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第508話「我が主《あるじ》よ! 貴方は、偉大なサムライマスターだあ!!」

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『ははははは、我は、あるじへ嘘は言わん。そんな事より、早くヒュドラとの戦いに臨もうではないか!』

リオネルの言葉を聞き、ムラマサは戦いの開始を、熱く熱く促した。

ムラマサの言葉をきき、リオネルは「ふっ」と笑う。

『了解! じゃあ、さっき言った作戦通り、いっちょ、戦おうか』

『うむ! いつ始めても構わんぞ!』

初見で戦った時は、ヒュドラの首の数だけ、9発の魔法『風斬』を放って、全ての首を斬り落とし、次にスキルを『フリーズハイレベル補正プラス60!』を行使した。

更にすぐ首が再生しないよう『炎弾! ムービング攻撃魔法!』を行使。
傷口を焼いた。

最後は、破邪聖煌拳はじゃせいこうけん奥義、破魂拳はこんけんに、

スキル『貫通撃!!』の魔力を込める『破魂貫通撃』を、思い切り『極大レベル』で放ったのだ。

この段階を踏んだ作戦は大成功。
再生中のヒュドラは魂を破壊され、塵となったのである。

今回も、基本的には初めて戦った時と同じ戦法だ。

しかし、前回と違って、武器は破邪の魔力を持つムラマサ。

リオネルは思い切り攻撃を簡略化しようと決めた。

一本の首へ対し、たった一度の斬撃でヒュドラを倒す事を目論んだのである。

話がやたら長くなったが、やることは簡単、シンプルである。

リオネルはまず、ティエラ直伝、地の最高位魔法『大地の束縛』を行使。
『フリーズハイレベル補正プラス60!』よりも効力も拘束時間も遥かに長い魔法で、ヒュドラを拘束した。

見えない大地の手が、首を! そして全身を! がっちりつかむが如く、
ヒュドラは動けなくなる。

『よし! 地の最高位魔法『大地の束縛』これでヒュドラは動けない!』

『ふむ! 凄い魔法だ!』 

ここで、しゅば!と、リオネルはムラマサを抜いた。

『ムラマサ! お前へ火属性の魔力を込めるぞ! お前も、破邪の魔力を最大限に発してくれ!』

『分かった!』

『行くぞ、ムラマサ!』

『おう!』

ひゅんんんんっっ!!!

魔法で動けなくなったヒュドラへ、飛翔魔法で飛び、肉薄した。

そして、火属性の魔力を宿したムラマサで、電光の如く!
9本の首を、次々に斬り落とすと、同時にその傷口を焼いたのである。

しゅばばばっっ!!!!! ずばああっっっっ!!!!! じゅわわっ!

しゅばばばっっ!!!!! ずばああっっっっ!!!!! じゅわわっ!

しゅばばばっっ!!!!! ずばああっっっっ!!!!! じゅわわっ!

冒険者ギルド総本部のサブマスター、剣聖ブレーズ・シャリエが見せた、
東方の技『居合』の鋭さの如く!

都合9回の斬撃……9本全ての首を斬り落とし、

ちん! と、リオネルがムラマサを、さやに納めた瞬間。

ぼっしゅううううっっっっ!!!!!

『不死化』状態となっていた再生中のヒュドラは、
ムラマサに宿る破邪の魔力により、魂を破壊された。

それゆえ再生不可能、細かな塵となり、消失していたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

9本の首を持つ巨大な竜、ヒュドラがあっさりと消失。

ムラマサは興奮を隠せない。

『おおおおおっっっ!!!! やったああっっっ!!!! やったぞおおっっ!!!!』

……無理もない。

ヤマト皇国では、伝説の魔物ヤマタノオロチに等しい巨大竜ヒュドラを、
あるじリオネルと自分の連携技で、あっという間に瞬殺したのだから。

否!
猛毒、瘴気を武器とし、加えて不死の分、
ヒュドラはヤマタノオロチよりも数段上の強敵!

そう思うと尚更誇らしく、ムラマサの達成感は半端ではなかった。

そして、リオネルが見せた凄まじい剣技。

我流、自己流、良いとこ取りなど、とんでもない!

リオネルが見せた剣技は充分、超一流の域へ達している。

『す、凄い! 凄いぞ! リオネル! い、いや! リオネル様! 我があるじよ! 貴方は、偉大なサムライマスターだあ!!』

ムラマサが、リオネルを称え、主としてしっかり認めた瞬間。

リオネルの心の中で、あの独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、
内なる声が淡々と告げて来る。

チャララララ、パッパー!!!

リオネル・ロートレックは、レベル43に到達しました。

チートスキル『エヴォリューシオ』の効果により、

身体能力、五感が全般的に大幅アップしました。

体内魔力が大幅に増量しました。

魔力回復力が大幅にアップしました。

魔法攻撃力が大幅にアップしました。

物理攻撃力が大幅にアップしました。

対魔法防御力が大幅にアップしました。

対物理防御力が大幅にアップしました。

チートスキル『エヴォリューシオ』の効果により、

対不死者魔法アンチアンデッドマジック剣技、
破魂剣はこんけん』を習得しました。

剣技スキル熟練度が大幅にアップしました。
特異スキル『サムライマスター』を習得しました。

内なる声を聞き終わり、

『ムラマサ、ご苦労様。こちらこそ、ありがとう。俺、また一段、階段を上がったから』

リオネルはムラマサをいたわりつつ、柔らかく微笑んでいたのである。
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