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第77話「女子は買い物好き④」
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ダンは淡々と、エリンとニーナは大はしゃぎしながら。
……結構な時間を掛けて、買い物は終了した。
自分達の必要な分に加えて、頼まれたアルバート達の分もあるから、考えられないくらい大量である。
中規模の商隊を頼んで、運ばなければいけない量に匹敵するだろう。
ここで、エリンとニーナは吃驚する。
ダンは購入したものをメモすると、例の魔法のバッグへ、次々と放り込んでいたからだ。
ダンのカバンは凄すぎると改めてニーナは思ったが、ハッとした。
とても重大な事に、気付いたからである。
ニーナは慌てて言う。
「ダンさん、お金は? 買った商品のお金は払わないのですか?」
「そうだよ、ダン、お金は?」
エリンも様々な経験をして、お金の存在をはっきりと認識していた。
ダンから教えて貰ったお金の意味——お金とは品物と労働を仲介するもの。
ニーナと市場で買い物をして、実際に体験して学習したのである。
そしてお金を得るためには、仕事をして働かなくてはいけない事も理解したのだ。
ダンは、王家から仕事を命じられてやりとげた。
金貨5千枚を貰った。
エリンには良く分からないが……
今朝の市場の商品に、付けられた価格を鑑みればとんでもない大金だと思う。
しかし、あのとてつもなく強いアスモデウスを倒したのだ。
逆に、見合う対価だとも思った。
そしてエリン自身、昨夜はニーナと一緒に英雄亭で働いた。
酔客相手に、給仕をしたのだ。
正直、結構大変だった。
口説かれたり、身体を触られそうになったり。
仕事が終わってから、モーリスはエリンへお金をくれた。
賃金だと言って、銀貨5枚をくれたのである。
エリンは一生懸命やったが、ダンが稼いだ金貨5千枚よりずっと少なかった。
やっぱり、お金を稼ぐのは大変だとも思ったのだ。
お金を代価としなければ、品物は手に入らないのに?
元々、ダンはそのように教えてくれたのに?
エリンは、本気で心配した。
同じように、ニーナも心配しているのが気配で伝わって来る。
しかし不安そうなエリンとニーナの質問には「後で答える」と言うだけ。
相変わらずお金を払わないまま、ダンは品物をどんどんバッグへ入れている。
やっと作業が完了すると、ダンは大きく息を吐く。
買い物が、無事終わった安堵感だろう。
「とりあえず当面必要なものは買ったな……よし! じゃあ、お前達に説明するぞ。ここは俺のツケがきく店なのさ。買った分をこうしてメモしてさっき案内してくれた店員へ渡すんだ」
「ツケ?」
エリンは、わけが分からない。
またダンから、知らない言葉が出て来たからである。
しかしニーナは、居酒屋《ビストロ》の店員だから、『ツケ』は当然知っている。
英雄亭では、一切受けつけてはいなかったが。
?マークを飛ばすエリンへ、ニーナが補足説明する。
「エリン姉、ツケとはツケ払いの事ですよ。この場ですぐ払わないで、後でまとめて払う事ですね」
ニーナの説明は、簡潔で分かりやすかった。
エリンは礼を言い、可愛い『妹』を称える。
「ありがとう! さすがニーナだ。成る程だねぇ」
エリンとニーナのやりとりを、微笑ましく見守っていたダンは説明を続ける。
「この商会のトップである会頭と、さっき案内してくれた店員は俺の素性を少しだけ知っている。フィリップ様から、特別な指示を受けているからだ」
「そうなんだ! 納得!」
ダンは特別な買い物をする客だと、王家からこの商会へ指示が出ている。
だから、商会は便宜をはかっているのだ。
エリンはそう理解した。
しかし、ダンの素性を完全に理解していないニーナは、いまいち話が見えない。
「え? フィリップ様? う~ん、どこかで聞いた事のあるような……」
まさかダンが、王家と繋がりがあるとは知らず、首を傾げるニーナ。
そこでダンは、「しれっ」と教えてやる。
「そりゃ聞いた事があるだろう、フィリップ殿下の事だよ。ほら、国王の弟でこの国の宰相さ」
「へ!? ええええっ!? あわわわ、さ、宰相様が!? ダンさんへ! ななな、何でですか?」
案の定、ニーナは吃驚してしまった。
これ以上、大きな声を出さないよう、慌てて口を手で押さえている。
「ニーナ、詳しい事は家で話すけど俺は王家から仕事を請け負っている」
「ふわぅ! ダンさんが王家から!? 仕事を!」
「ああ、事情もあって、俺は一般の店では内容や量も含めて思うように買い物が出来ない。だから殿下は、この店でツケ払いが出来るようにしてくれたんだ」
エリンは、ダンの説明を聞いて頷いた。
やっぱり、考えた通りである。
片や、ニーナはまだ驚きが抜けず、唸りっ放しだ。
「ううううう」
「さっきエリンと受け取りに行ったが……請け負った仕事の報酬は、王宮魔法使い経由で支払われる。その際、買い物をしていたら、その分が差っ引かれるのさ。……こんな説明だけど分かったかな?」
とりあえず、納得するしかない。
詳しい話は、家でゆっくり聞けば良い。
ニーナは、仕方なく頷く。
「あうう、わ、分かりましたぁ」
「うん、成る程、エリンも分かった。後から払うだけで、お金が要らないわけじゃあないんだね」
ツケ払いの意味を、理解したエリンも大きく頷いていた。
ダンが、つい「ぽろっ」と言う。
「その通り。今回は金貨5千枚フルに貰えたな。次に報酬を貰う時は、今回した買い物分が結構引かれるだろう」
金貨5千枚!!!
