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第186話「リオさんと一緒に戦い、見事に勝利を収めるっす!」
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英雄の迷宮地下3階層小ホール……
リオネル達が居る200m先から、ゾンビと亡霊の混成部隊が近付いて来る!
……数は、ゾンビが10、亡霊も10。
ここは王立墓地の経験が役に立ちそうである。
「師匠! 姉さん! 敵っす! 戦闘準備してくださいっす!」
はっきり言い切る事が出来たカミーユの声に、
まずミリアンが、そしてモーリスも反応する。
「カ、カミーユ、敵が来たのね!? ……し、師匠!」
「慌てるな、ミリアン。私も奴らの気配を感じる!」
一方……
クランのシーフ役としてしっかりと敵襲を告げたカミーユへ、
リオネルは更に『上のレベル』を求める。
「カミーユ、クランのシーフとして、もう少し詳しい情報を全員へ告げるんだ。敵の気配を探ってみろ」
「は、は、はいっすう! え、ええっと……」
リオネルから指示を受け、カミーユは慌てて対応しようとする。
先ほど、『虫』が苦手で固まってしまったリオネルと同じようなものだ。
「大丈夫だ、カミーユ。再度、深呼吸し、落ち着いて、敵の気配を探るんだ」
「りょ、了解っす! もう一回、深呼吸っす! す~は~、す~は~……」
深呼吸したカミーユは、みるみるうちに落ち着いて来た。
リオネルはそんなカミーユを励ます。
「うん、その感じだ。自信を持て、カミーユ。今までの経験を、そして冒険者ギルドの講習で受けた授業と実践を思い出せば、お前はシーフとして行ける。問題ないぞ」
「リ、リオさん、ありがとうございまっす!」
カミーユは笑顔で礼を言い、集中して敵の気配を探ると、
「ええっと……わ、分かったっす! ……こ、この気配は既に戦ったから、知っているっす」
「おお、そうか。言ってみてくれ」
「多分……ゾンビと亡霊っすよ。そして、数はそう多くないっすね。合わせて20体くらいっすか?」
「当たり! 上出来だ」
「うお! やったっすう!」
「ほらほら、カミーユ。姉さんと師匠にも、敵の情報を言わなきゃ」
「あ、そうだったっすう! 姉さあん! 師匠ぉ! 敵はゾンビと亡霊! 合わせて20体くらいっすう!」
「わお! カミーユ、凄いじゃない! 良くやったわ!」
「おお、カミーユ、シーフとしての働き、実に見事だぞ!」
「うおお! 俺、ふたりからも褒められたあ! す、凄く! う、嬉しいっすう!」
ミリアン、モーリスから褒められ、有頂天のカミーユ。
しかし、これでは「勝って兜の緒を締めよ」までも行かない。
喜ぶのはまだ早い。
カミーユは敵の所在と正体を確認しただけなのだから。
だから、リオネルが注意、カミーユの気持ちを引き締める。
「ほらほら、カミーユ、喜ぶのは敵を倒してからだぞ」
「あ、そうだったっす!」
「カミーユ、とりあえず魔法杖の使用を封印し、接近戦で行くぞ。王立墓地でモーリスさんから教えて貰った破邪聖煌拳の極意で戦う。その後は成り行きだが、物理攻撃で行く! ……スタンバイだ」
「はいっす! リオさんが居れば怖くないっす!『飛び道具』の魔法杖は封印して、自分で立てた課題クリアを目指っすよ! その代わり、リオさんから貰った盾を思う存分バッシュして使うっす!」
「よし! ……奴らが来るぞ。後、100mの距離まで来た!」
「リオさん! この距離だと、俺にもはっきり分かるっす! ゾンビと亡霊各10体の気配が! いつでも戦えるっす」
「OK! 指示を出すぞ」
リオネルとカミーユは顔を見合わせ頷きすと、いつ敵が現れても良いように身構えたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
やがて……
ゾンビ10体と亡霊10体が通路の奥に現れた。
「よし! 俺が先に行ってゾンビへ奥義の先制攻撃をかます。カミーユは後に続き、亡霊へ奥義を存分にぶちかませ!」
「了解っす!」
ここで、リオネルは声を張り上げる。
後方のミリアン、モーリスへ指示を通す為だ。
「モーリスさん! ミリアン! 敵は、ゾンビと亡霊が各10体、俺とカミーユで敵を接近戦で掃討します。とりあえずふたりは戦闘準備のまま、スタンバイ。万が一撃ち漏らしたら、フォローをお願いします!」
「「了解!」」
お、おおおおおお、おおおおおおお……
リオネルの大きな声に刺激されたのか、
ゾンビと亡霊は不気味な声を発しながら、一斉に迫って来る。
「リオさん! 奴らが来たっすう!」
リオネルはカミーユへ向き直り、きっぱりと言い放つ。
「カミーユ、あれぐらいお前にとってはノープロブレム! はっきり言って雑魚だ! 油断は大敵だが、自信を持って堂々と戦え!」
リオネルの熱い言葉に、カミーユは奮起する。
「分かったっす! リオさんと一緒に戦い、見事に勝利を収めるっす!」
「よし! じゃあ、俺が先陣を切る!」
「はいっ! リオさん! 俺も後に続くっす!」
「行くぞぉ!!」
「ふっ」と、不敵に笑ったリオネルは、不死者の群れに向かい、
ゆっくりと走り出していたのである。
リオネル達が居る200m先から、ゾンビと亡霊の混成部隊が近付いて来る!
