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第437話「緩慢な動きのゴーレム達に、リオネルの動きは捕らえ切れない!」
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まずは銀製を10体、次に水晶製を10体。
地下81階層へ降り、リオネルは順調にゴーレムを倒した。
地下80階層までに、
岩石製、鋼鉄製、青銅製、ミスリル製、各100体ずつ計400体捕獲したリオネル。
今、新たに加えたのが銀製10体、水晶製10体。
だが、稼働可能なのは、英雄の迷宮で仲間にした、
岩石製、鋼鉄製各10体の計20体のみ。
フォルミーカ迷宮で捕獲した400体は、このままでは動かない。
自身の魔法文字『真理』を刻んで、稼働可能にしなければならない。
リオネルは、稼働可能にしたゴーレムへ、更に究極の防御魔法『破邪霊鎧《はじゃれいがい》』を付呪するつもりだ。
俊敏さにかけ、不器用なゴーレムは、
素早く攻撃力の高い敵にはもろさを見せる事もある。
しかし、ゴーレムのパワー、頑丈さは抜群。
睡眠誘因、毒、石化攻撃を全く受付ないし、体力の心配無用の疲れ知らず。
元々高い防御力を、遥かに高くビルドアップすれば、
盾役、攻撃役に特化した『最強軍団』が作れると、リオネルは考えていた。
また、戦うだけでなく、ゴーレムは土木建築、農作業、運搬など、
人間に代わって大いに働いてくれるとも考える。
ドヴェルグ族のバルトロメイ達は、素材用として使用すると言い、
特に必要な銀製、水晶製のゴーレムを『捕獲』すると言っていた。
しかし、リオネルは『来る者は拒まず』
捕獲したゴーレムを『軍団』へ加えるだけだ。
そんなリオネルの思いに応えるかのように、
『勢子組』は、ガンガン、ゴーレムを追い込んでくれた。
よし!
どんどん、行くぞ!
リオネルは、銅製、ミスリル、銀製、水晶製と、出現したゴーレムを、
スキル、魔法を使って行動不能とし、
風、水の属性魔法剣で、真理の魔法文字を削って行った。
気が付けば、時間は午後3時。
昼も食べず、夢中になって、ゴーレムを捕獲していた。
……現在リオネルが居るのは、地下88階層だ。
頑張った甲斐あって、トータル、
青銅製100体、ミスリル製100体、銀製100体、水晶製100体を捕獲していた。
きりの良い数なのは、『勢子組』が調整してくれたのだろう。
これで岩石製100体、鋼鉄製100体、青銅製200体、ミスリル製200体、銀製100体、水晶製100体、計800体もの軍団が形成された。
「ふう、ちょっち、ひと休みするかあ。今日は昼夜兼用の食事かな」
苦笑したリオネル。
と、その時!
『!!!!!!!!!』
階上の地下87階層から、『助けを求める波動』が伝わって来た。
これは先ほど別れた……ドヴェルグ族のバルトロメイ達クランである。
ゴーレム達との戦いで、ピンチに陥り、緊急事態となっているようだ。
このような迷宮内の転移魔法は、ティエラから地の加護ありきで、
全然ノープロブレムと言われている。
失敗して、迷宮の石壁の中へなど放り込まれない。
実際、リオネルはこれまで既に何回も試している。
『転移!』
リオネルは躊躇なく、バルトロメイ達クラン所在の現場から、
少し離れた場所へ、転移したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
転移魔法を行使。
地下87階層へ現れたリオネル。
事前に索敵……魔力感知で、把握していた。
バルトロメイ達クラン所在の現場から、10mほど離れた場所へ転移したのである。
果たして、バルトロメイ達クランに何があったのだろうか?
