186 / 689
第186話「リオさんと一緒に戦い、見事に勝利を収めるっす!」
しおりを挟む
英雄の迷宮地下3階層小ホール……
リオネル達が居る200m先から、ゾンビと亡霊の混成部隊が近付いて来る!
……数は、ゾンビが10、亡霊も10。
ここは王立墓地の経験が役に立ちそうである。
「師匠! 姉さん! 敵っす! 戦闘準備してくださいっす!」
はっきり言い切る事が出来たカミーユの声に、
まずミリアンが、そしてモーリスも反応する。
「カ、カミーユ、敵が来たのね!? ……し、師匠!」
「慌てるな、ミリアン。私も奴らの気配を感じる!」
一方……
クランのシーフ役としてしっかりと敵襲を告げたカミーユへ、
リオネルは更に『上のレベル』を求める。
「カミーユ、クランのシーフとして、もう少し詳しい情報を全員へ告げるんだ。敵の気配を探ってみろ」
「は、は、はいっすう! え、ええっと……」
リオネルから指示を受け、カミーユは慌てて対応しようとする。
先ほど、『虫』が苦手で固まってしまったリオネルと同じようなものだ。
「大丈夫だ、カミーユ。再度、深呼吸し、落ち着いて、敵の気配を探るんだ」
「りょ、了解っす! もう一回、深呼吸っす! す~は~、す~は~……」
深呼吸したカミーユは、みるみるうちに落ち着いて来た。
リオネルはそんなカミーユを励ます。
「うん、その感じだ。自信を持て、カミーユ。今までの経験を、そして冒険者ギルドの講習で受けた授業と実践を思い出せば、お前はシーフとして行ける。問題ないぞ」
「リ、リオさん、ありがとうございまっす!」
カミーユは笑顔で礼を言い、集中して敵の気配を探ると、
「ええっと……わ、分かったっす! ……こ、この気配は既に戦ったから、知っているっす」
「おお、そうか。言ってみてくれ」
「多分……ゾンビと亡霊っすよ。そして、数はそう多くないっすね。合わせて20体くらいっすか?」
「当たり! 上出来だ」
「うお! やったっすう!」
「ほらほら、カミーユ。姉さんと師匠にも、敵の情報を言わなきゃ」
「あ、そうだったっすう! 姉さあん! 師匠ぉ! 敵はゾンビと亡霊! 合わせて20体くらいっすう!」
「わお! カミーユ、凄いじゃない! 良くやったわ!」
「おお、カミーユ、シーフとしての働き、実に見事だぞ!」
「うおお! 俺、ふたりからも褒められたあ! す、凄く! う、嬉しいっすう!」
ミリアン、モーリスから褒められ、有頂天のカミーユ。
しかし、これでは「勝って兜の緒を締めよ」までも行かない。
喜ぶのはまだ早い。
カミーユは敵の所在と正体を確認しただけなのだから。
だから、リオネルが注意、カミーユの気持ちを引き締める。
「ほらほら、カミーユ、喜ぶのは敵を倒してからだぞ」
「あ、そうだったっす!」
「カミーユ、とりあえず魔法杖の使用を封印し、接近戦で行くぞ。王立墓地でモーリスさんから教えて貰った破邪聖煌拳の極意で戦う。その後は成り行きだが、物理攻撃で行く! ……スタンバイだ」
「はいっす! リオさんが居れば怖くないっす!『飛び道具』の魔法杖は封印して、自分で立てた課題クリアを目指っすよ! その代わり、リオさんから貰った盾を思う存分バッシュして使うっす!」
「よし! ……奴らが来るぞ。後、100mの距離まで来た!」
「リオさん! この距離だと、俺にもはっきり分かるっす! ゾンビと亡霊各10体の気配が! いつでも戦えるっす」
「OK! 指示を出すぞ」
リオネルとカミーユは顔を見合わせ頷きすと、いつ敵が現れても良いように身構えたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
やがて……
ゾンビ10体と亡霊10体が通路の奥に現れた。
「よし! 俺が先に行ってゾンビへ奥義の先制攻撃をかます。カミーユは後に続き、亡霊へ奥義を存分にぶちかませ!」
「了解っす!」
ここで、リオネルは声を張り上げる。
後方のミリアン、モーリスへ指示を通す為だ。
「モーリスさん! ミリアン! 敵は、ゾンビと亡霊が各10体、俺とカミーユで敵を接近戦で掃討します。とりあえずふたりは戦闘準備のまま、スタンバイ。万が一撃ち漏らしたら、フォローをお願いします!」
「「了解!」」
お、おおおおおお、おおおおおおお……
リオネルの大きな声に刺激されたのか、
ゾンビと亡霊は不気味な声を発しながら、一斉に迫って来る。
「リオさん! 奴らが来たっすう!」
リオネルはカミーユへ向き直り、きっぱりと言い放つ。
「カミーユ、あれぐらいお前にとってはノープロブレム! はっきり言って雑魚だ! 油断は大敵だが、自信を持って堂々と戦え!」
リオネルの熱い言葉に、カミーユは奮起する。
「分かったっす! リオさんと一緒に戦い、見事に勝利を収めるっす!」
「よし! じゃあ、俺が先陣を切る!」
「はいっ! リオさん! 俺も後に続くっす!」
「行くぞぉ!!」
「ふっ」と、不敵に笑ったリオネルは、不死者の群れに向かい、
ゆっくりと走り出していたのである。
リオネル達が居る200m先から、ゾンビと亡霊の混成部隊が近付いて来る!
