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第488話「伝承のみが、ひとり歩きするフォルミーカ迷宮の最深層というのが、 冒険者の間では、常識なのだ」
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リオネルは、更にレベルを『36』とし、地下130階層の探索をも終わらせた。
明るさは全く変わらないが、『今夜』はこの130階層でキャンプを張る事となる。
「地下126階層から130階層まで5フロアをクリアし、結果レベル33から一気に3つもアップで、レベル36かあ。当面の目標レベル40まで、マジック4。今日は本当に頑張ったなあ……1日の探索エリア、そしてレベルアップの新記録だ!」
しみじみと言うリオネル。
自分でも良くやったと思う。
のべにしたら、とんでもなく広大なエリアを縦横無尽に駆け、飛翔し、転移。
数多のドラゴン、竜族、巨人族と戦った。
まだ不死化した竜族を葬送魔法で無に帰し、
汚染された地域の瘴気の消去、浄化も、もはやお手のものとなっている。
「さすが、フォルミーカ迷宮の深層だ。数か月から年単位の冒険が、たった1日で経験可能なんだ。濃いなあ! 凄いや!」
もしも誰かがこの場に居たら、凄いのはフォルミーカ迷宮の深層ではなく、
底知れぬ実力を持つ上、まだまだ発展途上であるリオネルの方だ!
と思い切り、突っ込みを入れたくなるに違いない。
しかし、本日リオネルとともに探索した仲間達、
冥界の魔獣ケルベロス、火の精霊サラマンダーに擬態した火竜ファイアドレイク、
1mの鷹に擬態した鳥の王ジズ、妖精ピクシーのジャン、コブラ蛇のような魔獣アスプ20体は食事を貰った後、休憩に入り……
交代した、ケルベルスの弟魔獣オルトロス、
ミニマム竜に擬態したフロストドレイク、
入れ替わった新規の魔獣アスプ20体は、ウォーミングアップがてら、
周囲の偵察、警戒にあたり……巡回からまもなく戻って来るはずだ。
という事で現在、リオネルはたったひとりきり。
いつもの通り、ぴったりの空き地を見つけ、キャンプの設営を終え、
巡回組と自分の食事の支度をしている。
作業をしながら、ふっと思い起こす。
「そうだ! これらの階層って、雨はいつ降るんだろ?」
素朴な疑問を持つリオネル。
こんなに水がたっぷりあるのに、木々が生い茂っているのに、
探索中、キャンプ中ともども、雨が降ったのを見た事がない。
リオネルはしばし、独り言で自問自答する。
「ワレバットの図書館で読んだどこかの国みたいに、雨季、乾季とかがあるんだろうか?」
「魔法で降雨させるとか? ピンポイントで、雨が必要な場所へ正確に降らせたりしてね」
「全ての天候を司る、高貴なる4界王のおひとり、空気界王オリエンス様なら、雨を降らせるのは楽勝かもなあ」
そうこうしているうちに、オルトロス、ファイアドレイク、アスプ達が戻って来た。
リオネルは、用意していた食事を彼らへふるまい、その後、明日の打合せをしたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
翌朝も早めに起床。
リオネルが立てた今日の目標は、
地下131階層へ降り、131階層を抜け、135階層クリアまで、
5階層クリアを目指す。
このまま順調に行けば、後3日もしくは4日で、人間族が到達したという、
フォルミーカ迷宮の最下層地下150階層へ到達する。
ようやく仮の最下層到達が見えて来た。
300階層の全体から見れば、ようやく半分なのだが、
人間族の冒険者にとっては、限られた者しか成し遂げてはいない、
大いなる偉業なのである。
ちなみに、この地下150階層は謎めいたフロアであり、魔物が全く出現しない。
安全でひと息つけるフロアでもある。
様相も121階層から149階層とは一変。
浅い上層のように、無骨な石が積まれた造りの、
いかにも『迷宮』という趣きとなる。
そして気になる地下151階層への道筋であるが……これがまた高難度である。
ぱっと見、151階層への階段、通路は存在しない。
そう、地下151階層以降へ赴くには、
フロアに数か所あると言われる隠し通路しかないのだ。
……この隠し通路を開くには、魔力の鍵が必要だとか、
合言葉を唱えるとか、様々な事が言われているが、はっきりしない。
迷宮の先へ行きたい! 最下層300階へ行きたい!
謎を解いて名を上げたい!
数多の人間族冒険者が、隠し通路の謎に挑み、敗れ去った。
これまでに謎を解き、先へ進んだのは、
人間族以外の異種族数名のみだと言われている。
その異種族は名前も判明せず、エルフことアールヴ族、ドワーフことドヴェルグ族だとも言われているが、はっきりしない。
また噂では、151階層より先は、失われた古代帝国の遺跡だとも言われているが、定かではない。
フォルミーカ迷宮の真の姿を見た者は誰も居ない。
伝承のみが、ひとり歩きするフォルミーカ迷宮の最深層というのが、
冒険者の間では、常識なのだ。
俺は地下150階層の謎を解き、先へ進めるだろうか?
リオネルが冒険者ギルドフォルミーカ支部から受諾している依頼は、
地下151階層から地下300階層の地図作成。
無期限、ノルマなし、未遂でも罰則はなしという条件である。
なので、未遂へのプレッシャーは全くない。
まずは、地下150階層到達だな!
気合を入れ直したリオネルは、軽快に進んで行ったのである。
明るさは全く変わらないが、『今夜』はこの130階層でキャンプを張る事となる。
「地下126階層から130階層まで5フロアをクリアし、結果レベル33から一気に3つもアップで、レベル36かあ。当面の目標レベル40まで、マジック4。今日は本当に頑張ったなあ……1日の探索エリア、そしてレベルアップの新記録だ!」
しみじみと言うリオネル。
自分でも良くやったと思う。
のべにしたら、とんでもなく広大なエリアを縦横無尽に駆け、飛翔し、転移。
数多のドラゴン、竜族、巨人族と戦った。
まだ不死化した竜族を葬送魔法で無に帰し、
汚染された地域の瘴気の消去、浄化も、もはやお手のものとなっている。
「さすが、フォルミーカ迷宮の深層だ。数か月から年単位の冒険が、たった1日で経験可能なんだ。濃いなあ! 凄いや!」
もしも誰かがこの場に居たら、凄いのはフォルミーカ迷宮の深層ではなく、
底知れぬ実力を持つ上、まだまだ発展途上であるリオネルの方だ!
と思い切り、突っ込みを入れたくなるに違いない。
しかし、本日リオネルとともに探索した仲間達、
冥界の魔獣ケルベロス、火の精霊サラマンダーに擬態した火竜ファイアドレイク、
1mの鷹に擬態した鳥の王ジズ、妖精ピクシーのジャン、コブラ蛇のような魔獣アスプ20体は食事を貰った後、休憩に入り……
交代した、ケルベルスの弟魔獣オルトロス、
ミニマム竜に擬態したフロストドレイク、
入れ替わった新規の魔獣アスプ20体は、ウォーミングアップがてら、
周囲の偵察、警戒にあたり……巡回からまもなく戻って来るはずだ。
という事で現在、リオネルはたったひとりきり。
いつもの通り、ぴったりの空き地を見つけ、キャンプの設営を終え、
巡回組と自分の食事の支度をしている。
作業をしながら、ふっと思い起こす。
「そうだ! これらの階層って、雨はいつ降るんだろ?」
素朴な疑問を持つリオネル。
こんなに水がたっぷりあるのに、木々が生い茂っているのに、
探索中、キャンプ中ともども、雨が降ったのを見た事がない。
リオネルはしばし、独り言で自問自答する。
「ワレバットの図書館で読んだどこかの国みたいに、雨季、乾季とかがあるんだろうか?」
「魔法で降雨させるとか? ピンポイントで、雨が必要な場所へ正確に降らせたりしてね」
「全ての天候を司る、高貴なる4界王のおひとり、空気界王オリエンス様なら、雨を降らせるのは楽勝かもなあ」
そうこうしているうちに、オルトロス、ファイアドレイク、アスプ達が戻って来た。
リオネルは、用意していた食事を彼らへふるまい、その後、明日の打合せをしたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
翌朝も早めに起床。
リオネルが立てた今日の目標は、
地下131階層へ降り、131階層を抜け、135階層クリアまで、
5階層クリアを目指す。
このまま順調に行けば、後3日もしくは4日で、人間族が到達したという、
フォルミーカ迷宮の最下層地下150階層へ到達する。
ようやく仮の最下層到達が見えて来た。
300階層の全体から見れば、ようやく半分なのだが、
人間族の冒険者にとっては、限られた者しか成し遂げてはいない、
大いなる偉業なのである。
ちなみに、この地下150階層は謎めいたフロアであり、魔物が全く出現しない。
安全でひと息つけるフロアでもある。
様相も121階層から149階層とは一変。
浅い上層のように、無骨な石が積まれた造りの、
いかにも『迷宮』という趣きとなる。
そして気になる地下151階層への道筋であるが……これがまた高難度である。
ぱっと見、151階層への階段、通路は存在しない。
そう、地下151階層以降へ赴くには、
フロアに数か所あると言われる隠し通路しかないのだ。
……この隠し通路を開くには、魔力の鍵が必要だとか、
合言葉を唱えるとか、様々な事が言われているが、はっきりしない。
迷宮の先へ行きたい! 最下層300階へ行きたい!
謎を解いて名を上げたい!
数多の人間族冒険者が、隠し通路の謎に挑み、敗れ去った。
これまでに謎を解き、先へ進んだのは、
人間族以外の異種族数名のみだと言われている。
その異種族は名前も判明せず、エルフことアールヴ族、ドワーフことドヴェルグ族だとも言われているが、はっきりしない。
また噂では、151階層より先は、失われた古代帝国の遺跡だとも言われているが、定かではない。
フォルミーカ迷宮の真の姿を見た者は誰も居ない。
伝承のみが、ひとり歩きするフォルミーカ迷宮の最深層というのが、
冒険者の間では、常識なのだ。
俺は地下150階層の謎を解き、先へ進めるだろうか?
リオネルが冒険者ギルドフォルミーカ支部から受諾している依頼は、
地下151階層から地下300階層の地図作成。
無期限、ノルマなし、未遂でも罰則はなしという条件である。
なので、未遂へのプレッシャーは全くない。
まずは、地下150階層到達だな!
気合を入れ直したリオネルは、軽快に進んで行ったのである。
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