……数は、ゾンビが10、亡霊も10。
ここは王立墓地の経験が役に立ちそうである。
「師匠! 姉さん! 敵っす! 戦闘準備してくださいっす!」
はっきり言い切る事が出来たカミーユの声に、
まずミリアンが、そしてモーリスも反応する。
「カ、カミーユ、敵が来たのね!? ……し、師匠!」
「慌てるな、ミリアン。私も奴らの気配を感じる!」
一方……
クランのシーフ役としてしっかりと敵襲を告げたカミーユへ、
リオネルは更に『上のレベル』を求める。
「カミーユ、クランのシーフとして、もう少し詳しい情報を全員へ告げるんだ。敵の気配を探ってみろ」
「は、は、はいっすう! え、ええっと……」
リオネルから指示を受け、カミーユは慌てて対応しようとする。
先ほど、『虫』が苦手で固まってしまったリオネルと同じようなものだ。
「大丈夫だ、カミーユ。再度、深呼吸し、落ち着いて、敵の気配を探るんだ」
「りょ、了解っす! もう一回、深呼吸っす! す~は~、す~は~……」
深呼吸したカミーユは、みるみるうちに落ち着いて来た。
リオネルはそんなカミーユを励ます。
「うん、その感じだ。自信を持て、カミーユ。今までの経験を、そして冒険者ギルドの講習で受けた授業と実践を思い出せば、お前はシーフとして行ける。問題ないぞ」
「リ、リオさん、ありがとうございまっす!」
カミーユは笑顔で礼を言い、集中して敵の気配を探ると、
「ええっと……わ、分かったっす! ……こ、この気配は既に戦ったから、知っているっす」
「おお、そうか。言ってみてくれ」
「多分……ゾンビと亡霊っすよ。そして、数はそう多くないっすね。合わせて20体くらいっすか?」
「当たり! 上出来だ」
「うお! やったっすう!」
「ほらほら、カミーユ。姉さんと師匠にも、敵の情報を言わなきゃ」
「あ、そうだったっすう! 姉さあん! 師匠ぉ! 敵はゾンビと亡霊! 合わせて20体くらいっすう!」
「わお! カミーユ、凄いじゃない! 良くやったわ!」
「おお、カミーユ、シーフとしての働き、実に見事だぞ!」
「うおお! 俺、ふたりからも褒められたあ! す、凄く! う、嬉しいっすう!」
ミリアン、モーリスから褒められ、有頂天のカミーユ。
しかし、これでは「勝って兜の緒を締めよ」までも行かない。
喜ぶのはまだ早い。
カミーユは敵の所在と正体を確認しただけなのだから。
だから、リオネルが注意、カミーユの気持ちを引き締める。
「ほらほら、カミーユ、喜ぶのは敵を倒してからだぞ」
「あ、そうだったっす!」
「カミーユ、とりあえず魔法杖の使用を封印し、接近戦で行くぞ。王立墓地でモーリスさんから教えて貰った破邪聖煌拳の極意で戦う。その後は成り行きだが、物理攻撃で行く! ……スタンバイだ」
「はいっす! リオさんが居れば怖くないっす!『飛び道具』の魔法杖は封印して、自分で立てた課題クリアを目指っすよ! その代わり、リオさんから貰った盾を思う存分バッシュして使うっす!」
「よし! ……奴らが来るぞ。後、100mの距離まで来た!」
「リオさん! この距離だと、俺にもはっきり分かるっす! ゾンビと亡霊各10体の気配が! いつでも戦えるっす」
「OK! 指示を出すぞ」
リオネルとカミーユは顔を見合わせ頷きすと、いつ敵が現れても良いように身構えたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
やがて……
ゾンビ10体と亡霊10体が通路の奥に現れた。
「よし! 俺が先に行ってゾンビへ奥義の先制攻撃をかます。カミーユは後に続き、亡霊へ奥義を存分にぶちかませ!」
「了解っす!」
ここで、リオネルは声を張り上げる。
後方のミリアン、モーリスへ指示を通す為だ。
「モーリスさん! ミリアン! 敵は、ゾンビと亡霊が各10体、俺とカミーユで敵を接近戦で掃討します。とりあえずふたりは戦闘準備のまま、スタンバイ。万が一撃ち漏らしたら、フォローをお願いします!」
「「了解!」」
お、おおおおおお、おおおおおおお……
リオネルの大きな声に刺激されたのか、
ゾンビと亡霊は不気味な声を発しながら、一斉に迫って来る。
「リオさん! 奴らが来たっすう!」
リオネルはカミーユへ向き直り、きっぱりと言い放つ。
「カミーユ、あれぐらいお前にとってはノープロブレム! はっきり言って雑魚だ! 油断は大敵だが、自信を持って堂々と戦え!」
リオネルの熱い言葉に、カミーユは奮起する。
「分かったっす! リオさんと一緒に戦い、見事に勝利を収めるっす!」
「よし! じゃあ、俺が先陣を切る!」
「はいっ! リオさん! 俺も後に続くっす!」
「行くぞぉ!!」
「ふっ」と、不敵に笑ったリオネルは、不死者の群れに向かい、
ゆっくりと走り出していたのである。
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