……数は、ゾンビが10、亡霊も10。
ここは王立墓地の経験が役に立ちそうである。
「師匠! 姉さん! 敵っす! 戦闘準備してくださいっす!」
はっきり言い切る事が出来たカミーユの声に、
まずミリアンが、そしてモーリスも反応する。
「カ、カミーユ、敵が来たのね!? ……し、師匠!」
「慌てるな、ミリアン。私も奴らの気配を感じる!」
一方……
クランのシーフ役としてしっかりと敵襲を告げたカミーユへ、
リオネルは更に『上のレベル』を求める。
「カミーユ、クランのシーフとして、もう少し詳しい情報を全員へ告げるんだ。敵の気配を探ってみろ」
「は、は、はいっすう! え、ええっと……」
リオネルから指示を受け、カミーユは慌てて対応しようとする。
先ほど、『虫』が苦手で固まってしまったリオネルと同じようなものだ。
「大丈夫だ、カミーユ。再度、深呼吸し、落ち着いて、敵の気配を探るんだ」
「りょ、了解っす! もう一回、深呼吸っす! す~は~、す~は~……」
深呼吸したカミーユは、みるみるうちに落ち着いて来た。
リオネルはそんなカミーユを励ます。
「うん、その感じだ。自信を持て、カミーユ。今までの経験を、そして冒険者ギルドの講習で受けた授業と実践を思い出せば、お前はシーフとして行ける。問題ないぞ」
「リ、リオさん、ありがとうございまっす!」
カミーユは笑顔で礼を言い、集中して敵の気配を探ると、
「ええっと……わ、分かったっす! ……こ、この気配は既に戦ったから、知っているっす」
「おお、そうか。言ってみてくれ」
「多分……ゾンビと亡霊っすよ。そして、数はそう多くないっすね。合わせて20体くらいっすか?」
「当たり! 上出来だ」
「うお! やったっすう!」
「ほらほら、カミーユ。姉さんと師匠にも、敵の情報を言わなきゃ」
「あ、そうだったっすう! 姉さあん! 師匠ぉ! 敵はゾンビと亡霊! 合わせて20体くらいっすう!」
「わお! カミーユ、凄いじゃない! 良くやったわ!」
「おお、カミーユ、シーフとしての働き、実に見事だぞ!」
「うおお! 俺、ふたりからも褒められたあ! す、凄く! う、嬉しいっすう!」
ミリアン、モーリスから褒められ、有頂天のカミーユ。
しかし、これでは「勝って兜の緒を締めよ」までも行かない。
喜ぶのはまだ早い。
カミーユは敵の所在と正体を確認しただけなのだから。
だから、リオネルが注意、カミーユの気持ちを引き締める。
「ほらほら、カミーユ、喜ぶのは敵を倒してからだぞ」
「あ、そうだったっす!」
「カミーユ、とりあえず魔法杖の使用を封印し、接近戦で行くぞ。王立墓地でモーリスさんから教えて貰った破邪聖煌拳の極意で戦う。その後は成り行きだが、物理攻撃で行く! ……スタンバイだ」
「はいっす! リオさんが居れば怖くないっす!『飛び道具』の魔法杖は封印して、自分で立てた課題クリアを目指っすよ! その代わり、リオさんから貰った盾を思う存分バッシュして使うっす!」
「よし! ……奴らが来るぞ。後、100mの距離まで来た!」
「リオさん! この距離だと、俺にもはっきり分かるっす! ゾンビと亡霊各10体の気配が! いつでも戦えるっす」
「OK! 指示を出すぞ」
リオネルとカミーユは顔を見合わせ頷きすと、いつ敵が現れても良いように身構えたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
やがて……
ゾンビ10体と亡霊10体が通路の奥に現れた。
「よし! 俺が先に行ってゾンビへ奥義の先制攻撃をかます。カミーユは後に続き、亡霊へ奥義を存分にぶちかませ!」
「了解っす!」
ここで、リオネルは声を張り上げる。
後方のミリアン、モーリスへ指示を通す為だ。
「モーリスさん! ミリアン! 敵は、ゾンビと亡霊が各10体、俺とカミーユで敵を接近戦で掃討します。とりあえずふたりは戦闘準備のまま、スタンバイ。万が一撃ち漏らしたら、フォローをお願いします!」
「「了解!」」
お、おおおおおお、おおおおおおお……
リオネルの大きな声に刺激されたのか、
ゾンビと亡霊は不気味な声を発しながら、一斉に迫って来る。
「リオさん! 奴らが来たっすう!」
リオネルはカミーユへ向き直り、きっぱりと言い放つ。
「カミーユ、あれぐらいお前にとってはノープロブレム! はっきり言って雑魚だ! 油断は大敵だが、自信を持って堂々と戦え!」
リオネルの熱い言葉に、カミーユは奮起する。
「分かったっす! リオさんと一緒に戦い、見事に勝利を収めるっす!」
「よし! じゃあ、俺が先陣を切る!」
「はいっ! リオさん! 俺も後に続くっす!」
「行くぞぉ!!」
「ふっ」と、不敵に笑ったリオネルは、不死者の群れに向かい、
ゆっくりと走り出していたのである。
0
お気に入りに追加
330
あなたにおすすめの小説
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる