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第471話「自分が戦うだけでなく、仲間達に任せる事も大事」

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地下122階層において、飛竜ワイバーン5体を倒したリオネルと仲間達。

倒され密林へ落ちた死骸を、不死アンデッド化防止の為、
葬送魔法で塵にし、更に探索を続ける。

しかし、ワイバーンの襲撃はこれで終わらなかった。

崖を降りたリオネル達に、3体のワイバーンが、再び襲って来たのである。

距離は約1,500m。
高さは地上から50m。
方角は西方。

まず索敵……リオネルの魔力感知がはっきりと捉え、
ワイバーンが放つ気配で、ケルベロス達もすぐに気づいた。

一度ある事は二度ある事は多い。
そして、二度あることは三度あると格言でもいう。

……再びワイバーンの襲撃があろうかと、考えていたリオネルはすぐに指示を出す。

『皆! ワイバーンの襲撃だ! 3体現れた! 各自適材適所で配置し、指示をするぞ!』

対して、仲間達は『了解!』の言葉を、もしくは波動を送って来た。

頷いたリオネルは、指示を続ける。

まずは、陸戦兵器たる魔獣兄弟ケルベロス、オルトロス、
同じく陸戦兵器たるコブラ蛇のような魔獣アスプへ、

『ケルベロス、オルトロスはその場から、ワイバーンを咆哮で威嚇! 麻痺に至らない、手加減をしたレベルでワイバーンを驚かせ、かく乱しろ! アスプ10体はそのまま待機!』

続いて、飛翔組、火の精霊サラマンダーに擬態した火竜ファイアドレイク、
1mの鷹に擬態した鳥の王ジズへ、

『ワイバーンと実戦を交えるのは、ファイアドレイク! ジズだ! 火と風の魔法を上手く使え! 但し! 密林の延焼には注意だ!』

今回は、前もって心構えをしておいたので、対応に余裕がある。

リオネルはまず、ファイアドレイク、ジズにワイバーン3体を任せる事にした。

先ほどと同じ方法で、ワイバーンと戦って貰う。

ファイアドレイク、ジズがワイバーン3体と戦うのを、
リオネルは、じっくりと観察する事にしたのだ。

先ほど戦い、リオネルは、ワイバーンとやりあうコツはつかんでいる。

しかし、まだ不充分。

ノーマルタイプドラゴンの時同様、ファイアドレイク、ジズとの戦いを見て、
ワイバーン達の動きを見切る事で、アドバンテージを取る為である。

そうこうしているうち、西方にワイバーン3体が現れた。

飛翔するワイバーンの動きをリオネルはじ~っと、観察している。

ここで指示通り、ケルベロス、オルトロスの魔獣兄弟が咆哮した。

ぐはああああああああ!
ぐはああああああああ!

リオネルの指示通り、加減した咆哮であり、相手が麻痺する事はない。
しかし、ワイバーン3体を驚かすには充分であった。

「!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!」

魔獣兄弟の咆哮を聞き、驚くワイバーン3体。

すかさず!
ファイアドレイク、ジズが猛ダッシュ!

とんでもない速度で、ワイバーン3体へ迫ったのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

……先ほどの戦いで判明したが、ファイアドレイク、ジズのコンビネーションは見事であった。

火竜ファイアドレイクがかく乱、牽制役。
鳥の王ジズが攻撃役である。

火、風という属性が全く違う2体ではあるが、息がぴったり合っていた。

魔獣兄弟の咆哮で、ただでさえ混乱状態に陥ったワイバーン3体。

と、そこへ、

ごおおおっ!!!

火の精霊サラマンダーに擬態した火竜ファイアドレイクが、
敢えて短く、炎を吐きながら突っ込む。

更に大混乱状態に陥ったワイバーン3体。

更にジズが突っ込み、
『風斬』『風矢』そして『風弾』という3種の魔法を放つ。

しゅばばっ!!! しゅばばっ!!! どしゅおっ!!!

ずばばっ!!! どしゅ!!! どしゅ!!! どしゅ!!! どしゅおっ!!!

『風斬』に切り刻まれ、『風矢』に射抜かれ、『風弾』の硬い空気の塊にボディブローを喰らい、ワイバーン3体は絶命、あっさりと地上へ落ちた。

ワイバーン3体を討伐した見事な勝利。

鮮やかな仲間達の連携プレーである。

そんな仲間達の戦いの様子を、実に参考になる!
というように、リオネルは見守っていた。

自分が戦うだけでなく、仲間達に任せる事も大事。
そして、己の勉強……修行にもなる。

『よし! お前達、いろいろ、良くやったぞ!』 

いろいろ、良くやったとは、

仲間達の連携熟練度のアップ。

そして先ほどの戦い、そして今の仲間達の戦いで、
リオネルはワイバーンの動きの癖、攻撃防御の死角をほぼ把握したのである。

と、ここで、お約束。

格言通りの事が起こった。
つまり、二度あることは三度ある、ワイバーンが東方へ5体現れたのである。

『よし! 今度は全て俺に任せてくれ』

微笑んだリオネルはそう言うと、飛翔し、ワイバーンの群れに向かった。

そして、魔法、剣を使い、あっという間に5体全てを倒していたのである。
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