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第202話「サニエ子爵って……どんな人なんだろう? アメリー様に似ているのだろうか?」

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午前5時となり、ジョルジエット様、アメリー様、
そして秘書のシャルロットさん、トリッシュさんが朝の訓練に合流。

訓練をする騎士達から離れ、女子達5人は闘技場の片隅へ移動。

ここまでは、いつもと同じ。

だけど、今朝は特別な話がある。
そう……俺とシルヴェーヌさんの結婚話だ。

まもなく、シルヴェーヌさんを中心とした女子の輪の中から、

「「わあああああっ」」

という、可愛い歓声が聞こえて来た。
女子5人は身分など関係なくハイタッチしたり、ハグまでしている。

後から聞いた話では、幼い頃からジョルジエット様の警護役であった、
年上のシルヴェーヌさんが加わる事で、とても心強い! と凄く盛り上がったそうだ。

……結局、シルヴェーヌさんからの『情報公開』は上手く行ったのである。
幸いSOSは発せず、俺からのフォローはなしとなった。

朝一で俺とシルヴェーヌさんの結婚話を聞いたジョルジエット様、アメリー様は、
素直に笑顔で、「おめでとう!」と祝福し、
「誰にも何も言わない」と約束してくれたのだ。

これから初めてお会いして、婚約する王女ルクレツィア様の事もあり……
俺達の結婚の事は「しばらくは当事者である、俺と女子5人の秘密にするべき」
というロジックに同意してくれた。

グレゴワール様へは「俺とシルヴェーヌさんから、報告する形にしたい」
というお願いも、ふたりは納得し、了解してくれたのである。

その後は、シャルロットさん、トリッシュさんも加わり……
全員が俺の嫁という連帯感、団結心も働き……
和気あいあいと、護身術の訓練を行ったのである。

ここまで仲良くなってしまうと、
万が一何かあった時、ルクレツィア様も加わった女子6人の連合軍となり、
男の俺が孤立無援状態になる! という懸念が無きにしも非ずだけど……

前世の言い方ならば、根回しが済んだという事で……
朝食前に、シルヴェーヌさんと一緒に、
書斎を訪ね、グレゴワール様へ結婚話を報告。

「グレゴワール様、朝一番で申し訳ありませんが、ご報告とお話があります」

ふたり一緒に、真面目な雰囲気且つ朝一で、話を入れたから、インパクトがあった。

俺とシルヴェーヌさんが結婚する話を聞き、グレゴワール様は笑顔。
「ロイク君、シルヴェーヌ、本当におめでとう!」と祝福の言葉を頂いた。

更に、シルヴェーヌさんへ……
「幸せになりなさい」
「妻として、王国執行官秘書として、ロイク君の公私を支える能力とスキルを期待する」
「大変だろうが、女子の先輩として、ルクレツィア様やウチのジョルジエット以下をとりまとめ、引っ張って行って欲しい」
と、グレゴワール様から熱いエールを送って貰い、
シルヴェーヌさんは感動し、涙ぐんでいた。

……グレゴワール様の下を辞して、廊下へ出ると、シルヴェーヌさんは嬉しそうに微笑み、

「ロイク様、私、一生懸命、頑張ります」と俺の手をぎゅ!と握って来たのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

この日の朝食は皆、笑顔だった。

俺は勿論、ジョルジエット様、アメリー様、シルヴェーヌさん、シャルロットさん、トリッシュさん、嫁ズは、全員晴れやかな笑顔である。

騎士達が利用する大食堂では、シルヴェーヌさんの兄バジルさんが、
可愛い妹の幸せを実感し、満面の笑みを浮かべているに違いない。

ジョルジエット様、アメリー様はお約束で、
俺が座った席の両脇に座って「あ~ん」攻撃。

婚約⇒結婚が決まり、朝っぱらから美少女ふたりからの「リア充攻撃」は、
更に激しさを増していた。

先ほどの護身術訓練の際、女子達は簡単な取り決めをしたらしい。
一日中、俺と一緒に居る秘書達は、朝食の際『いちゃ権利』を譲ると。
卒業とか、環境が変わった場合、また再考するとかって話だ。

そしてグレゴワール様は、こちらもお約束。
俺の秘書、シルヴェーヌさん、シャルロットさん、トリッシュさんの、
タイプが全く美女3人に囲まれ、ちやほやされる形で、楽しく食事を摂っていた。

ちらと俺が見やれば、いつもの通り、
グレゴワール様は、娘の婚約が決まった喜びに加え、
照れ笑いという感じで、凄く嬉しそう。

ああ、そういえば、思い出した。
アメリー様のお父上サニエ子爵ともお会いして、
「娘さんを嫁に頂きます。幸せにします」と筋を通しておかなければならない。

寄り親のグレゴワール様が、「話をつけた」と言っていたが、
アメリー様と一緒に、あいさつに行かなければ!

サニエ子爵って……どんな人なんだろう?
アメリー様に似ているのだろうか?

そんな事も考えながら……
朝食は終わった。

この後は、通学するジョルジエット様、アメリー様を見送って、別棟へ戻り、
俺は秘書達とスケジュール相談を行う事にしたのである。
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