フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

696.興味がないことを熱弁されても、興味がわかないのは、仕方ないよね？

サブリーとユージュアルは、フィリスの逆ハーレムに興味がなかった。

だって、いつも通りだもんな。

いつものメンバーにフィリップ殿下が追加されただけ。

代わり映えしない日常。

ハンティア王国が、逆ハーレムと騒ぐ理由がサブリーとユージュアルの2人には、分からない。

「「まあ、いいか。」」

「良くない。」
と王女。
「重度の魅了にかかっている状態が日常になっているのだ。おいたわしい。」

「「ん？」」

王女は、おいたわしいと言ったなよ？

誰のこと？

おいたわしいと言われるような人、どこにいる？

俺達じゃね？

うんうん。俺達、おいたわしいな。

サブリーとユージュアルは、
「「王女は、おいたわしい俺達に用事がある？」」
と聞いた。

「おいたわしいのは、フィリップ殿下。お前達ではない。」
と王女。

パードン？

ホワイ？

「「フィリップ殿下のおいたわしい要素って何？」」

めちゃくちゃ楽しそうなんだけど。
フィリスを構い倒して、イキイキしているよ。

「一目瞭然ではないか。」
と王女。

「「どの辺が？」」

「気高く麗しく、高貴な生まれでありながら、あのような醜態をさらすことを当然のように受け止められて。」
と王女。

「誰の話かな？」
とサブリー。

「さっきまでフィリップ殿下の話題だったよな？」
とユージュアル。

「「おいたわしいと感じた出来事が、どれのことかさっぱり分からないだけど。」」

「色々あっただろう。嘆かわしいことに。」
と王女。