245 / 696
第245話「さらば! 英雄の迷宮」
しおりを挟む
古の英雄、
リオネルと邂逅したソヴァール王国建国の開祖、
アリスティド・ソヴァールの亡霊が行使した失われた古代精霊魔法、
転移魔法で一気にスキップ!
最下層地下10階層記念碑前から、一気に地下6階層へ送られたリオネル一行。
そのまま、地下5階層へ戻った。
その後、慰労会という事で、
いつもの居酒屋で昼食会兼打ち上げを行うと、
その日は疲れを癒す為に、それぞれの宿へ一泊。
さすがにぐっすりと眠り……
翌日、午前7時にブレーズ、ゴーチェと待ち合わせして、全員で出立。
地下4階層へ赴いた。
今日は、転移魔法で飛ぶとかではなく、
『自力』で一気に地下1階層経由で地上を目指す。
リオネルは5階層から一気に10階層へ降りた昨日同様、
先行する魔獣ケルベロス、アスプへ指示。
彼らへ索敵と同時に、約8割くらいの敵を排除して行くように命じた。
残りの約2割の敵に対しては、リオネルはモーリスと相談。
ブレーズとゴーチェへお願いし、了解を取った。
お願いしたのは……
ミリアンとカミーユの『大きな成長』も考慮し、
並びを……『フォーメーション』を変更する事にしたのだ。
未知だったリオネルの能力を見極めたいと望んでいたブレーズ。
いくつかの奥義と魔法、スキルを見極めたゆえ、納得して中段へ下がり、
入れ替わりで、ミリアンとカミーユが、リオネルとともに前衛へ入ったのである。
結局、
魔獣軍団を先行させ、リオネル、ミリアンとカミーユ、ブレーズ、モーリス、最後方はゴーチェという形となった。
こうして……
地下4階層から1階層まではリオネルのフォローを受けながら、
姉弟が前面に立って戦う事となった。
この英雄の迷宮へ入った当初は臆し、緊張気味のミリアンとカミーユであったが……
リオネルのフォローありきとはいえ、戦いを重ね、
すでにオークの上位種オークカーネル、バジリスク等の強敵を、
姉弟ふたりで倒している。
ケルベロス、アスプが約8割の敵を倒し、出現する敵が少ない事、
リオネルを始め、心強い味方が傍に居たこともあり……
ミリアンとカミーユは余裕を持ち、敵に対し、堂々と渡り合う事が出来た。
リオネルは、ふたりの戦いぶりを見て確信する。
これなら、モーリスと3人で上手く戦えば、
とんでもなく上位の敵ではない限り、充分に通用するはずだと。
という事でミリアンとカミーユの快進撃は続き、リオネルのフォローも入りはしたが、危なげなく地下1階層まで戻る事が出来た。
一行は、安全エリアの地下1階ホールへ入った……
ブレーズ、ゴーチェに対し、守衛達が最敬礼するのを見ながら……
リオネル、モーリス、ミリアンとカミーユは、
地下1階層から下層へ降りる入り口を見つめた。
ここから、この英雄の迷宮の探索……冒険が始まった。
多分この4人が揃って、この迷宮へ来る事は、もう二度とないだろう。
そう思うと、ひどく感慨深い。
リオネルは記憶をたぐる。
……最下層地下10階層へ行くまでに、いろいろな出来事、事件があった。
ふらちなルーキーキラーどもの襲撃事件。
その事件の後、地下2階層においての、15歳のミリアンから愛の告白……
人生18年、リオネルが生まれて初めて受けた、
可愛い女子からの愛の告白である……
残念ながら、その場でミリアンへ応える事は出来なかったが……
共に交わした『5年後の約束』の想い出も含め、一生忘れない事だろう。
ブレーズ、ゴーチェとのいきなりの再会にはびっくりした。
食事を一緒に摂り、いろいろ語り合ったのはとても楽しかった。
仕事から、趣味、他愛のない話まで、存分に。
食べた料理も美味しかった。
一度は見たいと願っていた、
剣聖ブレーズの誉れ高き剣技を目の当たりにする事も出来た。
今後のリオネルの戦いの参考とし、糧にもしたいと思う。
宝箱も開け、隠形、忍び足も上達。
さすがにブレーズには探知されたが、シーフ職のレベルも大きく上げた。
そしてソヴァール王国建国の開祖、
アリスティド・ソヴァールの亡霊との邂逅……
失われた古代精霊魔法、転移魔法の習得。
成長したのはミリアンとカミーユだけではない。
むしろふたり以上に成長する事が出来たのは、リオネルであるといえよう。
リオネルは数多の奥義、魔法、スキル、武技を習得し、最強への一歩をまた上った。
習得した全ての技能を極めたい。
特に、アリスティドから習得した『転移魔法』を試してみたい気持ちが強い。
だが、使いどころが難しい。
タイミング、場所に関しては充分な注意が必要であり、
修行にも細心の注意を払わねばならない。
しばらくは、公の場では使わない方が良いだろう。
超が付く俊足のリオネルだから、アリスティド同様に、
足の速さで神出鬼没という事でごまかすのも、ありかもしれない。
あ、そうだ!
