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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

85.フィリスの友達、兼、近衛別働隊幹部の子爵子息、ノーマとシエル。家の爵位は子爵。だけど、どちらも、影響力はとてもある家の息子さん。

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近衛別働隊の幹部のうち、フィリス以外の子爵家の2人ノーマ・ブリジールとシエル・ファウスは、祭典、式典などの国家行事を取り仕切る子爵家の息子だ。

近衛別働隊での2人は、隊員の管理と、外部との折衝担当、歌舞音曲の総監督を務めている。

2人ともフィリスと同い年で、互いに伝統を身近に感じて育っているため、仲が良い。

サブリーとユージュアルは、親がフィリスの親と上下関係があり、側近兼友人としてフィリスと楽しく生きるのを信条にしている。

一方、ノーマ、シエル、フィリスは家や親と関係なく距離を縮めた。

フィリスには珍しい、対等にお付き合いできる関係である。

3人の出会いは、年齢一桁から始まる。

伝統と格式ある子爵家子息のノーマとシエル。

2人は幼児時代から、そこそこつるんできた。

2つの子爵家は、いつの時代も、権力闘争や政治とは適度に距離をおいていた。

国家行事なのに、国家行事としての品位を損なうことはあってはならない。

権力側についた、とか、権力側から弾かれたとかで、国家行事の内容や質が上下するのは、国の在り方としてよろしくない。

たとえば、国葬がしょぼくなったら、がっかりしない?
理由が、権力者が交代して、今の権力者のお気に入りじゃないから、だったら?

そんな国に今後も忠誠を誓えるか?ということだ。

2つの子爵家は、確固たるポリシーを持っている。
時代が移ろおうと、権力によりかからない。

権力者とは付かず離れず。
仕事関係者とは互いに誠意を持てるよう、誠実に。

あまりに爵位が上がると、貴族の義務から逃げられないので、子爵家を維持している。

2つの子爵家の子どもは、
『権勢をほこるものとは近付きすぎず、遠ざからずであれ』
を家訓のように聞いて育つ。

2つの子爵家、ブリジール家とファウス家は、政治的権力を誇示しないが、重要な家である。

しかし、この2つの子爵家を蔑ろにしてはならないことを知るのは、たいてい成人してからである。

国の公式行事は、この2つの家が動かないと成り立たない。代わりがいないのだ。

王城で公式行事の担当者が二転三転したら、ブリジール家とファウス家から、担当者の変更を要求されたことを示している。

王城で真実に気付くものは、不興をかった自覚のある本人だけだ。

『不興をかった理由は、子爵家だと軽んじたせいなんだ』
と、自ら吹聴する者はいない。

2つの家は、
『ご縁がなく。』
『活躍の場を新しく移された』
としか言わない。


そういう家の在り方は、代々、子ども達にも影響を与えている。

ノーマもシエルも、弁えている相手としか付き合わない。


気に入られようとする気も、社交に励む気もない。

王城の交流会に行っても、気が合う人が見つからなければ、2人で好きなことをして、時間まで過ごしていた。


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