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第120話「やっぱりトリッシュさんは、可愛いだけじゃなく、仕事が出来る子だ」
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「お先に失礼致します」
「失礼致します」
『話し合い』が終わり……
俺とトリッシュさんは、一足先に大会議室を出た。
残ったギルドマスター、テオドールさん、エヴラールさん含めサブマスター達は、
何か、打合せを行う雰囲気だった。
俺への対策とか、相談するのかもしれない。
もしくは、せっかく集まったついでに、山積しているギルドの懸案事項に関し、
話し合うのかもしれない。
一方、俺とトリッシュさんも、今後について話をすり合わせておきたい。
という事で、魔導昇降機へ乗り、ふたり一緒に、2階の応接室へ。
応接室へ入ると、向かい合わせになり、それぞれ長椅子に座る。
「「お疲れさまでした!」」
と互いに挨拶した後、トリッシュさんは、いきなり
「すっごく、びっくりしちゃいましたあ!」
と、目をまん丸にして驚いた。
あはは、可愛いなあ。
と思いつつ、
「何がです?」
と俺が尋ねれば、
「ロイク様に決まってますよお」
と言われてしまった。
「え? 俺がですか?」
「はい! これまで、現マスターに対して反論する方なんていませんでしたから!」
「そうなんですか」
「はい! ドラゴンスレイヤーとして、ギルド内でマスターの実績に及ぶ方は居ませんし、マスターのご判断は、ほとんど間違いないですから」
まあ、なあ。
テオドールさんは、傍から見れば、冒険者ギルドの絶対的な権力者だ。
「方針ご決定の際、マスターに、もしもご確信がない場合、サブマスター同士で話し合ってくれというご指示が必ず出ます」
「成る程」
うん、それも人柄同様、俺は良く知っている。
確信がない場合、テオドールさんは強引に自分の意見を通さない。
最終的に判断はするが、他者の意見をじっくりと聞く。
サブマスターを集め、緊急会議を行ったのは、俺へのオファーを独断による、
一方通告にしないという証。
つまり理にかなっていれば、俺の話を聞いてくれるという事。
それを知っているからこそ、言葉を選びつつ、テオドールさんからのオファーを受けなかった。
「そして、そのマスターが、簡単に折れたというのもびっくりです」
「はい、マスターへ申し上げた通り、俺には先に契約した得意先があります。ちゃんと筋を通さないと、不義理となります」
俺がそう言うと、トリッシュさんは、声を潜め言う。
「私、個人の推測に過ぎませんが、マスターは、ロイク様をお試しになったのかもしれませんね」
「え? 俺を試した……のですか?」
「はい、先日ギルドの調査部が、ロイク様の取引先の調査確認を行いました。なので、マスターは承知の上で、サブマスター就任のオファーを出されたと思います」
「承知の上?」
「はい、ロイク様が誠実な方か、どうかを計った可能性もあります」
そうか。
俺は試されたのか?
現在の状況が想定内?
さすが、テオドールさんは人生の大先輩。
小僧の俺よりもはるかに『うわて』だ。
そして、目の前に居るトリッシュさんも、俺の雇用主を把握しているという事。
成る程。
であれば、詳しい内容を告げずとも、話は早い。
「私達が退出した後、マスターは、サブマスター達と打合せを持ち、ロイク様へのオファーの内容を変えられる可能性はあると思います」
「俺に対しての、オファーの内容を変えるのですか?」
「はい、どのように変わるか、内容は軽々しく申し上げられませんが、多分、融通がきくようにと」
トリッシュさんは、俺が落としどころを用意したように、
ギルドも特例として、『折衷案』を出す可能性を示唆した。
そうか。
もしかしたら、名誉職的なサブマスターにするとか、そんなものか。
つらつらと考えていたら、トリッシュさんの表情が少し曇る。
「一番最悪なケースは、交渉が決裂し、ロイク様が冒険者登録を抹消。当ギルドと、たもとを分かつというものです。それは絶対避けたいはずですから」
「ドラゴンスレイヤーになった俺と、冒険者ギルドは、つながりを断ち切りたくないと考えているのは間違いありません」と、トリッシュさんは、言う。
「私も同じです」
「え? トリッシュさんも同じ?」
「はい、こうなったのもご縁ですし、もしも専任秘書にならずとも、ロイク様とはもっと仕事をしたいと、私は思いますし」
おお、嬉しい事を言ってくれる。
その他にもいくつか話をし、トリッシュさんは、ギルドからのオファーをまとめた公式の書類を渡してくれた。
これを得意先へ見せて構わないと言う。
よし、これをルナール商会、グレゴワール様へ見せて、相談すれば良い。
果たして、セドリック会頭とグレゴワール様は、どのような反応をするだろうか。
「では、得意先と話をした上で、トリッシュさんと話をしますね」
「はい! 当ギルドと致しましては、ロイク様にサブマスター就任を強要しないと、必ず、お取引様へお伝えくださいませ」
ああ、トリッシュさん。
ルナール商会やグレゴワール様が、ギルドに対し、不快感を持つ事を懸念して、
気配りをしたのか。
いろいろ話をして、改めて認識した。
やっぱりトリッシュさんは、可愛いだけじゃなく、仕事が出来る子だ。
