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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
527.「エスター、やり遂げた後は労りの時間。エスターが飽きるまで、労る。ボクのエスターだから、誰にも譲らない。邪魔はさせないの。」
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ラウルが落ち着いたので、サブリーに後始末を任せて、エスターの元へ。
エスターが、ラウルの補佐として子どもの時分から一緒にいたのは、ラウルとエスターの両方のため。
エスターは、子どもの頃から、『花の顔』と評判の美人。
ラウルとの相性が良かったこともあるけど、ラウルとエスターが揃うと、他の人の腰がひけるので、2人ともの身を守るために、一緒に行動するようにしている。
その成果は、顕著で、2人に近づく一定数を遠ざけてきた。
2人が貴族子弟であることも相まって、強固な守りになる。
しかし、今回は、勝手が違った。
ミーアーニ王女殿下は、王女であり、王弟子息のラウルより地位は上。
ミーアーニ王女に付き従う女性達は、戦闘力ゆえに、社交界から爪弾きにされた貴族子女と、王女や仲間が主流派ではないため、立ち位置の不安定な平民の娘だ。
貴族階級の道徳も倫理も、彼女達は嗜まない。
非常事態になったとき、エスターは、迷わず、ラウルを守る。
ラウルは、堂々とエスターに守られる。
そんな2人の関係が、エスターの生き方で、誇り。
でも、その結果が、辛くて、苦しくなることだってある。
サブリーは、エスターの体の負担にならないように、清拭をしたり、飲み物や食べ物を与えたりして、誰にも気づかせないという心遣いを態度で示した。
意を汲んだセドリックとシュクナは、ラウルとエスターに関しては、見守る姿勢を貫いた。
フィリスは、そっとエスターを神気で包み込む。
エスターの頑張りが、エスターとラウルを苦しめる未来にならないように。
フィリスは立ち回る。
ラウルもエスターも、フィリスのもの。
フィリスのかけがえない宝物。
フィリスの宝物をフィリスが大事にするのは、当然。
エスターのいやだったものが、エスターを苦しめたりしないように、横たわるエスターに寄り添い、そっと、呼びかけながら抱きしめる。
「エスター、ボクよ、フィリスなの。」
「ラウルは、もう大丈夫。体を休めれば、明日から元気。」
「だから、エスターの疲れをとりにきたの。」
「ラウルは、サブリーが見ている。ラウルには、こちらの様子は分からない。
外には、ユージュアルが見張っていて、誰も近寄れない。」
「ボクだけ。」
「エスターとボクだけ。」
「今日の仕事の疲れは、今日中にとってしまうの。明日からまたお仕事なの。」
「仕事。」
とエスター。
「今日は、皆でお仕事頑張ったの。いっぱい頑張ったから、今日は、もうお仕事はしないの。」
「ボクのお仕事も、エスターのお仕事も、明日までお休み。」
「ボク、近衛の偉い人だから、ボクが休むと言ったら、休まなきゃ。」
「お仕事おしまい。今から、ボクとエスターの2人時間。」
「外から来るいやなものはユージュアルがやっつけるの。」
「内側にあるいやなものは、ボクが全部もらっちゃう。」
「エスターの楽しいことも、いやなことも、ボクの一部。」
「エスターは、ボクのだから。エスターにボクのことを考えなくさせるようなナニカは、ボクが持っていく。」
エスターが、静かに嗚咽し始める。
フィリスは体を投げ出した。
服を着ていないから、全裸のままタオルを巻く。
「エスター、やり遂げた後は、労りの時間よ。」
「エスターが飽きるまで、労る。ボクのエスターだから、誰にも譲らない。邪魔はさせないもの。」
エスターが、ラウルの補佐として子どもの時分から一緒にいたのは、ラウルとエスターの両方のため。
エスターは、子どもの頃から、『花の顔』と評判の美人。
ラウルとの相性が良かったこともあるけど、ラウルとエスターが揃うと、他の人の腰がひけるので、2人ともの身を守るために、一緒に行動するようにしている。
その成果は、顕著で、2人に近づく一定数を遠ざけてきた。
2人が貴族子弟であることも相まって、強固な守りになる。
しかし、今回は、勝手が違った。
ミーアーニ王女殿下は、王女であり、王弟子息のラウルより地位は上。
ミーアーニ王女に付き従う女性達は、戦闘力ゆえに、社交界から爪弾きにされた貴族子女と、王女や仲間が主流派ではないため、立ち位置の不安定な平民の娘だ。
貴族階級の道徳も倫理も、彼女達は嗜まない。
非常事態になったとき、エスターは、迷わず、ラウルを守る。
ラウルは、堂々とエスターに守られる。
そんな2人の関係が、エスターの生き方で、誇り。
でも、その結果が、辛くて、苦しくなることだってある。
サブリーは、エスターの体の負担にならないように、清拭をしたり、飲み物や食べ物を与えたりして、誰にも気づかせないという心遣いを態度で示した。
意を汲んだセドリックとシュクナは、ラウルとエスターに関しては、見守る姿勢を貫いた。
フィリスは、そっとエスターを神気で包み込む。
エスターの頑張りが、エスターとラウルを苦しめる未来にならないように。
フィリスは立ち回る。
ラウルもエスターも、フィリスのもの。
フィリスのかけがえない宝物。
フィリスの宝物をフィリスが大事にするのは、当然。
エスターのいやだったものが、エスターを苦しめたりしないように、横たわるエスターに寄り添い、そっと、呼びかけながら抱きしめる。
「エスター、ボクよ、フィリスなの。」
「ラウルは、もう大丈夫。体を休めれば、明日から元気。」
「だから、エスターの疲れをとりにきたの。」
「ラウルは、サブリーが見ている。ラウルには、こちらの様子は分からない。
外には、ユージュアルが見張っていて、誰も近寄れない。」
「ボクだけ。」
「エスターとボクだけ。」
「今日の仕事の疲れは、今日中にとってしまうの。明日からまたお仕事なの。」
「仕事。」
とエスター。
「今日は、皆でお仕事頑張ったの。いっぱい頑張ったから、今日は、もうお仕事はしないの。」
「ボクのお仕事も、エスターのお仕事も、明日までお休み。」
「ボク、近衛の偉い人だから、ボクが休むと言ったら、休まなきゃ。」
「お仕事おしまい。今から、ボクとエスターの2人時間。」
「外から来るいやなものはユージュアルがやっつけるの。」
「内側にあるいやなものは、ボクが全部もらっちゃう。」
「エスターの楽しいことも、いやなことも、ボクの一部。」
「エスターは、ボクのだから。エスターにボクのことを考えなくさせるようなナニカは、ボクが持っていく。」
エスターが、静かに嗚咽し始める。
フィリスは体を投げ出した。
服を着ていないから、全裸のままタオルを巻く。
「エスター、やり遂げた後は、労りの時間よ。」
「エスターが飽きるまで、労る。ボクのエスターだから、誰にも譲らない。邪魔はさせないもの。」
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