フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

71.貴族さんから、内偵出してもらえませんかねー。いやー、一介の平民には荷が重い相手なんですわー。

「役所からの要望としては、証拠はないけど、疑わしいから、内偵を貴族にしてほしい、ということかな？」

「はい。」

「某国の方、と特定できるくらい、有名な方なんだね？」

「はい。お引き受けいただく前にお名前を出すわけには。」

「名誉毀損、だものね。」

「その通りで。」

「ポロンから、ガラン領の情報を引き出したいのかもしれないね。出来ないけれど。」
「出来ないんですか？」
「機密を抱えたまま、野放しに？」
フィリスは、何でもなさそうに話している。

貴族社会の闇、もしくは、掟が、怖い。
穏やかなのに言っている内容は貴族だ。

機密を知ってしまったら、どうなるのー？と代表者2人は心の中で震えた。