フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

318.大好きなお兄様、ボクは、口づけしとうございます。

1つ1つ確かめるように。
フィリスは、デヒルと目を合わせて、デヒルの鼻と口を指でなぞる。

「ボクの大好きなお兄様。」
「確認は済んだか？」
デヒルは、フィリスの好きなようにさせている。
これから自分に触れるのは、ほかのだれでもなく、フィリスの大好きな兄。

ちゃんと見て、触って確認する。
フィリスが心から安心して、全部見せられる兄。
「はい。」
照れながらも、デヒルの肩に手を絡める。
「お兄様。口づけしとうございます。」
フィリスが口をあけると、デヒルの舌が入ってくる。
お兄様の唇、お兄様の舌。流れ込んで混ざる唾液。
全部入れ替えるの。
ボクの体に入っていいのは、お兄様。残っていいのも、お兄様。

デヒルの手がフィリスの胸元に伸びるとキュンと期待してしまう。

撫でたり、つついたりから始まって、段々こねくり回していく。

「お兄様。お兄様。」
フィリスは、デヒルとの口づけをやめて、おねだりする。
「ボク、お胸が寂しゅうございます。舌でコロコロ、してくださいませ。お兄様のお口の中で、ちゅくっと吸ってくださいませ。」

フィリスは、1つ1つ、記憶を差し替えていくように、兄にねだる。

「あ、あ。お兄様。お胸が温かで。愛されて、幸せです。お兄様のお口で気持ちよくなりました。」

「お兄様のお兄様に触ってもよろしゅうございますか？」

「触れ。」

フィリスは、そっと優しい手付きで、思い出すかのように、刺激していく。

「お兄様、ボクのお口にお招きしても？」

「くわえたのか？」
フィリップ殿下のを。出さない固有名詞は、消去するから。

名残も記憶も残さない。
ボクの体も心も、ボクのもの。
お兄様の愛撫とお兄様への気持ちに取り替える。