「了解です」
こうして……打合せを修了。
俺は冒険者ギルドを辞去したのである。
「失礼致します」
『話し合い』が終わり……
俺とトリッシュさんは、一足先に大会議室を出た。
残ったギルドマスター、テオドールさん、エヴラールさん含めサブマスター達は、
何か、打合せを行う雰囲気だった。
俺への対策とか、相談するのかもしれない。
もしくは、せっかく集まったついでに、山積しているギルドの懸案事項に関し、
話し合うのかもしれない。
一方、俺とトリッシュさんも、今後について話をすり合わせておきたい。
という事で、魔導昇降機へ乗り、ふたり一緒に、2階の応接室へ。
応接室へ入ると、向かい合わせになり、それぞれ長椅子に座る。
「「お疲れさまでした!」」
と互いに挨拶した後、トリッシュさんは、いきなり
「すっごく、びっくりしちゃいましたあ!」
と、目をまん丸にして驚いた。
あはは、可愛いなあ。
と思いつつ、
「何がです?」
と俺が尋ねれば、
「ロイク様に決まってますよお」
と言われてしまった。
「え? 俺がですか?」
「はい! これまで、現マスターに対して反論する方なんていませんでしたから!」
「そうなんですか」
「はい! ドラゴンスレイヤーとして、ギルド内でマスターの実績に及ぶ方は居ませんし、マスターのご判断は、ほとんど間違いないですから」
まあ、なあ。
テオドールさんは、傍から見れば、冒険者ギルドの絶対的な権力者だ。
「方針ご決定の際、マスターに、もしもご確信がない場合、サブマスター同士で話し合ってくれというご指示が必ず出ます」
「成る程」
うん、それも人柄同様、俺は良く知っている。
確信がない場合、テオドールさんは強引に自分の意見を通さない。
最終的に判断はするが、他者の意見をじっくりと聞く。
サブマスターを集め、緊急会議を行ったのは、俺へのオファーを独断による、
一方通告にしないという証。
つまり理にかなっていれば、俺の話を聞いてくれるという事。
それを知っているからこそ、言葉を選びつつ、テオドールさんからのオファーを受けなかった。
「そして、そのマスターが、簡単に折れたというのもびっくりです」
「はい、マスターへ申し上げた通り、俺には先に契約した得意先があります。ちゃんと筋を通さないと、不義理となります」
俺がそう言うと、トリッシュさんは、声を潜め言う。
「私、個人の推測に過ぎませんが、マスターは、ロイク様をお試しになったのかもしれませんね」
「え? 俺を試した……のですか?」
「はい、先日ギルドの調査部が、ロイク様の取引先の調査確認を行いました。なので、マスターは承知の上で、サブマスター就任のオファーを出されたと思います」
「承知の上?」
「はい、ロイク様が誠実な方か、どうかを計った可能性もあります」
そうか。
俺は試されたのか?
現在の状況が想定内?
さすが、テオドールさんは人生の大先輩。
小僧の俺よりもはるかに『うわて』だ。
そして、目の前に居るトリッシュさんも、俺の雇用主を把握しているという事。
成る程。
であれば、詳しい内容を告げずとも、話は早い。
「私達が退出した後、マスターは、サブマスター達と打合せを持ち、ロイク様へのオファーの内容を変えられる可能性はあると思います」
「俺に対しての、オファーの内容を変えるのですか?」
「はい、どのように変わるか、内容は軽々しく申し上げられませんが、多分、融通がきくようにと」
トリッシュさんは、俺が落としどころを用意したように、
ギルドも特例として、『折衷案』を出す可能性を示唆した。
そうか。
もしかしたら、名誉職的なサブマスターにするとか、そんなものか。
つらつらと考えていたら、トリッシュさんの表情が少し曇る。
「一番最悪なケースは、交渉が決裂し、ロイク様が冒険者登録を抹消。当ギルドと、たもとを分かつというものです。それは絶対避けたいはずですから」
「ドラゴンスレイヤーになった俺と、冒険者ギルドは、つながりを断ち切りたくないと考えているのは間違いありません」と、トリッシュさんは、言う。
「私も同じです」
「え? トリッシュさんも同じ?」
「はい、こうなったのもご縁ですし、もしも専任秘書にならずとも、ロイク様とはもっと仕事をしたいと、私は思いますし」
おお、嬉しい事を言ってくれる。
その他にもいくつか話をし、トリッシュさんは、ギルドからのオファーをまとめた公式の書類を渡してくれた。
これを得意先へ見せて構わないと言う。
よし、これをルナール商会、グレゴワール様へ見せて、相談すれば良い。
果たして、セドリック会頭とグレゴワール様は、どのような反応をするだろうか。
「では、得意先と話をした上で、トリッシュさんと話をしますね」
「はい! 当ギルドと致しましては、ロイク様にサブマスター就任を強要しないと、必ず、お取引様へお伝えくださいませ」
ああ、トリッシュさん。
ルナール商会やグレゴワール様が、ギルドに対し、不快感を持つ事を懸念して、
気配りをしたのか。
いろいろ話をして、改めて認識した。
やっぱりトリッシュさんは、可愛いだけじゃなく、仕事が出来る子だ。
「了解です」
こうして……打合せを修了。
俺は冒険者ギルドを辞去したのである。
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