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第255話「もっと素敵なリオになってるって、期待して楽しみにしてるから!」
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ティエラの言葉を聞き、リオネルがOKした瞬間!
「うおおっ!!??」
リオネルの心身に、不可思議で凄まじい力が満ちた。
「リオ♡ 今、貴方へ私ティエラの、地の最上級精霊の大いなる加護を与えたわ! 我が地の属性魔法を行使する際、発動の円滑さ、効能効果の著しい上昇があるはずよ」
「あ、ありがとうございます。圧倒的な力が、俺の心身に満ちました」
「うふふ♡ これで、だいぶマシになるわね」
「ですか」
「少なくとも! 散々修行しても、転移魔法が上手くならなかった、あの『不器用な爺さん』よりは、ず~っとマシになるわ!」
「え、ええっと、あの不器用な爺さん?」
「うん! リオがこの前会った亡霊の爺さん! まあ、死んだ時は爺さんで、お父様と私が初めて出会った時は、生意気な『鼻たれのがきんちょ』だったけどね!」
「俺がこの前会った亡霊の爺さんって、もしや!?」
「ええ! その、もしや! この近くの小さな迷宮の底で会ったでしょ?」
「成る程……地界王アマイモン様とティエラ様が初めて出会った時は、生意気な『鼻たれのがきんちょ』って……もしかして、ソヴァール王国建国の開祖、アリスティド・ソヴァール様ですか?」
「うん! アリスティド爺さんよ!」
やはり、アリスティドはアマイモンと同時に愛娘のティエラにも会っていた。
せっかくティエラ様に邂逅したのに……
アリスティド様の『英霊召喚』が出来ず、申し訳ありません!
と、リオネルはアリスティドへ謝罪するが、苦笑もする。
永劫ともいえる長き時を生き、底知れぬ力を持つ、
地の最上級精霊ティエラから見れば……
ソヴァール王国建国の英雄、開祖アリスティド・ソヴァールも、
『不器用な爺さん』『鼻たれのがきんちょ』となってしまうのだ。
果たして、自分はどう思われ、どう言われるのか、
少しだけリオネルは気になった。
そんなリオネルに対し、ティエラは更に言う。
「地属性魔法を上達すれば、リオは、地の力を、すなわち私、ティエラを大好きになってくれると思うから♡」
ここでティエラの言う「大好き」は、「単なる恋愛感情ではない」と、
リオネルには分かる。
地属性魔法だけではない、この世界の偉大な自然たる、
広い大地と大地から生み出される鉱物を始め、『全ての恵み』を愛する……
そして、大地に勢い良く繁る数多の木々、植物の全てをも愛する事であると。
つまり!
偉大なる自然よ! 常に自分と共に在れ!
そう真摯に愛する事なのだと、はっきり実感出来る。
大いなる自然に対する『深い愛と想い』こそが、
地を始めとした、4大精霊の『凄まじい力の根幹』なのだと、
リオネルは認識したのである。
「さあてと! リオ! 貴方へ地の加護も授けたし、そろそろ、私は行くから」
「行かれますか?」
「ええ! 私、地母神の見習いなの! 修行中で、結構、忙しいのよ」
「えええええ!? じ、地母神って!!?? か、神様に!!??」
「ええ、神様なんて、堅苦しくて、本当は遠慮したいの。……でも! 私も生まれて来た使命を、果たさなきゃって思ってる!」
補足しよう。
地母神とは、大地の生命力・生産力を神格化した女神である。
多産、肥沃、豊穣をもたらす女神であり、大地の豊かさを体現している存在なのだ。
「リオも全属性魔法使用者として、全ての魔法を極める事を目指して修行中でしょ? それ以外にもいっぱい望みを持っているようだしね」
「はい、ティエラ様のおっしゃる通り、望みはたくさんあります。俺、単純で欲張りですから」
「いいじゃない、いいじゃないの! 単純でも欲張りでも! 目標は高くて困難な方が、やりがいがあるもの!」
「で、ですよね!」
「うん! 私もさ! 頑張って、超スーパーで超ビューティな地母神を目指すから、リオも一緒に修行をがんばろ!」
一緒に修行をがんばろ!