王都で、大きな屋敷が買えるお金ではないか!
ニーナは、頭が「くらくら」して来た。
とても、現実的な金額ではない。
「ききき、金貨5千枚!?」
「うん、俺は毎回命かけて仕事しているから……見合う額を貰っているよ」
「あうあうあう」
「うふふ、ニーナ。ダンにはいつもビックリさせられるよ。でも大丈夫、ちゃんと説明してくれるから」
先輩嫁エリンの、ナイスフォロー!
ニーナはやっと、気持ちが落ち着いて来る。
「は、はい! 分かりました」
「それにフィリップ様は、相当しっかりしていらっしゃるよ」
「へぇ! フィリップ様がどう、しっかりされているのですか?」
この国の宰相に対して、何というフレンドリーな言い方!
ニーナは呆れるとともに、つい知りたくなる。
ダンの言う『意味』を、である。
「ああ、俺へ支払われるのは当然王家の金だ。この商会は売り上げに応じて王家へきっちりと税金を払っている。殿下はここで俺にたくさん買い物させて、多額の税金で還元させているのさ」
「ななな、成る程!」
事実ならば、確かにフィリップはしっかりしている。
ダンに支払ったお金が、商会より納める税金という形で、また王家へと戻って来るからだ。
ニーナが納得すると、またエリンの声が大きく響く。
「ダン、税金って何?」
好奇心旺盛なダークエルフの姫は、どんどん新しい事を知りたくて、菫色の瞳をキラキラさせていたのであった。
……結構な時間を掛けて、買い物は終了した。
自分達の必要な分に加えて、頼まれたアルバート達の分もあるから、考えられないくらい大量である。
中規模の商隊を頼んで、運ばなければいけない量に匹敵するだろう。
ここで、エリンとニーナは吃驚する。
ダンは購入したものをメモすると、例の魔法のバッグへ、次々と放り込んでいたからだ。
ダンのカバンは凄すぎると改めてニーナは思ったが、ハッとした。
とても重大な事に、気付いたからである。
ニーナは慌てて言う。
「ダンさん、お金は? 買った商品のお金は払わないのですか?」
「そうだよ、ダン、お金は?」
エリンも様々な経験をして、お金の存在をはっきりと認識していた。
ダンから教えて貰ったお金の意味——お金とは品物と労働を仲介するもの。
ニーナと市場で買い物をして、実際に体験して学習したのである。
そしてお金を得るためには、仕事をして働かなくてはいけない事も理解したのだ。
ダンは、王家から仕事を命じられてやりとげた。
金貨5千枚を貰った。
エリンには良く分からないが……
今朝の市場の商品に、付けられた価格を鑑みればとんでもない大金だと思う。
しかし、あのとてつもなく強いアスモデウスを倒したのだ。
逆に、見合う対価だとも思った。
そしてエリン自身、昨夜はニーナと一緒に英雄亭で働いた。
酔客相手に、給仕をしたのだ。
正直、結構大変だった。
口説かれたり、身体を触られそうになったり。
仕事が終わってから、モーリスはエリンへお金をくれた。
賃金だと言って、銀貨5枚をくれたのである。
エリンは一生懸命やったが、ダンが稼いだ金貨5千枚よりずっと少なかった。
やっぱり、お金を稼ぐのは大変だとも思ったのだ。
お金を代価としなければ、品物は手に入らないのに?
元々、ダンはそのように教えてくれたのに?
