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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?
257.当事者がいなくなっても『そして、誰もいなくなった』では終わらない。問題の後始末や尻ぬぐいをするのは、関係の薄かった人だったりする。
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「新鮮な死体ですか?」
「そうだ。」
「死にたてほやほや、な?」
死体にほやほや、はありかな?と思いつつ。
「その通り。」
「令嬢の死体を運んできたんですか?」
と長男。
「ああ。」
「王家は、その横で『残念ですが、令嬢に結婚は困難なようです。』と述べた。」
とデヒル。
死者ではなー。
「それから、どうなったんですか?」
「皇太后が、確認にきた。」
とデヒル。
「ご令嬢が本人かどうかも含めて、ですよね?」
「そうだ。皇太后がご令嬢本人の死亡を認めたので、王家は、上位互換のご令嬢を紹介した。」
とデヒル。
「さすが、嫁入り合戦。」
と長男。殺し合い上等とは。
「皇太后は、ご令嬢の上位互換だという令嬢を見て、『このものの首を刎ねよ。』と1言。」
とデヒル。
長男は、思わず、口をぽかんと開けた。
「王家が、何故かと聞けば。
『孫の嫁にする予定だったご令嬢より優れているような娘を野放しには出来ぬ。ご令嬢が嫁にくることがかなわなくなった今、この娘を生かしておくことはならぬ。わらわの目の前で、首を刎ねよ。』と皇太后が仰せになられた。」
とデヒル。
「どうなりました?」
「王家も、上位互換のご令嬢も、その家も抵抗したが、上位互換のご令嬢はその場で首を刎ねられた。」
とデヒル。
「やるなー。」
まあ、金を払って渡された品物が、売り物として、見せられていたものと違ったら、怒るのは、アリ。
見本じゃなきゃ、詐欺だ。
皇国が皇族の嫁に迎えるなら、相当の支度金も渡しているはず。支度金の返金もなく婚約解消の申し入れなど、通るはずもない。
父上から、支度金についての言及がなかったということは、支度金を受け取ったままで騒動を引き起こしたということだ。
「皇国の皇族と婚約しておきながら、婚約した娘を死なせて、約束を破った責任を追求せよ、と皇太后の命を受け、令嬢の家は誰もいなくなった。」
とデヒル。
「絶滅したんですか?」
「一人残らず。それから。」
とデヒル。
「まだ、ありましたか。」
「その場にいた王家と上位互換の令嬢の家のものは、皇太后の御御足を煩わせた責任をとるために、全員自害。」
とデヒル。
「今までの流れで、進んで自害する登場人物は、1人も出ていないような。」
長男は思わず呟く。
「死んでいない王家と貴族達に対して、『皇太后の望みを潰した原因を調べて、公表することと、皇太后に憂いを残した償いを国として続けるように』と皇国は言い渡した。」
とデヒル。
「相手、王家というからには、独立した王国なんですよね?属国じゃないんですよね?」
と長男。
「相手が、どこだろうが、誰だろうが、皇国の皇太后のお心を楽しませるはずだった孫の婚約を台無しするなど、皇国は許さないからな。」
とデヒル。
「そうだ。」
「死にたてほやほや、な?」
死体にほやほや、はありかな?と思いつつ。
「その通り。」
「令嬢の死体を運んできたんですか?」
と長男。
「ああ。」
「王家は、その横で『残念ですが、令嬢に結婚は困難なようです。』と述べた。」
とデヒル。
死者ではなー。
「それから、どうなったんですか?」
「皇太后が、確認にきた。」
とデヒル。
「ご令嬢が本人かどうかも含めて、ですよね?」
「そうだ。皇太后がご令嬢本人の死亡を認めたので、王家は、上位互換のご令嬢を紹介した。」
とデヒル。
「さすが、嫁入り合戦。」
と長男。殺し合い上等とは。
「皇太后は、ご令嬢の上位互換だという令嬢を見て、『このものの首を刎ねよ。』と1言。」
とデヒル。
長男は、思わず、口をぽかんと開けた。
「王家が、何故かと聞けば。
『孫の嫁にする予定だったご令嬢より優れているような娘を野放しには出来ぬ。ご令嬢が嫁にくることがかなわなくなった今、この娘を生かしておくことはならぬ。わらわの目の前で、首を刎ねよ。』と皇太后が仰せになられた。」
とデヒル。
「どうなりました?」
「王家も、上位互換のご令嬢も、その家も抵抗したが、上位互換のご令嬢はその場で首を刎ねられた。」
とデヒル。
「やるなー。」
まあ、金を払って渡された品物が、売り物として、見せられていたものと違ったら、怒るのは、アリ。
見本じゃなきゃ、詐欺だ。
皇国が皇族の嫁に迎えるなら、相当の支度金も渡しているはず。支度金の返金もなく婚約解消の申し入れなど、通るはずもない。
父上から、支度金についての言及がなかったということは、支度金を受け取ったままで騒動を引き起こしたということだ。
「皇国の皇族と婚約しておきながら、婚約した娘を死なせて、約束を破った責任を追求せよ、と皇太后の命を受け、令嬢の家は誰もいなくなった。」
とデヒル。
「絶滅したんですか?」
「一人残らず。それから。」
とデヒル。
「まだ、ありましたか。」
「その場にいた王家と上位互換の令嬢の家のものは、皇太后の御御足を煩わせた責任をとるために、全員自害。」
とデヒル。
「今までの流れで、進んで自害する登場人物は、1人も出ていないような。」
長男は思わず呟く。
「死んでいない王家と貴族達に対して、『皇太后の望みを潰した原因を調べて、公表することと、皇太后に憂いを残した償いを国として続けるように』と皇国は言い渡した。」
とデヒル。
「相手、王家というからには、独立した王国なんですよね?属国じゃないんですよね?」
と長男。
「相手が、どこだろうが、誰だろうが、皇国の皇太后のお心を楽しませるはずだった孫の婚約を台無しするなど、皇国は許さないからな。」
とデヒル。
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