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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

69.役所の手に負えない案件あり。証拠を掴んでから上に投げるんだけど、関係がある証拠を掴むのが、一苦労。フィリス様に助けてほしいなー。

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役所にて。
監視担当が追加報告をしている。

「某国からの招かれざる客が、不法入国し、平民街の裏の売春宿に身分を偽り、不法滞在中。

ガラン領から王都に出てきて1ヶ月未満で、借金漬けになって、売春宿にきたポロンを指名して頻繁に買っています。

ポロンに疲れた様子が一切ありません。他の男娼は時間買いですが、ポロンだけは日単位です。」

役所の皆さんは、お疲れ顔だ。


「陰謀の香りがするから、調査が必要になりました、と。」

「某国の方と接触するには、それなりの立場が必要でして。」

「だよねー。」

「元締めの女性が容赦ないことで有名です。」

「どんな人?」

「誰もはっきり姿を見た者がいなくて。」 

「生きてる?」

「人か、人外か不明ですが、死体ではありませんでした。」

「腐臭はしなかったんだね。」

王都の平民街の裏で、勢力を増している新興勢力がある。

『国に借金して、返せなくなり、国の奴隷になるのが、嫌。』

『借金しているのを知られずに、借金したい。』

という平民や他国民が、公的機関を挟まず金の貸し借りをすることは昔からあった。


以下に、新興勢力が破竹の勢いだと聞こえるようになってから、役所に増えた訴えがある。

『借りていたが、返せないなら、仕事をただにしろと迫られている。』

『借りたくないのに、貸していく。利子を吹っ掛けてきて、利子を払えないと、モノを没収された。押し付けてきた金は返そうとしても、受け取ってくれない。』

『生活の羽振りが急激に良くなったと思うと、いつの間にか借金で首がまわらなくなっていて、ある日、突然、ふらりと散歩に行くようにいなくなる。』

「あのさー、下の2つの訴え、犯罪臭、プンプンだわ。」

「ですよねー。」

「1番上の訴えですが、仕事を安く引き受けることはあっても、タダは今までなかったんですよ。」

「何なん?ただのがめつい奴だったら、いいけど。行政指導で終わるやつ?」

「新興勢力が勢力を格段した時期と、訴えの時期が完全に一致するわけでもなく。」

「関係ありそう。だけど、疑わしいだけ。」

「1つでも、証拠ないと、踏み込めないのよー。」

「役所だけでは無理ですね。」

「それで、協力を仰ぐ先ですが。」

「ポロンの関係をエサに、フィリス・ガラン様経由で近衛を引っ張り込みたい。」

「ですよねー。」

「監視、頑張ったし。」

「今現在も、頑張っているし。」

「ええ。」

「あの日、やべーヤツ、揃っています。の即売会だったよな?」

「はい。」

「窓口も頑張った!」

「いつも頑張っているけど、あんなに会話のために頭をフル回転したことないよ!」

「上司も頑張った。」

「その頑張り、継続で!」

「報告書とか、報告書とか、報告書とか。」

「よし、どうやって頼む?」

「「「「「うーん。」」」」」

「近衛別働隊の方々は、貴族でも比較的平民に顔が知られています。」

「かっこいい男の子が音楽に合わせて、キラキラしていたら、大興奮だよね。」

「お近づきにはなれないから、離れた場所で見ているよね、例年。」

「不埒なヤツには、不敬罪と通達出ているから、お触りしようもんなら、会場が血の海になる。」

「皆さま、貴族子弟ですから。平民と馴れ合いませんよ。」

「それで、フィリス・ガラン様に、お願いしたら、受けてもらえそうなの?」

「ええ。大変、気性の穏やかな方に見えました。どなたとも仲がよろしそうでしたし、貴族関係の突破口に考えてもよいでしょう。」

「よし、お願いしよう。」

「問題は、どう話を持っていくかだなー。」
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