪者の手にかかったのではなく、試練から逃げたとみなされたなら、王子にあるまじき行為をしたとベリウンヘルツの諸侯からは、非難轟々。王子の逃げを許した国王夫妻の求心力が落ちるのも不思議ではない。」

「ハーマルの目から見て、ベリウンヘルツの現王家が、ガタガタだというなら、シャリン王子が試練から逃げた証拠があがっているんだろうね。」

「ベリウンヘルツは、触らないにこしたことがない。」
とお父様。

「ベリウンヘルツ王家の神気が溢れている土地。つまり、人の思惑だけでは如何ともし難い土地だからね。」

「遠くで事態の推移を観察するだけにとどめよう。」
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