さすがに索敵では、戦闘の経緯、バルトロメイ達が危機に陥った理由までは分からない。
リオネルは、転移地点から、素早く走った。
通路の角を曲がると、背を向けた銀製ゴーレム達の背中が見えた。
リオネルが見やれば……バルトロメイ達は10人のうち、ほとんどが負傷しているようだ。
バルトロメイともうひとり、戦闘可能な者ふたりが前面に立ち、必死に仲間を守っていた。
こういう場合、背後からの攻撃は卑怯だ!
回り込み、正対して堂々と勝負しろ!
という輩も居る。
しかし、リオネルは、スルー。
生きるか死ぬかのやりとりで、何故わざわざリスクを負いハンデ戦を行うのか、
全く理解出来ない。
時間を争う人命救助なら、尚更だ。
だからリオネルは容赦なく撃つ!
攻撃魔法『風弾』をゴーレム達の背後から、10発連続で撃つ!
どごおっ! どごおっ! どごおっ! どごおっ! どごおっ!
どごおっ! どごおっ! どごおっ! どごおっ! どごおっ!
しかし、バルトロメイ達への被弾を避ける為、
放った風弾はゴーレムを貫通するまでの威力ではない。
普通に仕留める気なら『貫通撃』を合わせて使用するところだ。
これは、あくまで、陽動作戦。
そして、バルトロメイ達からの突っ込みを避ける為、
敢えて『フリーズハイ』や『大地の束縛』などの、
行動不能となるスキルや魔法を使わない。
背中へ撃たれた風弾に反応。
ゆっくりと、振り向くゴーレム達。
ここで、すらっ! と剣を抜いたリオネル。
ギアを急激に上げ、ダッシュ。
緩慢な動きのゴーレム達に、リオネルの動きは捕らえ切れない!
ゴーレム達の『真理』の文字は、全てが額の中央にあった。
しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ!
しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ!
魔法剣、風斬剣が電光石火で繰り出され、
ずっしいん! ずっしいん! ずっしいん! ずっしいん! ずっしいんん!
ずっしいん! ずっしいん! ずっしいん! ずっしいん! ずっしいんん!
魔法文字を斬られた銀製ゴーレム10体は、次々と崩れ落ち、行動不能となったのである。
地下81階層へ降り、リオネルは順調にゴーレムを倒した。
地下80階層までに、
岩石製、鋼鉄製、青銅製、ミスリル製、各100体ずつ計400体捕獲したリオネル。
今、新たに加えたのが銀製10体、水晶製10体。
だが、稼働可能なのは、英雄の迷宮で仲間にした、
岩石製、鋼鉄製各10体の計20体のみ。
フォルミーカ迷宮で捕獲した400体は、このままでは動かない。
自身の魔法文字『真理』を刻んで、稼働可能にしなければならない。
リオネルは、稼働可能にしたゴーレムへ、更に究極の防御魔法『破邪霊鎧《はじゃれいがい》』を付呪するつもりだ。
俊敏さにかけ、不器用なゴーレムは、
素早く攻撃力の高い敵にはもろさを見せる事もある。
しかし、ゴーレムのパワー、頑丈さは抜群。
睡眠誘因、毒、石化攻撃を全く受付ないし、体力の心配無用の疲れ知らず。
元々高い防御力を、遥かに高くビルドアップすれば、
盾役、攻撃役に特化した『最強軍団』が作れると、リオネルは考えていた。
また、戦うだけでなく、ゴーレムは土木建築、農作業、運搬など、
人間に代わって大いに働いてくれるとも考える。
ドヴェルグ族のバルトロメイ達は、素材用として使用すると言い、
特に必要な銀製、水晶製のゴーレムを『捕獲』すると言っていた。
しかし、リオネルは『来る者は拒まず』
捕獲したゴーレムを『軍団』へ加えるだけだ。
そんなリオネルの思いに応えるかのように、
『勢子組』は、ガンガン、ゴーレムを追い込んでくれた。
よし!
どんどん、行くぞ!
