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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

495.『最後通牒よ。今日死ぬか、死なないか、自分で決めなさい。どちらにする?』

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「ボクは、今日、死ぬ気はないの。」
とフィリス。

「死ぬ、死ぬ、ってお前。」
とおんぶ男。

「危機感がなさすぎるのは、死を受け入れているから、かと思ったけれど、違うのかしら?」
とフィリス。

「鈍いの?それとも、自分の人生を自分で考えようとしないのかしら?」
とフィリス。

フィリス、サブリー、ユージュアルは、戦場を見て、それぞれで周りに話しかけたりして、地形や土地の癖を掴んだ。

罠を仕掛けるなら、どんなものが使いやすいか。

どんな作戦をとりやすいか。

一般人もいなければ、街も遠く、目立つ建物は、明らかに軍用。

植生に大きなばらつきはない。

見晴らしのよい平原。

小さな山と谷、川などが入り組んだ地形。

慣れないと行軍に苦労するであろうぬかるんだ地面。


軍の演習用に用意された土地。

人の手を加えて、演習に向くように変えられた土地。


そんな場所に、そうと知らせず、外国の貴族子弟を連れていく意図は?

しかも、連れてこられた貴族子弟本人は、自らが戦いに向かないと自認している。

これ以上、奥地に進む必要は、フィリス達にはない。


「「「もう十分。」」」
フィリス、サブリー、ユージュアルは、それぞれ、おんぶの背中からおりた。

「キミ達の中で1番偉いのは、誰かしら?」
とフィリス。

「最後通牒よ。今日死ぬか、死なないか、自分で決めなさい。」

「答えなさい。どちらにする?」
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