エリンは、本気で心配した。
同じように、ニーナも心配しているのが気配で伝わって来る。
しかし不安そうなエリンとニーナの質問には「後で答える」と言うだけ。
相変わらずお金を払わないまま、ダンは品物をどんどんバッグへ入れている。
やっと作業が完了すると、ダンは大きく息を吐く。
買い物が、無事終わった安堵感だろう。
「とりあえず当面必要なものは買ったな……よし! じゃあ、お前達に説明するぞ。ここは俺のツケがきく店なのさ。買った分をこうしてメモしてさっき案内してくれた店員へ渡すんだ」
「ツケ?」
エリンは、わけが分からない。
またダンから、知らない言葉が出て来たからである。
しかしニーナは、居酒屋《ビストロ》の店員だから、『ツケ』は当然知っている。
英雄亭では、一切受けつけてはいなかったが。
?マークを飛ばすエリンへ、ニーナが補足説明する。
「エリン姉、ツケとはツケ払いの事ですよ。この場ですぐ払わないで、後でまとめて払う事ですね」
ニーナの説明は、簡潔で分かりやすかった。
エリンは礼を言い、可愛い『妹』を称える。
「ありがとう! さすがニーナだ。成る程だねぇ」
エリンとニーナのやりとりを、微笑ましく見守っていたダンは説明を続ける。
「この商会のトップである会頭と、さっき案内してくれた店員は俺の素性を少しだけ知っている。フィリップ様から、特別な指示を受けているからだ」
「そうなんだ! 納得!」
ダンは特別な買い物をする客だと、王家からこの商会へ指示が出ている。
だから、商会は便宜をはかっているのだ。
エリンはそう理解した。
しかし、ダンの素性を完全に理解していないニーナは、いまいち話が見えない。
「え? フィリップ様? う~ん、どこかで聞いた事のあるような……」
まさかダンが、王家と繋がりがあるとは知らず、首を傾げるニーナ。
そこでダンは、「しれっ」と教えてやる。
「そりゃ聞いた事があるだろう、フィリップ殿下の事だよ。ほら、国王の弟でこの国の宰相さ」
「へ!? ええええっ!? あわわわ、さ、宰相様が!? ダンさんへ! ななな、何でですか?」
案の定、ニーナは吃驚してしまった。
これ以上、大きな声を出さないよう、慌てて口を手で押さえている。
「ニーナ、詳しい事は家で話すけど俺は王家から仕事を請け負っている」
「ふわぅ! ダンさんが王家から!? 仕事を!」
「ああ、事情もあって、俺は一般の店では内容や量も含めて思うように買い物が出来ない。だから殿下は、この店でツケ払いが出来るようにしてくれたんだ」
エリンは、ダンの説明を聞いて頷いた。
やっぱり、考えた通りである。
片や、ニーナはまだ驚きが抜けず、唸りっ放しだ。
「ううううう」
「さっきエリンと受け取りに行ったが……請け負った仕事の報酬は、王宮魔法使い経由で支払われる。その際、買い物をしていたら、その分が差っ引かれるのさ。……こんな説明だけど分かったかな?」
とりあえず、納得するしかない。
詳しい話は、家でゆっくり聞けば良い。
ニーナは、仕方なく頷く。
「あうう、わ、分かりましたぁ」
「うん、成る程、エリンも分かった。後から払うだけで、お金が要らないわけじゃあないんだね」
ツケ払いの意味を、理解したエリンも大きく頷いていた。
ダンが、つい「ぽろっ」と言う。
「その通り。今回は金貨5千枚フルに貰えたな。次に報酬を貰う時は、今回した買い物分が結構引かれるだろう」
金貨5千枚!!!
王都で、大きな屋敷が買えるお金ではないか!
ニーナは、頭が「くらくら」して来た。
とても、現実的な金額ではない。
「ききき、金貨5千枚!?」
「うん、俺は毎回命かけて仕事しているから……見合う額を貰っているよ」
「あうあうあう」
「うふふ、ニーナ。ダンにはいつもビックリさせられるよ。でも大丈夫、ちゃんと説明してくれるから」
先輩嫁エリンの、ナイスフォロー!
ニーナはやっと、気持ちが落ち着いて来る。
「は、はい! 分かりました」
「それにフィリップ様は、相当しっかりしていらっしゃるよ」
「へぇ! フィリップ様がどう、しっかりされているのですか?」
この国の宰相に対して、何というフレンドリーな言い方!
ニーナは呆れるとともに、つい知りたくなる。
ダンの言う『意味』を、である。
「ああ、俺へ支払われるのは当然王家の金だ。この商会は売り上げに応じて王家へきっちりと税金を払っている。殿下はここで俺にたくさん買い物させて、多額の税金で還元させているのさ」
「ななな、成る程!」
事実ならば、確かにフィリップはしっかりしている。
ダンに支払ったお金が、商会より納める税金という形で、また王家へと戻って来るからだ。
ニーナが納得すると、またエリンの声が大きく響く。
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