フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

265.うぐいす色の神獣パパランはワイバーンの姿をしているけど、神獣だから、人には気付かないことにも気づいちゃうぜ。フィリスはパパランの弟！

うぐいす色のワイバーンに見える神獣パパランに乗って空の旅。

パパランに乗っている間は、どんな上空でも、快適環境になる。

パパラン一味として、兄弟の盃を交わした弟分は、守ってやるものらしい。

パパランにも個性がある。デヒルが乗っているパパランは、滝のようにお喋りが好きだ。

「なーなー、デヒル。フィリスが拉致されたって、本気かー？」

「ああ。」

「まじかよ。フィリスを拉致するなんて、見る目があるな。」

「褒めているのか？」
フィリスじゃなく、拉致した相手を褒めるのか？

「だって、フィリスは、オレたちの弟だからな。パパランの弟だぜ。そりゃ、見る目あるさ。」

デヒルは、思った。

フィリスが、神獣の弟分じゃなく、弟扱いになった。

「パパランの弟になったのか？私の弟だと思っていたが。」

「人間には、分からないのかー。フィリスは4歳で旅行行っただろ？行く時は、完全に人間だったが、帰ってきたときは、なんか足されていたぞ。」

「足されていた？」

「人の範囲には入っているけどな。旅行中、どこぞの神にでも気に入られたか？」