身体能力も更にビルドアップしよう!
特に跳躍力が上がっていそうだ!
鍛えるぞ!
魔法も研究し、上位レベルの魔法をガンガン習得しよう!
気合が満ち、やる気がみなぎる。
英雄の迷宮、地下1階ホールは相変わらず、
様々な種族、数多の人々が居て、とても賑やかである。
リオネルはしばし、その光景を見つめていた。
心にしっかり、刻んでおこうと思う……
……つらつら物思いにふけるリオネルへ、モーリスが声をかける。
「さあ、そろそろ行こうか……リオ君。まだ任務が残ってるぞ」
モーリスの言う通り、
ブレーズとゴーチェをワレバットの街へ送る、『オプション任務』が残っていた。
ふたりを送って、この任務は完遂となる。
冒険者ギルド総本部へ赴き、完遂の報告をし、報奨金を受け取る。
ランクアップの確認も楽しみである。
「はい! ですね!」
と返事を戻せば、ミリアンとカミーユも、
「うん! リオさん、ブレーズ様とゴーチェ様をお送りして、一緒に、ワレバットのウチへ帰ろう!」
「おふたりをお送りしてから、とりあえず、みんなでゆっくり、休むっす! その後、ギルドへ報告っすよ、リオさん!」
「了解! よし行こう! ワレバットの街へ!」
リオネルは元気に返事をし、6人全員で英雄の迷宮を出て、
地上の『ヘーロースの町』経由で、冒険者の街『ワレバット』へ、無事に帰還したのである。
リオネルと邂逅したソヴァール王国建国の開祖、
アリスティド・ソヴァールの亡霊が行使した失われた古代精霊魔法、
転移魔法で一気にスキップ!
最下層地下10階層記念碑前から、一気に地下6階層へ送られたリオネル一行。
そのまま、地下5階層へ戻った。
その後、慰労会という事で、
いつもの居酒屋で昼食会兼打ち上げを行うと、
その日は疲れを癒す為に、それぞれの宿へ一泊。
さすがにぐっすりと眠り……
翌日、午前7時にブレーズ、ゴーチェと待ち合わせして、全員で出立。
地下4階層へ赴いた。
今日は、転移魔法で飛ぶとかではなく、
『自力』で一気に地下1階層経由で地上を目指す。
リオネルは5階層から一気に10階層へ降りた昨日同様、
先行する魔獣ケルベロス、アスプへ指示。
彼らへ索敵と同時に、約8割くらいの敵を排除して行くように命じた。
残りの約2割の敵に対しては、リオネルはモーリスと相談。
ブレーズとゴーチェへお願いし、了解を取った。
お願いしたのは……
ミリアンとカミーユの『大きな成長』も考慮し、
並びを……『フォーメーション』を変更する事にしたのだ。
未知だったリオネルの能力を見極めたいと望んでいたブレーズ。
いくつかの奥義と魔法、スキルを見極めたゆえ、納得して中段へ下がり、
入れ替わりで、ミリアンとカミーユが、リオネルとともに前衛へ入ったのである。
結局、
魔獣軍団を先行させ、リオネル、ミリアンとカミーユ、ブレーズ、モーリス、最後方はゴーチェという形となった。
こうして……
地下4階層から1階層まではリオネルのフォローを受けながら、
姉弟が前面に立って戦う事となった。
この英雄の迷宮へ入った当初は臆し、緊張気味のミリアンとカミーユであったが……
リオネルのフォローありきとはいえ、戦いを重ね、
すでにオークの上位種オークカーネル、バジリスク等の強敵を、
姉弟ふたりで倒している。
ケルベロス、アスプが約8割の敵を倒し、出現する敵が少ない事、
リオネルを始め、心強い味方が傍に居たこともあり……
ミリアンとカミーユは余裕を持ち、敵に対し、堂々と渡り合う事が出来た。
リオネルは、ふたりの戦いぶりを見て確信する。
これなら、モーリスと3人で上手く戦えば、
とんでもなく上位の敵ではない限り、充分に通用するはずだと。
という事でミリアンとカミーユの快進撃は続き、リオネルのフォローも入りはしたが、危なげなく地下1階層まで戻る事が出来た。