と言われ、リオネルは嬉しくなる。
地の最上級精霊ティエラ……
悠久の時を生き、地母神を目指すという、
遥かなる高みに位置する偉大な存在なのに……
まるで魔法学校の、隣の席に座った異性の親友のようであるからだ。
友達以上、恋人未満の女子の親友と切磋琢磨し、魔法の修行をする!
……そんな甘酸っぱい学生時代を、
「素敵な青春の記憶を刻みたかった」と、リオネルは思う。
しかし、過去を顧みて、反省する事は確かに大事でも、
前を向き、進む事はそれ以上に大事だ。
「ティエラ様」
「うふふ、なあに、リオ♡」
「また、お会い出来ますか?」
という、リオネルの問いに対し、
「会えるわ! 必ず!」
とティエラは、きっぱり言い切った。
「男子、三日会わざれば刮目して見よとか、どこかの人間が言ってたわ」
補足しよう。
男子、三日会わざれば刮目して見よとは、
「日々鍛錬する人が居れば、その人は三日も経つと、見違える程、成長しているものだ」という意味である。
「私と再会した時、もっと素敵なリオになってるって、期待して楽しみにしてるから!」
「ですか! 俺、頑張ります! ティエラ様のお言葉を励みにして!」
「うふふ、ありがとっ! 私もリオを励みにして頑張る! あ、そうそう、貴方は、念話を使えるでしょ?」
「はい! 使えます!」
リオネルが答えると、ティエラは早速念話で話して来る。
『何か、あったら、私へ呼びかけてみて! 運が良かったら、リオの力になれるわ! アリスティドのじいさんにも、そう言われたでしょ?』
ティエラの申し入れに、リオネルは嬉しくなり、
『了解です!』
と、同じく念話で答えた。
すると、
『うふ♡ リオ、またねっ!』
ティエラは再び右手をびしっ! と突き出し、リオネルへVサインを送った。
そして、10mほどジャンプ、空中で華麗に一回転しながら、
「ぱっ!」と、煙のように消えてしまったのである。
「うおおっ!!??」
リオネルの心身に、不可思議で凄まじい力が満ちた。
「リオ♡ 今、貴方へ私ティエラの、地の最上級精霊の大いなる加護を与えたわ! 我が地の属性魔法を行使する際、発動の円滑さ、効能効果の著しい上昇があるはずよ」
「あ、ありがとうございます。圧倒的な力が、俺の心身に満ちました」
「うふふ♡ これで、だいぶマシになるわね」
「ですか」
「少なくとも! 散々修行しても、転移魔法が上手くならなかった、あの『不器用な爺さん』よりは、ず~っとマシになるわ!」
「え、ええっと、あの不器用な爺さん?」
「うん! リオがこの前会った亡霊の爺さん! まあ、死んだ時は爺さんで、お父様と私が初めて出会った時は、生意気な『鼻たれのがきんちょ』だったけどね!」
「俺がこの前会った亡霊の爺さんって、もしや!?」
「ええ! その、もしや! この近くの小さな迷宮の底で会ったでしょ?」
「成る程……地界王アマイモン様とティエラ様が初めて出会った時は、生意気な『鼻たれのがきんちょ』って……もしかして、ソヴァール王国建国の開祖、アリスティド・ソヴァール様ですか?」
「うん! アリスティド爺さんよ!」
やはり、アリスティドはアマイモンと同時に愛娘のティエラにも会っていた。
せっかくティエラ様に邂逅したのに……
アリスティド様の『英霊召喚』が出来ず、申し訳ありません!
