フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

51.15歳とか16歳の近衛1年生。大丈夫な気がして、出先で先輩から離れてみたら、事件が！

外交のために外国へ赴く貴人達の要人警護が決まった。
ダンシェル、ロウウェル、レイモンドにとって初めての任務。

フィリスが班長、サブリーとユージュアルが副班長の班は、新人かつ下位貴族の次男以下ということで、外交に護衛として赴くときの経験を積むことを目的としていた。

重要な任務をする先輩を見て、自力で学びを見つけてみなさい。

そう言われて、国を出発した。

交渉は、上々。難しい案件が妥結にいたり、担当者も護衛も喜んでいた。

あの事件が起きるまで。




事件が起きた初任務。
ダンシェル15歳とロウウェル15歳、レイモンド16歳は、少年期特有の雰囲気があり、近衛の制服が、より一層魅力を引き立てた。


翻って、フィリス、サブリー、ユージュアルは、濃淡の差はあれど、全員、茶色の髪と瞳。地味な相貌と、戦闘職には見えない貧弱な体躯。

指導係が新人より明らかに見劣りしている。

指導係のフィリスは、
「3人とも、カッコよくて目を奪われるね」と気に留めていなかったが。

周りはダンシェル達にちょっかいをかけたくて仕方ない様子を匂わせながら、近づいてくる。

条約締結のめでたい話しにかこつけて、
下世話な話しを持ってきたり、
アーバンチュール用かと思しき部屋への案内を申し出られたり。

初任務自体、条約締結のパーティーまで大した仕事がなかった。

なんにもすることがないのに、
外交訪問中、いつも指導係としてフィリスとサブリーとユージュアルがくっついてくる。

半人前のフィリスにくっつかれて、仕事を覚えようと言われても、頑張れないだろう？

オレ達は問題なく、仕事している。


もう条約も締結して、一段落している。

どちらの国からも緊迫した空気はなくなっている。

今なら、少しくらい3人と離れても大丈夫だよな。
そう思ってしまったのだ。


なんの根拠もないのに。