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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
582.侯爵子息はベリエル・リワ、14歳。侯爵子息のはずだけど、品性はどこに落としたの?爵位を鼻にかけて、言うことを聞かせようとしてくる。
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ボクは、迷惑な侯爵子息が滞在している部屋の前に立った。
扉を開ける。
ボク、部屋の中にいるのは侯爵子息だと聞いていたの。
やさぐれた子どもがいた。
ボクとやさぐれた子どもは、互いに相手を観察した。
ボクは、今日は近衛の制服ではなく、私服。
別働隊を人の目につかせたいと考えている国王陛下の国の侯爵子息だからね。
「あんた、誰?」
「キミの名前は?」
ボク達は、同時に相手を確認した。
「オレのことを知らないで、ここにいるのかよ。」
侯爵子息は、何かを確認するようにボクを見ている。
「ボク、キミを知らないんだから、聞くでしょ?」
「あ、そう。」
本人確認はいるよな、とやさぐれた子どもは納得した。
「オレは、ベリエル・リワ。」
「リワ侯爵家の長男?いくつ?」
「長男。14歳。」
侯爵子息はボクをじっと見た。
「で、あんたは?」
「ボクはフィリス。キミが会いたがっていたガラン子爵家の人間。」
「やっと、来たか。」
と侯爵子息は立ち上がった。
「行こうぜ。」
「どこに?」
ボク達、名乗りあっただけよ?
「は?準備できたから、迎えに来たんじゃないのかよ?」
ボク達、意思疎通できるようになるところから、始めないとね。
「キミが何を言っているのか、よくわからないけど、祖国に帰るのかしら?」
「亡命してきた、と言っているのに!帰したら、ダメだろう!」
侯爵子息は、元気に騒ぎ出した。
「キミは、1人でコーハ王国に着いて、亡命する、と騒いでいたけど、キミは、未成人で、祖国もリワ侯爵家も無事。」
「亡命する理由があるの?」
「聞いたら、後には退けないぞ。」
と侯爵子息。
「聞いてどうするかを決めるのは、キミじゃないよ?話さないなら、リワ侯爵家に帰りなさい。」
「なんだよ?オレは、侯爵家なんだぞ。」
と侯爵子息。
「そうね。」
「お前は子爵家なんだから、オレに逆らったら、不敬罪で、クビを刎ねるぞ。」
と侯爵子息。
爵位を笠に着る子どもは、ぼんやりしているとは、表現しないよね、とフィリスは考えている。
「キミ、偉い人ごっこは、お家に帰ってしなさい。」
「ごっこじゃねー。オレは侯爵家でお前は子爵家。オレの方が偉いじゃん。言うことを聞け。」
本気で爵位を振りかざしているのかしら。
「キミみたいな子どもを大人は、家出人か、迷子と呼ぶの。ご両親を呼んで、迎えにきてもらう?お迎えの費用や滞在中の費用も、ご両親にまとめて請求するから。」
「それだけは、嫌だ。」
侯爵子息は余裕ぶっていた態度を一変させた。
「あいつらのところにいたら、殺される。」
扉を開ける。
ボク、部屋の中にいるのは侯爵子息だと聞いていたの。
やさぐれた子どもがいた。
ボクとやさぐれた子どもは、互いに相手を観察した。
ボクは、今日は近衛の制服ではなく、私服。
別働隊を人の目につかせたいと考えている国王陛下の国の侯爵子息だからね。
「あんた、誰?」
「キミの名前は?」
ボク達は、同時に相手を確認した。
「オレのことを知らないで、ここにいるのかよ。」
侯爵子息は、何かを確認するようにボクを見ている。
「ボク、キミを知らないんだから、聞くでしょ?」
「あ、そう。」
本人確認はいるよな、とやさぐれた子どもは納得した。
「オレは、ベリエル・リワ。」
「リワ侯爵家の長男?いくつ?」
「長男。14歳。」
侯爵子息はボクをじっと見た。
「で、あんたは?」
「ボクはフィリス。キミが会いたがっていたガラン子爵家の人間。」
「やっと、来たか。」
と侯爵子息は立ち上がった。
「行こうぜ。」
「どこに?」
ボク達、名乗りあっただけよ?
「は?準備できたから、迎えに来たんじゃないのかよ?」
ボク達、意思疎通できるようになるところから、始めないとね。
「キミが何を言っているのか、よくわからないけど、祖国に帰るのかしら?」
「亡命してきた、と言っているのに!帰したら、ダメだろう!」
侯爵子息は、元気に騒ぎ出した。
「キミは、1人でコーハ王国に着いて、亡命する、と騒いでいたけど、キミは、未成人で、祖国もリワ侯爵家も無事。」
「亡命する理由があるの?」
「聞いたら、後には退けないぞ。」
と侯爵子息。
「聞いてどうするかを決めるのは、キミじゃないよ?話さないなら、リワ侯爵家に帰りなさい。」
「なんだよ?オレは、侯爵家なんだぞ。」
と侯爵子息。
「そうね。」
「お前は子爵家なんだから、オレに逆らったら、不敬罪で、クビを刎ねるぞ。」
と侯爵子息。
爵位を笠に着る子どもは、ぼんやりしているとは、表現しないよね、とフィリスは考えている。
「キミ、偉い人ごっこは、お家に帰ってしなさい。」
「ごっこじゃねー。オレは侯爵家でお前は子爵家。オレの方が偉いじゃん。言うことを聞け。」
本気で爵位を振りかざしているのかしら。
「キミみたいな子どもを大人は、家出人か、迷子と呼ぶの。ご両親を呼んで、迎えにきてもらう?お迎えの費用や滞在中の費用も、ご両親にまとめて請求するから。」
「それだけは、嫌だ。」
侯爵子息は余裕ぶっていた態度を一変させた。
「あいつらのところにいたら、殺される。」
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