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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

483.男を姫扱いしているのは、女に縁がないせい?いいえ、存在が姫そのもので、姫でしかないから。姫は、自分の男に言い寄られるのを好まない。

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近衛別働隊の全員で、会場へ。

セドリックが班長。
シュクナが副班長。

「姫とお付き2人。」
とセドリックに呼ばれたので、ボクとサブリー、ユージュアルは前に出る。

「うちの姫とお付き2人。うちの救出対象だ。泣かせるなよ。怖がらせるなよ。いじめるなよ。」
とセドリック。

「戦いなさいよ。近衛のくせに。」
とミーアーニ王女殿下。

「いじめるなと言っているだろうが。」
とセドリック。

「あんたも、コイツに入れあげているわけ?」
とミーアーニ王女殿下。

「うちの姫なんだから、大事に決まっているだろう。」
とセドリック。

「姫って言うけど、男じゃない。しかも近衛。」
とミーアーニ王女殿下。

「何の問題もないが。」
とセドリック。

「男を姫扱いして、どんなに女に縁がないのよ。」
とミーアーニ王女殿下。

「女と縁がない?知らんなあ?」
とセドリック。

フィリス、サブリー、ユージュアルは、そっと顔をそらした。

外国にきたら。
女のコと、キャッキャウフフできるかと、思っていた。

外国の女のコ、めちゃくちゃ怖い。

コーハ王国の女性は、異性扱いしてくれないけど、優しかったなあ。

コーハ王国に帰ったら、もっと女性に親切にしよう。

そんな風にひそかに決意しながら。


「あんたなんか、女の代用よ。本物の女にはかないっこない。」
とフィリスを見て嘲笑するミーアーニ王女殿下。

「ミーアーニ王女殿下は、話す相手を間違われていないか?」
とセドリック。
「俺達には、心当たりのない話だ。」

ミーアーニ王女殿下は、セドリックとのやり合いに忙しくなり、ラウルに気をつけることが出来なかったらしい。


参加者登録中に、ラウルに気付いて、駆け寄ってきた。

「ラウル様。」

ボクは、すぐにラウルとミーアーニ王女殿下の間に立つ。

「ボクのものに馴れ馴れしくしないで。」

「ボクは、ボクの男に言い寄られることは、好まない。下がりなさい。」
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