一行は、安全エリアの地下1階ホールへ入った……
ブレーズ、ゴーチェに対し、守衛達が最敬礼するのを見ながら……
リオネル、モーリス、ミリアンとカミーユは、
地下1階層から下層へ降りる入り口を見つめた。
ここから、この英雄の迷宮の探索……冒険が始まった。
多分この4人が揃って、この迷宮へ来る事は、もう二度とないだろう。
そう思うと、ひどく感慨深い。
リオネルは記憶をたぐる。
……最下層地下10階層へ行くまでに、いろいろな出来事、事件があった。
ふらちなルーキーキラーどもの襲撃事件。
その事件の後、地下2階層においての、15歳のミリアンから愛の告白……
人生18年、リオネルが生まれて初めて受けた、
可愛い女子からの愛の告白である……
残念ながら、その場でミリアンへ応える事は出来なかったが……
共に交わした『5年後の約束』の想い出も含め、一生忘れない事だろう。
ブレーズ、ゴーチェとのいきなりの再会にはびっくりした。
食事を一緒に摂り、いろいろ語り合ったのはとても楽しかった。
仕事から、趣味、他愛のない話まで、存分に。
食べた料理も美味しかった。
一度は見たいと願っていた、
剣聖ブレーズの誉れ高き剣技を目の当たりにする事も出来た。
今後のリオネルの戦いの参考とし、糧にもしたいと思う。
宝箱も開け、隠形、忍び足も上達。
さすがにブレーズには探知されたが、シーフ職のレベルも大きく上げた。
そしてソヴァール王国建国の開祖、
アリスティド・ソヴァールの亡霊との邂逅……
失われた古代精霊魔法、転移魔法の習得。
成長したのはミリアンとカミーユだけではない。
むしろふたり以上に成長する事が出来たのは、リオネルであるといえよう。
リオネルは数多の奥義、魔法、スキル、武技を習得し、最強への一歩をまた上った。
習得した全ての技能を極めたい。
特に、アリスティドから習得した『転移魔法』を試してみたい気持ちが強い。
だが、使いどころが難しい。
タイミング、場所に関しては充分な注意が必要であり、
修行にも細心の注意を払わねばならない。
しばらくは、公の場では使わない方が良いだろう。
超が付く俊足のリオネルだから、アリスティド同様に、
足の速さで神出鬼没という事でごまかすのも、ありかもしれない。
あ、そうだ!
身体能力も更にビルドアップしよう!
特に跳躍力が上がっていそうだ!
鍛えるぞ!
魔法も研究し、上位レベルの魔法をガンガン習得しよう!
気合が満ち、やる気がみなぎる。
英雄の迷宮、地下1階ホールは相変わらず、
様々な種族、数多の人々が居て、とても賑やかである。
リオネルはしばし、その光景を見つめていた。
心にしっかり、刻んでおこうと思う……
……つらつら物思いにふけるリオネルへ、モーリスが声をかける。
「さあ、そろそろ行こうか……リオ君。まだ任務が残ってるぞ」
モーリスの言う通り、
ブレーズとゴーチェをワレバットの街へ送る、『オプション任務』が残っていた。
ふたりを送って、この任務は完遂となる。
冒険者ギルド総本部へ赴き、完遂の報告をし、報奨金を受け取る。
ランクアップの確認も楽しみである。
「はい! ですね!」
と返事を戻せば、ミリアンとカミーユも、
「うん! リオさん、ブレーズ様とゴーチェ様をお送りして、一緒に、ワレバットのウチへ帰ろう!」
「おふたりをお送りしてから、とりあえず、みんなでゆっくり、休むっす! その後、ギルドへ報告っすよ、リオさん!」
「了解! よし行こう! ワレバットの街へ!」
リオネルは元気に返事をし、6人全員で英雄の迷宮を出て、
地上の『ヘーロースの町』経由で、冒険者の街『ワレバット』へ、無事に帰還したのである。
0
お気に入りに追加
330
あなたにおすすめの小説
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる