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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

314.デヒルの奥方の周囲に、先代当主夫妻襲撃事件の遺族。デヒルの妻は、夫の末弟と共に助かったのが、独り身の男性だけだった理由を憶測で話す。

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『デヒルお兄様。奥方対策の用意をする前に、まず、奥方とその周辺に気付かれないように、観察してください。

奥方にとって、婚約者を兄に引っかけられた、可哀相な女の枠にいる私が動きます。私が学校に行くために、ガラン領を離れる日を期限にしましょう。解決してください。
4年の猶予と言いたいところですが、不測の事態が起こる可能性を考えて、3年を目処にお願いします。』
とマーゴット。

それと、確実にデヒルお兄様に聞いてほしかったことなんですが、とマーゴットは付け足した。

『奥方の周囲にいる人は、かなり偏りがあります。気づいてますか?』

『全員が共通して口にするのが、フィリス様に仕えていなければ、今ごろは、です。』

『私の産まれる前に祖父母の襲撃事件がありましたよね?
全員、その事件についてコメントしていました。フィリスお兄様が助かるために、無理をして死ぬ羽目になったとか、死んで良い子ではなかったのにとか。』

『奥方は、フィリス様は性悪で、小さいうちから男を手玉にとるところがあったから、独り身の若い男ばかり助かったのは、偶然ではないかも、と煽るんです。』

『私が危機感を覚える理由がわかりました?』

『ハーマルお兄様は、接点があまりないので、異常性にまだ気付いていません。ハーマルお兄様は、フィリスお兄様のために真っ直ぐ立ち向かう性格ですからね。』

『リドリグお兄様は、デヒルお兄様の奥方を早いうちから、警戒されていましたよ。私が警戒する前から。』
とマーゴット。

ミノカサゴがまた話し始めた。
『どういう結末を迎えるにしても、慎重さが成功の鍵よ、デヒル。マーゴットにはわたしがついて監督するから、マーゴットのことは、任せなさい。』

『デヒルは、奥方について、デヒルに見せる面以外も知るといいわ。話を進めるのは、現状把握後よ。』
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