フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

618.『お願い。（裏事情を話してもらえないかな？）』とサブリーとユージュアル。『お願い内容は、一晩か、時間制か、2人同時か？』と元締め。

サブリーとユージュアルは、のんびり構えている。

女性に話が聞けるかと、追いかけた。
女性に話を聞かせてとお願いする気でいた2人。

元締めと2人の間に認識の齟齬がある。

サブリーとユージュアルは、女性に肉体労働をお願いにきたわけではない。

何しろ、2人には厄介な婚約者様の監視疑惑がある。

妹の結婚まで、あと数年待てば、自由の身。

待つの一択。

女性には、女性のお仕事があるので、元締めから話を聞けるなら、元締めの方がいい。

元締めが招いてくれて、万々歳。

居座る気満々。

「あんた達、コーハ王国の近衛か？」

「うん。」

元締めは、やっちまったと思っている。

元締めは、契約した団体に管理している女性達を派遣している。

彼女達は、プロのセックスワーカー。

傭兵団に出入りしていた女性は、傭兵の性欲解消を請け負ったプロ娼婦。

派遣先の傭兵団の大掛かりな仕事場が、今回は、ベリウンヘルツなので、元締めは、ベリウンヘルツに仮事務所を構えていた。

傭兵団も仕事内容は明かさないが、注意喚起はある。

今回の注意喚起は、同時期に滞在しているコーハ王国の王子と近衛だった。

コーハ王国側は、注意喚起などしなかったのだろう。

能天気な近衛が、警戒せずに近寄ってきて、のんびりしているのだから。

性格には問題ないかもしれないが、仕事って？みたいなことを平然と話している2人組。

おそらく、近衛の制服は着ているが、近衛の仕事の経験はない。

偉い人の孫かなんかで、目に入れても痛くないほど可愛がられている。

優秀ならば、出世間違いない。

仕事を与えないほうがよいと判断されて、遊んでいていいよ、と外国で放し飼いされているほど、2人は残念なのだろう。

仮事務所に引き入れたのは、下っ端だが、2人ともなんにも気にすることなく、入ってきた。

派遣先の傭兵団に、注意喚起されていたコーハ王国の近衛と接触した話もしなければならないが、その前に、残念な2人の若者をどうするか？である。

どうしたものか？

元締めは、頭の中が大忙し。

お願い通り、女性経験を積ませてやればよいのか？

しかし、それをすると、派遣先との契約違反になってしまう。

派遣先の傭兵団にとって、コーハ王国の王子と近衛は、今回の仕事において、利害関係の絡む相手。

うまく立ち回らければ。