と、リオネルはアリスティドへ謝罪するが、苦笑もする。
永劫ともいえる長き時を生き、底知れぬ力を持つ、
地の最上級精霊ティエラから見れば……
ソヴァール王国建国の英雄、開祖アリスティド・ソヴァールも、
『不器用な爺さん』『鼻たれのがきんちょ』となってしまうのだ。
果たして、自分はどう思われ、どう言われるのか、
少しだけリオネルは気になった。
そんなリオネルに対し、ティエラは更に言う。
「地属性魔法を上達すれば、リオは、地の力を、すなわち私、ティエラを大好きになってくれると思うから♡」
ここでティエラの言う「大好き」は、「単なる恋愛感情ではない」と、
リオネルには分かる。
地属性魔法だけではない、この世界の偉大な自然たる、
広い大地と大地から生み出される鉱物を始め、『全ての恵み』を愛する……
そして、大地に勢い良く繁る数多の木々、植物の全てをも愛する事であると。
つまり!
偉大なる自然よ! 常に自分と共に在れ!
そう真摯に愛する事なのだと、はっきり実感出来る。
大いなる自然に対する『深い愛と想い』こそが、
地を始めとした、4大精霊の『凄まじい力の根幹』なのだと、
リオネルは認識したのである。
「さあてと! リオ! 貴方へ地の加護も授けたし、そろそろ、私は行くから」
「行かれますか?」
「ええ! 私、地母神の見習いなの! 修行中で、結構、忙しいのよ」
「えええええ!? じ、地母神って!!?? か、神様に!!??」
「ええ、神様なんて、堅苦しくて、本当は遠慮したいの。……でも! 私も生まれて来た使命を、果たさなきゃって思ってる!」
補足しよう。
地母神とは、大地の生命力・生産力を神格化した女神である。
多産、肥沃、豊穣をもたらす女神であり、大地の豊かさを体現している存在なのだ。
「リオも全属性魔法使用者として、全ての魔法を極める事を目指して修行中でしょ? それ以外にもいっぱい望みを持っているようだしね」
「はい、ティエラ様のおっしゃる通り、望みはたくさんあります。俺、単純で欲張りですから」
「いいじゃない、いいじゃないの! 単純でも欲張りでも! 目標は高くて困難な方が、やりがいがあるもの!」
「で、ですよね!」
「うん! 私もさ! 頑張って、超スーパーで超ビューティな地母神を目指すから、リオも一緒に修行をがんばろ!」
一緒に修行をがんばろ!
と言われ、リオネルは嬉しくなる。
地の最上級精霊ティエラ……
悠久の時を生き、地母神を目指すという、
遥かなる高みに位置する偉大な存在なのに……
まるで魔法学校の、隣の席に座った異性の親友のようであるからだ。
友達以上、恋人未満の女子の親友と切磋琢磨し、魔法の修行をする!
……そんな甘酸っぱい学生時代を、
「素敵な青春の記憶を刻みたかった」と、リオネルは思う。
しかし、過去を顧みて、反省する事は確かに大事でも、
前を向き、進む事はそれ以上に大事だ。
「ティエラ様」
「うふふ、なあに、リオ♡」
「また、お会い出来ますか?」
という、リオネルの問いに対し、
「会えるわ! 必ず!」
とティエラは、きっぱり言い切った。
「男子、三日会わざれば刮目して見よとか、どこかの人間が言ってたわ」
補足しよう。
男子、三日会わざれば刮目して見よとは、
「日々鍛錬する人が居れば、その人は三日も経つと、見違える程、成長しているものだ」という意味である。
「私と再会した時、もっと素敵なリオになってるって、期待して楽しみにしてるから!」
「ですか! 俺、頑張ります! ティエラ様のお言葉を励みにして!」
「うふふ、ありがとっ! 私もリオを励みにして頑張る! あ、そうそう、貴方は、念話を使えるでしょ?」
「はい! 使えます!」
リオネルが答えると、ティエラは早速念話で話して来る。
『何か、あったら、私へ呼びかけてみて! 運が良かったら、リオの力になれるわ! アリスティドのじいさんにも、そう言われたでしょ?』
ティエラの申し入れに、リオネルは嬉しくなり、
『了解です!』
と、同じく念話で答えた。
すると、
『うふ♡ リオ、またねっ!』
ティエラは再び右手をびしっ! と突き出し、リオネルへVサインを送った。
そして、10mほどジャンプ、空中で華麗に一回転しながら、
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