リオネルは、銅製、ミスリル、銀製、水晶製と、出現したゴーレムを、
スキル、魔法を使って行動不能とし、
風、水の属性魔法剣で、真理の魔法文字を削って行った。
気が付けば、時間は午後3時。
昼も食べず、夢中になって、ゴーレムを捕獲していた。
……現在リオネルが居るのは、地下88階層だ。
頑張った甲斐あって、トータル、
青銅製100体、ミスリル製100体、銀製100体、水晶製100体を捕獲していた。
きりの良い数なのは、『勢子組』が調整してくれたのだろう。
これで岩石製100体、鋼鉄製100体、青銅製200体、ミスリル製200体、銀製100体、水晶製100体、計800体もの軍団が形成された。
「ふう、ちょっち、ひと休みするかあ。今日は昼夜兼用の食事かな」
苦笑したリオネル。
と、その時!
『!!!!!!!!!』
階上の地下87階層から、『助けを求める波動』が伝わって来た。
これは先ほど別れた……ドヴェルグ族のバルトロメイ達クランである。
ゴーレム達との戦いで、ピンチに陥り、緊急事態となっているようだ。
このような迷宮内の転移魔法は、ティエラから地の加護ありきで、
全然ノープロブレムと言われている。
失敗して、迷宮の石壁の中へなど放り込まれない。
実際、リオネルはこれまで既に何回も試している。
『転移!』
リオネルは躊躇なく、バルトロメイ達クラン所在の現場から、
少し離れた場所へ、転移したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
転移魔法を行使。
地下87階層へ現れたリオネル。
事前に索敵……魔力感知で、把握していた。
バルトロメイ達クラン所在の現場から、10mほど離れた場所へ転移したのである。
果たして、バルトロメイ達クランに何があったのだろうか?
さすがに索敵では、戦闘の経緯、バルトロメイ達が危機に陥った理由までは分からない。
リオネルは、転移地点から、素早く走った。
通路の角を曲がると、背を向けた銀製ゴーレム達の背中が見えた。
リオネルが見やれば……バルトロメイ達は10人のうち、ほとんどが負傷しているようだ。
バルトロメイともうひとり、戦闘可能な者ふたりが前面に立ち、必死に仲間を守っていた。
こういう場合、背後からの攻撃は卑怯だ!
回り込み、正対して堂々と勝負しろ!
という輩も居る。
しかし、リオネルは、スルー。
生きるか死ぬかのやりとりで、何故わざわざリスクを負いハンデ戦を行うのか、
全く理解出来ない。
時間を争う人命救助なら、尚更だ。
だからリオネルは容赦なく撃つ!
攻撃魔法『風弾』をゴーレム達の背後から、10発連続で撃つ!
どごおっ! どごおっ! どごおっ! どごおっ! どごおっ!
どごおっ! どごおっ! どごおっ! どごおっ! どごおっ!
しかし、バルトロメイ達への被弾を避ける為、
放った風弾はゴーレムを貫通するまでの威力ではない。
普通に仕留める気なら『貫通撃』を合わせて使用するところだ。
これは、あくまで、陽動作戦。
そして、バルトロメイ達からの突っ込みを避ける為、
敢えて『フリーズハイ』や『大地の束縛』などの、
行動不能となるスキルや魔法を使わない。
背中へ撃たれた風弾に反応。
ゆっくりと、振り向くゴーレム達。
ここで、すらっ! と剣を抜いたリオネル。
ギアを急激に上げ、ダッシュ。
緩慢な動きのゴーレム達に、リオネルの動きは捕らえ切れない!
ゴーレム達の『真理』の文字は、全てが額の中央にあった。
しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ!
しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ! しゅばっ!
魔法剣、風斬剣が電光石火で繰り出され、
ずっしいん! ずっしいん! ずっしいん! ずっしいん! ずっしいんん!
ずっしいん! ずっしいん! ずっしいん! ずっしいん! ずっしいんん!
魔法文字を斬られた銀製ゴーレム10体は、次々と崩れ落ち、行動不能となったのである。
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